【サワーエールのペアリングは天秤である~第4回ペアリングラボ報告~】
日本ビアジャーナリストアカデミー卒業生が有志で行っている「ペアリングラボ」。
サワーエール3種とのペアリングを研究した今回を総評すると
【サワーエールのペアリングは天秤である】
ということだ。どういうことか?
まずは、今回食べ合わせたビールと料理、そのペアリングの総評をご覧いただきたい。
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【ビール】
●BREWERS VERZET OUD BRUIN(ヴェルゼット オードブライン): フランダース・レッドエール
●CANTILLON GEUZE(カンティヨン・グーズ):グーズ・ランビック
●Alvinne Sigma(アルヴィンヌ シグマ):高アルコール&ロースティなベルジャン・サワーエール
【料理】
●ヒイカの煮付け:小ぶりのイカを丸ごと大根とともに、醤油ベースで甘味を出して煮付けます
●ヨーグルトグラノーラ:濃厚な水抜きヨーグルトにグラノーラをたっぷりかけて。
●チキンカレー:辛味がどう酸味と反応するか..?
●ブルーチーズ&はちみつ:癖のあるチーズとランビック特有の香りが意外とマッチするのでは?
●生ハム:酸味が塩味を緩和してまろやかに?
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【総評(一部抜粋)】
①ヨーグルトの爽やかな酸味と乳酸香がサワーエールの酸味と香りに合う
⇒乳酸香同士が強化しあい爽やかな香りが広がる。但し、逆にランビック特有のカビ臭さが広がると捉える人もいる。
②ビールの余韻と料理の後味に注意
⇒例えば、グーズ・ランビックとヨーグルトは爽やかな乳酸香が強調し合うが、ブルーチーズとはカビ臭さが強く残りすぎてなかなか食が進まなかった。
③味付き大根のペアリング万能説
⇒繊維にビールの味わいが絡みつく。その大根に味が染みていれば、大根を介して味を交えることができる
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印象的だったのは、参加者間で意見が明確にはまとまらなかったことだ。
意見の共有はいつも次のように行っている。個別に意見を書き出したのち、それを張り出す。他の参加者の意見で「自分もそう感じた」ものに●印を各自つけてもらう。その後に全体で話しながら感想や理由を深めていくのだが、だいたいの意見が2者に割れた結果だ。
酸味やランビック特有の香りが好きか嫌いか、それによって感じ方も大きく変わった。それゆえに、少なくとも今回は「サワーエールのペアリングは天秤である」と感じた。
他の味わいもそうだが理論だけでは語れない、ペアリングの奥深さを再認識できた回であった。
最後に・・・
ご縁あって愛知県・名古屋市の「ビアマルクト」様にビールの手配をご協力頂いた。
最大限の感謝を、こちらでもお伝えしたい。
次回は4/29を予定。次はどんな結果を皆様にお届けできるか楽しみだ。
ご覧いただいた皆様に感謝を込めて。
協力:名古屋 ビール専門店「ビアマルクト」
HP: http://biermarkt.jp/
Facebook: https://www.facebook.com/biermarkt.nagoya
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。