おでん×ラガーはやはり美味しかった!?~第三回ペアリングラボ報告~
(ペアリングって、本当に面白い!!…)
これまで参加者の多様な意見を目の当たりにしてきましたが、回を重ねる毎にそう感じている自分がいます。ビアジャーナリストアカデミー(BJA)卒業生の有志が集まり学び合う「第三回ペアリングラボ」も、やはり驚きと発見に満ち満ちていました!
今回は「おでん」との食べ合わせを研究。事前に3種の銘柄を決め、どれが合うか各自で予想を立ててから実食して頂きました。
予想と実際の結果は以下の通りです。
【銘柄(ビアスタイル)】
●○●○●○●○●
【レーベンブロイ(ミュンヘナーヘレス)】
予想 : カツオ出汁の旨味に負けないモルト感と、素材を邪魔しない柔らかい香りと清涼感が良さそう
感想 :
「おでんとラガーは最強。淡い酸味を含むような、ラガー特有の飲み口が合う。ボヘミアン・ピルスナー等あえてダイアセチル(またはDMS)を残している銘柄も試してみたい」
「麦芽の甘味がカツオの旨味とバランスを取り、どちらもつぶさない」
「ウズラに対しては水っぽさを少し感じる?硫黄臭やクリーミーさが舌に残るかも」
「ウィンナーの味わいもしっかりリセットしてくれる」
【いわて蔵ビール ジャパニーズスパイスエール山椒(スパイス・エール)】
予想 : 山椒の風味が薬味の役割を果たすのでは?ビールの苦味とおでんの甘味の相互効果&スパイシーさを和らげる
感想 :
「山椒のキャラが立ち過ぎかな。ペールエールや柚子ならどうだろうか?」
「ウィンナーが山椒の上品な香りで引き立った」
「エール山椒が温(ぬる)まり、おでんが冷めてくるとお互いになじんでくる→温まることで山椒のキレが和らぎ、冷めることでおでんの味が濃く感じるのが要因か?」
【ベアードビール 帝国IPA(IPA)】
予想 : 優しい薄味の甘い出汁にあえて苦味をぶつけて味の変化を試したい
感想 :
「出汁より素材の塩味が強いウィンナーとはマッチ。苦味が緩和され、旨味が増強された」
「糸こんにゃくと共に含むと、レモンのような香りが急に引き出されて面白い!」
「ホップの苦味がカツオのエグ味のようなイメージとなる所がちょっと残念かも」
※食べ合わせに対する個人の感想です。各銘柄そのものの評価とは関係ございません。どれも素敵なビールです。
○●○●○●○●○●
最後の意見共有タイムでは、さらに意見が白熱しました。
例えば、
「糸こんにゃくと帝国IPA共に含むと、レモンのような香りが急に引き出されて面白い!」
という意見について、
【料理の味や香り、テクスチャによって、モルト(またはホップのどちらか)が引き立ってくるような法則性はあるのか?】
という今後の研究課題が生まれました。味や香りの相互関係以外にも何かファクターがあるのでは?と考えさせられる、非常に奥深いペアリングとなりました。
仮定して、検証して、個人の意見を互いに共有し合う。それによって得られる「実体験」と「多角的な視点」から大きな学びを得ることができました。
次回はどんな発見をこちらでお伝えできるのか…楽しみです。
乞うご期待!!
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。