ベルギービールのカタカナ表記(2)
ベルギービールのカタカナ表記(1)の続きです。
今回は具体的な例(自社の直輸入商品で)を挙げてご紹介します。
■Brugse Zot⇒ブルッグス・ゾット
現地ではブルッフュスまたはブルッフスのように発音します。(そのように聞こえます)
ただこのgがくせもので音声学的には摩擦音という発音になります。
「ブルッフュス」とも「ブルッフス」とも「ブルックス」とも「ブルッグス」とも聞こえますし、地域によってもその発音の仕方に差があるため、カタカナ表記を決めるのに大変苦労しました。
Brugseは「Bruggeの」という意味ですが、この地名も日本人には現地発音の「ブルッヘ(これも単なる”ヘ”という発音ではありません)」ではなく、「ブルージュ」として知られていることを考え、発音の似ている「ブルッグス」という表記にしました。
■Slaghmuylder⇒スラッグムルダー
これも上記のブルッグス・ゾットと似ています。
現地ではスラッフムルダー、スラッフミュルダー、スラッグムルダー、スラッグミュルダーのように発音します。(そのように聞こえます)
日本人の発音のしやすい、スラッグムルダーを採用しました。
■De Ryck⇒デ・ライク
現地では「ドゥ・レイク」のような発音をします。
私もベルギーでは「ドゥ・レイク」と言っています。
ただこの醸造所は、多くのベルギービールファンが読んでいると思われる、「マイケル・ジャクソンの地ビールの世界」のゴールデン・エールの項に登場しており、すでに「デ・ライク」と和訳されていることから、整合性があってわかりやすいのでは、という意図からあえて「デ・ライク」という表記にしました。
■Dubbel・Tripel⇒ダブル・トリプル
これもベルギービールにはよく使われていますね。
現地では「ドゥベル」「トリペル」のように発音します。
ただ「ドゥベル」の発音について、日本人にはbとvの発音の仕方に区別が無いため、ベルギービールの銘柄にもある「Duvel」と混同しやすいこと、またこれまで輸入されているベルギービールには「ダブル」「トリプル」という表記がつけられすでに定着していると考えられることから、当社でも「ダブル」「トリプル」という表記にしました。
なかなか面白くないですか?
このお話は次回でおしまいにしたいと思います。
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