Beerに惹かれたものたち 5人目 F.B.JAPAN 土屋 敦氏
茨城県ひたちなか市にある株式会社和飲風土。F.B.JAPANはそのなかの事業部で、フランスビールの輸入を行っている。ここで、事業部長を勤めるのが土屋敦氏だ。今回は彼にフォーカスを当てていく。
「ランジェルス」と「アノステーケ・ブロンド」で感動を伝えたい!
F.B.JAPANは2013年にフランスビールの輸入を開始した。輸入に際し、約50種類のビールを取寄せ、試飲をした。そのなかに現在も中核を担うランジェルス(※1)とアノステーケ・ブロンド(※2)があった。
「この2つのビールとの出会いがなければ、フランスビール輸入の話はなかったとさえ感じています。非常に魅力的で、このビールを飲んだことのない方にこのビールを飲んで感動してほしい。」と土屋氏は語る。
多種多様なビアスタイルを日本に伝えたい!
先述の2つのビールは「ビエール・ド・ギャルド」(※3)というビアスタイルで、フランス固有のビアスタイルだ。「ビエール・ド・ギャルドも多種多様なフランスビールの一面しかとらえているに過ぎません。私たちが取扱っているビールもこのビアスタイルに合致しないものがほとんどです。ビエール・ド・ギャルドを踏襲しつつ、新たな醸造方法にチャレンジしているのが、現在のフランスビールです」こうした情報の発信を土屋氏たちが自ら発信していかなければならないと強い使命感を感じている。
造り手と飲み手の懸け橋に
インポーターの魅力は何なのか?その魅力について、土屋氏は「造り手の民族文化を直接、感じ取れることです。彼らの情熱を感じ取れることは楽しいし、飲み手にその魅力を伝えることで、感動を与えることができることも楽しい」と造り手と飲み手の懸け橋になれることだと言う。
現在、取扱っているビールはベルギーに隣接する農業地域、フランダース地方ものだ。そこでは原料も造り手も「フランス産」であることにこだわるフランス人らしい頑固な職人気質がビール造りや取引にも見え隠れするという。これこそがインポーターという仕事だからこそ知ることができる魅力だ。
フランスビールを普及する日々
「いやぁ~。もう、へろへろだよ」けやき広場春のビール祭り2016で土屋氏にお会いしたときに近況を訊ねると苦笑いしながらこう答えてくれた。今年に入り、土屋氏はフランスビールの普及をするべく、昨年から関東の他、大阪、長野、広島でのイベントに出向き、精力的に活動をしている。各地で「クラフトビールと呼ばれるこだわりのビールが提供され、多くのお客様がそれぞれを楽しんでいることは本当に嬉しく思います。私自身もいちビールファンとして楽しませてもらっています」と多忙ながらもお客さんとのやりとりにさらなるやりがいを感じている。
さらに「今や世界各国で多種多様なビールが造られています。固定概念に捉われず、自分の好きなビールを見つけてほしいと思います。私がフランスビールを飲んだときに受けたような衝撃的な出会いが皆様にもあることを信じて」と語った。
「フランスビールは自分のビール世界への入り口であり、世界観を変える存在」という。今後の夢について訊いてみると「メーカーと共同で、日本市場限定の商品開発をしてみたい。もちろん、彼らの文化と思いが詰まったフランスらしさのある商品をです。造り手のプライドを存分に感じる最高峰のビールを日本に届けたい」そう話した。
土屋氏はこれからも自分の生活の一部となっているフランスビールの極みを目指して伝えていく。イベントでF.B.JAPANが取扱っているビールを見かけたらぜひ飲んでほしい。
※1フルーツガムのような華やかな香りとコリアンダーのようなスパイシーな香りが調和し、風味も麦芽の甘さと苦みがバランスよく感じられるビール。
※2適度な苦みと同時に、花やフルーツ、柑橘系のアロマが感じられる。麦芽の風味が非常にバランスよく、アルコール感を感じさせない口当たりの良さが特徴。
※3冬の間にビールを仕込み、木樽で発酵させて、セラーで貯蔵させたビール
◆F.B.JAPAN Data
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