ベルギーの本気
ブリュッセル・ビア・チャレンジへの登録が始まりました。
今回で6回目となる新しい審査会ではあります。
ワールド・ビア・カップ(米国)やワールド・ビア・アワード(欧州)、
インターナショナル・ビア・カップ(日本)など「老舗の審査会」と比較しても
そのクオリティーは同等と考えられている審査会です。
特徴として老舗の審査会がビールに直接携わっている人々、
例えばブルワーだったり、ブルワリーの経営者だったり、原料の卸業だったり、
ビールを流通する人によって審査および組織されているのに対して、
ジャーナリストや大学の教授と言った少し俯瞰で見る事の出来る立場の方が多い審査会でもあります。
そのため「~~賞を受賞した」と言う実績の他に「ジャーナリスティックな効果=宣伝の効果」が高いです。
ヨーロッパはもちろん、アメリカのビールの本の著者やビール雑誌の編集者が審査会に入ることにより、それぞれの国や地域にこの審査会の情報と結果を持って帰ります。
どちらかと言うと日本でと言うよりはヨーロッパやアメリカでの知名度が上がります。海外進出を狙ってください!
日本では昨年もアサヒさんが受賞し、ビールに「金賞受賞!」とのシールを張りました。
が、余り気に留める方は少なかったかと思います。
しかし、各国の審査員はそれぞれの国で大きな影響力を持つ方々が多く、
この審査会に出品する意味はとても大きいです。
例えば昨年はCAMRAの会長もいらっしゃいましたよ。
さらに、ベルギーは本気です。
ブリュッセルを始め開催都市(毎年持ち回りで色々な都市で開催されます。)の観光局がとても協力的です。
昨年の審査会は証券取引所跡地で開催されました。ナポレオンが造った建物です。
こんな立派なところで審査会なんて!
もともと「世界中でスペシャリティ・ビールが流行しているのにスペシャリティ・ビールの本場ベルギーが取り上げられないのは問題だ!」
「よし!それなら全力を持ってイベントを開催しよう!」と言うのが始まり。
ベルギーの本気は国を挙げての対外的にはビール文化の輸出、そしてベルギー国内ではビールを観光の目玉にして経済の活性化を促そう!と言う気概にあふれています。
また、ベルギーの醸造所のサイズは日本のクラフトビール醸造所のサイズと近く、
今後の日本の醸造所のあり方の一つを見せてくれていると考えます。
例えばランビックであれほど有名な「カンティオン」の年間醸造量は170kLとのこと(現地ツアーガイド目録参照)。
日本だと人気の醸造所より少ないです。でも世界規模で飲まれています。
大手による買収が行われている一方
ベルジャン・ファミリー・ブルワリーズと言う家族的、伝統的な醸造所だけで組織される団体もあります。
ビールを伝統的、職人的な工芸品と認識して少量、手作りの製品を生み出す。まさに日本的。
ぜひスペシャリティ・ビールの王国、ベルギーの本気に触れて頂きたい。
日本の醸造所にこのブリュッセルズ・ビア・チャレンジに挑戦して頂きたいと願っています。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。