日本人向けのバーレイワインを造りたい!~大手OB技術者集団による熱き挑戦~〈1〉
ビールに愛された皆さまへ。
ブドウやプラムのドライフルーツを思わせる甘い香りと、ブランデーを彷彿とさせるとろりとした甘味。長期熟成による上品で質の良い味と香りが楽しめる、このバーレイワイン「 クラフトエールスター 」はアルコール度数が12%。
なんと、缶で販売されている。
クラフトエールスターとの出会いは日本地ビール協会が主催しているビアフェスであった。「ウェラワン」という新しいブルワリーである。目新しいバーレイワインは注目を集め、行列まではできないものの、そのブースは開催中ずっと忙しそうだった。そこで人気を博していたのが、ブースで販売していた2本で500円の「お土産ビール」。試飲で気に入ったビアファンたちが、こぞってこれを買い求め、熱心な人は一人で8セット(16本)も買って帰っていた。
ものすごくお買い得で、とてもうまい。しかも12%。缶には「 原産国 カンボジア王国 」と記載されている。いったいどういうことだろうか。
ウェラワン株式会社、ウェラワン・インベスト株式会社の代表 藤原孝行氏に話をうかがった。
藤原孝行氏
現役時代に培った圧倒的な技術力と強烈なコネクション
ウェラワン株式会社は国内でビールを販売する、酒販の免許を持っている会社で、ウェラワン・インベスト株式会社は海外でビールやチューハイなどを生産している会社です
私たちはベトナムやカンボジアでビール,チューハイやノンアルコールビールなどを製造し、現地での販売とともに日本へも輸出しています。
今までは主にスーパーマーケットなどで販売するOEMのビールやチューハイを製造し輸入していました。地方の有力なスーパーマーケットで「 麦と太陽 」「 HOP STAR 」等のブランドを展開しています。
なぜ、べトナムやカンボジアで造っているかといいますと、これらの発展途上国では、新しいものを開発したり製造したりするのが、比較的容易に、そして自由に、取組むことができるのです。
また、このあたりは昔、仏領インドシナと呼ばれていてフランス領でした。なぜフランスがこの土地を支配したかというと、ここは数百年来の昔からヨーロッパやアジアをつなぐ交易の中心地として栄えていたので、食文化も非常に豊かな上、原産であるライムやグレープフルーツといった南国フルーツの宝庫だからなのです。 (所説あります)
ここで獲れるふんだんな果汁を使ってチューハイやカクテルなどを作れば、本場のオリジナルのものが作れるわけです。そのような商品の開発も進んでおります。
現地の工場
私たちはベトナムで「333」ビールなどを作っている国営企業(サイゴンブルワリー:今は民営化)でチューハイを製造したのがスタートでした。現役時代でのご縁もあり、引退してからも付き合いがあったため実現しました。今後ボトルビールを製造するにあたり、別の事業場の方がいいだろうと現地の新たなビール会社と提携致しました。 また、カンボジアでもそのようなご縁がつながり、現地のビール会社との合弁会社、J&Cビバレッジを設立し、そこでも製造しています。
聞けば、藤原氏を始めウェラワンに在籍している他の皆様は現役時代、大手ビール会社や、創業者とその外国人妻がドラマ化されて人気が再燃したウイスキーのN社などで技術者として研鑽してきた方々である。長年にわたり腕を磨いてきたアルコールのプロ中のプロともいえるOB技術者が集まり、海外の工場にて品質管理と製造の技術を伝えているのだ。
現役時代は、競合他社の技術者とは口もきかなかったのですよ。でも、今は違いますからね。
昔のライバル社同士が、今は力を合わせて、新しい挑戦に向かっているのである。
次回、明日配信 クラフトビールへの挑戦につづく
藤原孝行氏 プロフィール
1946年生まれ。出身地;大阪府。
最終学歴;大阪大学工学部(発酵学)
1970年 大手醸造会社に入社。
2006年退職し、同年ウェラワン社の代表取締役に就任し 現在至る。
醸造会社では、研究職からスタートし工場勤務を経て、生産管理,経営企画,海外事業部門に携わった。
ウェラワン株式会社
問い合わせ先
TEL:03-3231-6760
商品取り扱いページ
http://www.rakuten.co.jp/hopstar-walawang/
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