Beer @ Ho Chi Minh City
ベトナムの南に位置する商業都市、ホーチミンシティへ旅に出た。ベトナムは南北に長い国で、北にある首都ハノイからホーチミンは760km離れている。繁華街に近い市内の道路は主にバイクだらけの雑踏だ。慣れないうちは横断歩道があっても道路を渡るのに10分は費やしてしまうほどの。
歩道の脇では地元の男性たちが、いたるところにたむろしている。歩道に出された小さいテーブルと椅子に陣取り、茶を飲んだり、屋台で売っているフォー(ベトナムうどん)やバインミー(ベトナムのサンドイッチ)をほおばりながら、おそらく世間話やテーブルゲーム(中国将棋)に興じているのだ。東京とはまたひと味違う、いまにも爆発しそうなエネルギーに溢れた街。
ホーチミンは熱帯気候のため、気温は連日30度以上。訪れた5月は雨期の初めで湿度も高いため、動き回れば汗がじっとりと滲んでくる。
となれば当然、ビールが美味しいに決まってるでしょう〜♪ というわけで、市内のレストランやカフェで提供しているビールをチェックしてまいりました。
ホーチミンの気候には、やはりサッパリしたラガーがよく合う。飲み飽きないし、なによりフォーのようなあっさりしたもの、揚げた春巻き、香辛料を利かせた炒め物など、多種多様なベトナム料理全般によく合うスタイルだ。
■333(バーバーバー)
国内シェア70%を超えるベトナム最大のビールメーカー、サイゴンブルワリーの最主力商品。日本にあるベトナム料理店で見かける率もNo.1。香りが爽やかで泡立ちがよい。
■SAIGON Export(サイゴン エキスポート)
333と同じサイゴンブルワリーの商品。麦芽、ホップのほかに米を使用(333も同様)。炭酸が効いており、切れ味がよい印象。
■SAIGON SPECIAL(サイゴンスペシャル)
ヨーロッパのモルトを使用したSaigonのプレミアム版。ほのかに柑橘系の香り。麦芽100%ながら、飲み口は軽く爽やか。サイゴンブルワリーの製品はフランスのビール醸造技術が基になっている。
■Huda(フーダ)
ベトナム中部に位置する古都、フエのビールで、ホーチミンで見かけることは少ない。ライトな味わいながらも、若干のクセとコクにファンが多い。デンマークの醸造メーカーの技術が基になっている。
■Bia Ha Nhoi(ビア ハノイ)
ベトナム北部にある国の首都、ハノイのビール。ハノイビール・アルコール飲料総公社が製造しており、100年以上の歴史を持つ。さっぱりしているが、他のビールに比べてコクがある。ベトナム食品展覧会で金賞を5度受賞。個人的にはかなり好みで、見つけたら必ず飲んでいた。
*写真取り忘れ…、こちらのサイトより画像お借りしました。
■BIERE LARUE EXPORT(ビア ラルー エクスポート)
ベトナムブルワリーが製造、1909年に生まれた東洋一歴史を持つビール。麦芽とホップのほかに米を使用した、スイスイ飲めるライトな飲み口。
■Tiger(タイガー)
シンガポールを代表するラガー。アジア・パシフィック・ブリュワリーズ社がオランダのハイネケン社と共同でブランドを設立(日本ではアイコンユーロパブが輸入販売元)。ベトナムではハノイ(旧ハタイ省)で製造されている。フルーティなアロマを楽しみながらサッパリいただける。ホーチミンのレストランでは必ずと言っていいほどどの店にも置いてあり、唯一生ビールでも提供される銘柄。
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ホーチミンのあるカフェに入ったら外国人用メニューを渡された。そこではサイゴンのボトルを頼んだが、後からやってきた隣のベトナム人家族団体には外国人用メニューには載っていない缶のバーバーバーが、ジョッキと共に供されているではないか。
きっと価格も外国人用より安いんだろうな、イイナーと思いながら眺めていると、店のスタッフが10×10×5cmはあろうかと思われる長方形の氷の塊を、ポリバケツで大量に運び各ジョッキに入れ始めた。そう、その上に常温のバーバーバーを注ぎ入れるのだ。ベトナムの街中で大きな氷が溶けた飲み物を飲むのは、さすがに無謀なチャレンジャーすぎるわー…というわけで、ボトルのまま冷えた外国人用ビールを美味しくいただく毎日でございました。■
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