創業時の味を守り続けて17年【ファクトリーカミカゼ(西国立)】
ビアLoverの皆さん、おいしいビールを飲んでいますか?……もちろん飲んでますよね(笑)。では、「おいしいビール」ってどんなビールですか!? もし明確な答えがひとつあるとすれば、それは「出来立てのビール」ではないでしょうか?
大手ビール会社でも、工場併設のレストランで味わう出来立てのビールは、最高においしいですよね。クラフトビールの場合も同様で、ブルーパブやブルワリー併設のレストランなどで飲む、“工場直送”のビールの味は格別です。そんな素敵な時間を味わうために、立川市にある1999年創業の老舗ブルーパブ「ファクトリーカミカゼ」を訪ねました。
目次
- 1 西国立駅から徒歩1分の駅近ブルーパブ
- 2 居酒屋風に、気軽にグビグビ
- 3 創業時のレシピを守って
- 3.1 うちの母体は向かいの懐石料理店なので、「料理の邪魔をしないビールを造る」という考えが基本にあります。そこから誕生したのが、このクリームエールとアンバーエールです。
- 3.2 立ち上げ時のスタッフは、ここで実際に弊社の工場の器具を使いながらハモン氏にトレーニングしてもらったようですね。いつもの原料が入手できないときは風味の近いものに替えたりすることもありますが、基本は創業時のレシピのままです。
- 3.3 うちは作業場が狭いわりにタンクが大きく、小さいタンクでも2000リットル、大きいほうは4000リットルあるんです。発酵タンクが3本、貯酒タンク3本……といった感じなので、タンクのやりくりの面でも労力の面でも、現状の2種類を回していくので精一杯。なので、フルーツを入れたビールなんかも造れたらいいなあ……みたいな思いは常にあるものの、なかなか新作を造るのは難しくて。「もっと小さいタンクだったら、いろいろできたのにねー」なんて言われることもありますね(笑)。
- 3.4 同じ材料を使って同じように造るのに同じにならない。もちろん品質的には許容範囲内の誤差ですが、前回と100%同じビールは絶対にできない。それが面白くて20年近くこの仕事をやっているんです。
- 3.5 お客様の声をダイレクトに聞けるのが良いですね。帰りがけに「ビールおいしかったよ」なんて声を掛けていただいたときは、内心「よし」と思って。やりがいにつながるので、それは幸せなことだなと思います。まあ、ときどき落ち込むこともありますけど。
西国立駅から徒歩1分の駅近ブルーパブ
「ファクトリーカミカゼ」の入り口は、西国立駅からは建物を壁沿いに進んだ一番奥で、懐石料理店「無門庵」の入り口の向かいにあります。駅からわずか徒歩1分。「立川」駅からも徒歩12分の好立地です。木製の扉を開けて中に入ると2階につながる階段が。ブルーパブは2階にあるので、迷わず階上に昇ります。階段を昇りきるとそこには、壁際にジュークボックスが置かれた気取らない飲食スペースが。窓の外には、1階のビール工場が見えます。
居酒屋風に、気軽にグビグビ
こちらで飲めるビールの種類は、1階で造っている
- クリームエール
- アンバーエール
の2種類と、これらをブレンドした
- ハーフ&ハーフ
の全3種類。それぞれ小ジョッキ450円、中ジョッキ650円とリーズナブルです。フードは、自家製ピザや麺類といったがっつりめの食事メニューから、ソーセージや揚げ物、サラダ、枝豆といったおつまみまで、ビールとよく合うものが勢ぞろい。全体的に居酒屋っぽいテイストです。
さあ、何はさておきビールです! ということで、まずはクリームエールを。美しいゴールド色で、モルトのアロマが優しくまろやかなフレーバーを感じますが、飲み口はすっきりしていて、とてもキレが良いです。どんな料理とも合うオールマイティさで言えば、一般的なピルスナー以上と言えるかもしれません。そんな“グビグビ系”ビールです。一方のアンバーエールは、ローストモルトのアロマが香ばしくコクがありますが、重すぎず苦すぎず、後味はすっきりしています。ソーセージや塩焼きといった肉料理と合わせると、これもまたついついジョッキが進んでしまう濃色ビールです。
この飲みやすいビールはどのように造られているのでしょうか? 現在、醸造作業を行いながら2階で調理も担当する副醸造長の高橋薫さんに話を伺いました。
創業時のレシピを守って
うちの母体は向かいの懐石料理店なので、「料理の邪魔をしないビールを造る」という考えが基本にあります。そこから誕生したのが、このクリームエールとアンバーエールです。
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立ち上げ時のスタッフは、ここで実際に弊社の工場の器具を使いながらハモン氏にトレーニングしてもらったようですね。いつもの原料が入手できないときは風味の近いものに替えたりすることもありますが、基本は創業時のレシピのままです。
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うちは作業場が狭いわりにタンクが大きく、小さいタンクでも2000リットル、大きいほうは4000リットルあるんです。発酵タンクが3本、貯酒タンク3本……といった感じなので、タンクのやりくりの面でも労力の面でも、現状の2種類を回していくので精一杯。なので、フルーツを入れたビールなんかも造れたらいいなあ……みたいな思いは常にあるものの、なかなか新作を造るのは難しくて。「もっと小さいタンクだったら、いろいろできたのにねー」なんて言われることもありますね(笑)。
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新たなテイストのビールを……という高橋さんの願いは、季節限定の「ビアカクテル」として折にふれて具現化されています。2月はバレンタインシーズンということで、取材時にはアンバーエールを使った「チョコビアカクテル」と「モカビアカクテル」がメニューにありました。チョコの方は私もいただきましたが、とってもおいしい! 実は高橋さん、ビールがあまり得意ではなく、試飲以外ではほとんど飲まないとのこと。あくまで「造ること」が好きなのだそうです。そんな彼女だからこそ、「ビールは苦くて飲めない」という人にも飲みやすいメニューを考えられるのでしょう。
同じ材料を使って同じように造るのに同じにならない。もちろん品質的には許容範囲内の誤差ですが、前回と100%同じビールは絶対にできない。それが面白くて20年近くこの仕事をやっているんです。
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お客様の声をダイレクトに聞けるのが良いですね。帰りがけに「ビールおいしかったよ」なんて声を掛けていただいたときは、内心「よし」と思って。やりがいにつながるので、それは幸せなことだなと思います。まあ、ときどき落ち込むこともありますけど。
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創業の味を17年守り続ける「ファクトリーカミカゼ」の樽生を飲みに行きませんか?
photo by Masashi Hikita☆☆☆☆
ファクトリーカミカゼ
東京都立川市錦町1-24-26
Tel: 042-524-6556
月~土曜 17:00~23:00
土日 はカフェ営業あり
11:00~15:30(ラストオーダー15:00)
カミカゼバーガー&ナポリタン、コーヒーやケーキ等。
もちろんカミカゼビールも飲めます。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。