アメリカで造られたベルジャンダブル「Single Digit Dubbel」―ビアレポート(137)
わからないことだらけの私です。
このコラムでは、飲んでおいしかったビールやラベルが面白かったビールを紹介しています。ただ、味の紹介がメインではなく(味の紹介は他でもたくさんありますので)、そのラベルやブルワリーにまつわる話を紹介しよう、という意図のコラムです。そんなわけで、ビール以外の情報もいろいろと調べて書いているのですが、いくら調べても情報がまとまらないことがあります。
そんなビールのひとつが、今回ご紹介するアメリカのスマッティノーズ「Single Digit Dubbel(シングル・ディジット・ダブル)」。
スマッティノーズについては、先日大塚のタイタンズで行われたタップテイクオーバーイベントの紹介で触れました。
紹介しておきながら自分では参加することができなかったので、これは飲んでみないといけない、と思い、そのうちの1本を買ってみたのです。もちろんジャケ買いです。
パッと見て特に違和感を感じないのですが、ラベルの右端を見てみると、笑顔で立っている女性が描かれています。
ものすごく写実的な絵なのか写真なのかわかりませんが、リアルに女性が描かれているところに、スッと左下を見るとアザラシが。リアリティある女性の出来事を漫画的なアザラシが盗み見しているような感じで非常に滑稽です。
そんなところに惹かれて購入したのですが、もしかしたらこの絵は映画か何かのワンシーンかと思い、画像検索してみてもまったくひっかからず。
では、ビール名の「Single Digit」に何か意味があるのかと調べてみても「一桁の数字」というだけで、まったくわからず。ちなみに、以前は「Winter Ale(ウィンターエール)」という名称で販売されていて、その名の通り、現在でも冬限定のシーズナルビールです。
では、スマッティノーズという醸造所の名前の由来でも…と思ったのですが、こちらも不明なことばかり。スマッティノーズとは、醸造所のあるニューハンプシャー州の海岸から近い島の名前から取ったものですが、この島は殺人事件で有名なんだそうです。この殺人事件はアニタ・シュレーブの『The Weight of Water』という小説で描かれ、邦題『悪魔の呼ぶ海へ』という映画にもなっています(日本では上映されずビデオ化したのみ)。
ということなんですが、なぜそんな島の名前を醸造所に付けたのか…が一切わからず。結果、どうまとめたらいいのかわからず現在に至るのです。
とにかく、ビールを飲んでみました。トラピストエールイーストを使用しているとのこと。軽いカラメル感あるアロマ。カラメル、ハチミツのような甘味とローストの苦味。適度な酸味がアクセントとなって、バランスのよい味わいに仕上がっています。アメリカの多くのブルワリーがベルジャンスタイルを造っていますが、ベルジャンダブルを造るのはあまり見かけないので、そういう意味でも面白いビール。
と、結局まとまらず小ネタを披露しただけで終わるわけですが、ラベルに描かれた、寒い中でも楽しそうな女性の笑顔に免じてご容赦いただければと思います。あ、あとアザラシの顔にも免じて。
【BEER DATA】
Single Digit Dubbel(シングル・ディジット・ダブル)
生産地:アメリカ
醸造所:スマッティノーズ
スタイル:ベルジャンダブル
アルコール度数:6.6%
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。