新商品紹介 ベルジャンチョコレートスタウト
ベルギーに住んで自分のビールを作っているのは現在ではただ一人、今井礼欧さんしかいません。ただ、レシピを送って醸造してもらったり、作る時だけベルギーに行き、自ら仕込み熟成するのは日本で待つというスタイルで自分のビールを作っている人はいます。その一人がベルギービール騎士団が名誉騎士と認めたRio Brewing & Co.の菅原亮平さんです。
彼はもう何年もこの時期にベルジャンチョコレートスタウトを作り続けています。アルコール度数は低めながら瓶内発酵による飲んだ後の余韻といった大まかなところは変わらないものの、味わいは毎年進化を遂げているのも特徴の一つです。ただ、樽とボトルで味わいが違うというのはベルギービールではよくあることです。そこで、今回はデリリウムカフェGINZAで樽とボトルを飲み比べてきました。
まずは外見の違いです。樽の泡はきれいな白ですが、ボトルの泡はうっすら茶色く色づいています。色はほとんど変わりません。アルコール度数はどちらも6.7%です。味わいについてはベルギービールJapanさんの説明によると
とても濃いダークブラウン。ミルクチョコレート、ココア、キャラメル、はちみつのような香り、スモーキーな香りもあります。口に含むと想像したほどの甘みはなく、コーヒーやナッツのような、香ばしいフレーバーをともなった、酸味と苦味のバランス良い味わい。後 に舌の上で心地よい苦味が長く続きます。アルコール度数も高くないので比較的飲みやすく、チョコレートとの相性も抜群です。
とのことです。確かにその通り、といった味わいです。ただ、昨年のものは6.5%だったのですが、心なしか昨年よりドリンカブルになっているような気がします。しかも、味わいは樽のほうが軽やかに感じられ、ボトルは樽に比べると濃いようです。どちらがいいのかは完全に好みの問題です。いえ、好みの問題といっても私自身もどちらも美味しく、選び難くて困ってしまいます。こんな時はほかの人にも聞いてみるのが一番です。と、そこへたまたま店長の神林さんが通りがかったので聞いてみました。「ボトルと樽だと樽のほうがよく売れていますね。去年より度数は上がっていますが、まろやかさが増していてむしろ去年よりドリンカブルですね。」
やっぱりね、と嬉しくなったのでペアリングについても聞いてみました。
「グリルしたお肉と合わせるのはいかがですか?香ばしいグリルされた肉の香りとチョコレートスタウトに使われているローストモルトの風味が相性抜群ですよ。もし、チョコレートと合わせることをお考えでしたらビターなものをお勧めする、と弊社の菅原も申しております。」と、これまた明確なお答え。実は「弊社の菅原」とは先に述べた菅原亮平さんその人のことなのです。作った本人がおすすめというならそうでしょうねぇ、とうなずきながらボトルのほうをごくり。爽やかさが際立つ樽のものと比べるとボトルのほうは飲んだ後の余韻が長く、しっかりとした味わいがより感じられました。なお、デリリウムカフェGINZAにはブティックといってボトルも買って帰れるようになっているのですが、私が伺った日は残念ながらチョコレートスタウトは売り切れでした。今は再入荷したそうですし、ベルギービールJapanのサイトでも売っています。ちなみに別の日にグラスの厚さを変えて飲み比べたところ、薄いほうが断然味わいの繊細さを感じやすく、心地よい味わいを余すところなく堪能できるのでご自宅で飲まれるときには参考にしてみてください。
みんなで食べながらわいわいとやるならお店で樽を、家で読書でもしながらゆっくり味わうならボトルを、という具合に使い分けて楽しみたいですね。
■デリリウムカフェGINZA
東京都中央区銀座5-9-5 チアーズ銀座1F
03-6228-5617
http://www.deliriumcafe.jp/ginza/
ボトルを買うならこちら
■ベルギービールJapan
https://www.belgianbeer.co.jp/
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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。