[ビアバー,ブルワー]2017.6.25

ビア女の酒場放浪記(39)沖縄リゾートでクラフトビールを「チャタンハーバー ブルワリー&レストラン」

ジメジメとした梅雨の季節が続いていますね。
どんよりとした空を見ていると、心までウツウツ。もうどこか遠くに逃亡したくなる・・・

でもこの雨が過ぎ去れば、いよいよ夏です!
夏のバカンス計画を始めちゃいましょう。
今年は沖縄の魅力を再発見の旅なんていかが?

東京から飛行機で3時間、格安航空会社(LCC)も飛んでいるのでお安く行けちゃう南国リゾートです。

沖縄の吸い込まれそうな青空を想像していると
どうしても欲しくなるのが、クラフトビールですよね。

私が旅したのは
チャタンハーバー ブルワリー&レストラン(CHATAN HARBOR BREWERY & RESTAURANT)です。

ここは海外リゾート?英語が飛び交う北谷(チャタン)町

ブルワリーのある北谷(チャタン)町は那覇市の北東に位置し、市内からは車で30分程。
米軍基地があるため、看板は英語表記もされていますし、町を歩く人たちも英語率高めです。
「美浜アメリカンビレッジ」はアメリカの西海岸をモデルにしたショッピングタウンで、完全に異国の雰囲気。
アラハビーチや宮城海岸などのビーチでは、抜群の透明度を誇るトロピカルな海にリゾート気分も盛り上がります。

チャタンハーバー ブルワリー&レストランはそんな北谷町に、2016年3月にオープン。
夕日の沈む美しい海とヨットハーバーを臨むロケーションです。

店内は、雰囲気の異なるいくつかのスペースに分かれています。
ピカピカの醸造タンクが並ぶブルワリースペース、ちょっとレトロなアメリカの香りがするバー、ラグジュアリーで落ち着きのあるレストラン。
夕日を眺めながら飲食ができるテラス席も。
その時の気分に合わせて席が選べます。

週末には、店内の半分はアメリカ軍関係のお客さんで埋まるとか。
英語が飛び交い、もう外国に来たかのような気分です。

バーではガラス越しに醸造タンクをみながら出来立てのビールを頂けます。
白い長靴をはいたブルワーがタンクの間を行きかい、今まさにビールが生まれるライブ感が魅力です。

沖縄の自然と職人のプライドが生んだビールたち

定番のビールは5種類。
バーのテラスに席をとり、早速テイスティングをしました。

ラガー:爽快な口当たりのなかにトロピカルなニュアンス。
ヴァイツェン:小麦麦芽と酵母が織りなすフルーティな味わい。
ペールエール:カラメルのようなリッチな味わいとホップの苦味が好バランス。
IPA:華やかなホップの香りと苦味の余韻が長く楽しめる。
スタウト:ローストモルト由来のコーヒーのような豊かな風味。

う~ん、どれもおいしい。海風に吹かれながら飲むのにピッタリです。
若い醸造所ながら、なぜこんなに完成度が高いのでしょう?

ブルワーの眞境名しのぶ(まじきなしのぶ)さんにお話を伺いました。
「スタッフはビール醸造の経験者が多く、人、知識、会社の資源ともに恵まれているんです。オープン前の準備期間には、自分たちが納得のいくまで60回以上の試験醸造を行ったんですよ」

その甲斐あって、5種類のビールの評判はすこぶる良好。
スタウトは2016年アジアビアカップのスタウト部門で銀賞を受賞、
インターナショナルビアカップでは、ラガーとペールエール部門で銅メダルを獲得しています。

「うちのビールのコンセプトは“沖縄の自然”です。
自家農園で収穫された小麦とやんばる産の柑橘を使った『ゴールデンウイート』や、沖縄で昔からお菓子や化粧水などにも使われ親しまれてきたハーブ、月桃(げっとう)を使った『月桃ペールエール』など、沖縄の豊かな恵みを生かしたシーズナルビールも造っているんですよ」

そして醸造設備も沖縄オリジナル。
設計から組み立てまでメイドイン沖縄というのには驚きです。

「沖縄は本土からは遠いので、故障しても人を呼んだり部品を調達するのに時間がかかってしまいます。何が起こってもすぐに自分たちでメンテナンスができるように、沖縄の醸造設備エンジニアリング会社にも協力をお願いし、設計から組み立てまで自分たちの手で行いました。リゾート地だからと言って妥協はしたくないんです」
小柄でほんわかとした雰囲気の眞境名さんの表情がキリッと引き締まり、プロとしての真摯な姿勢を感じました。

海辺のレストラン&バーで過ごす大人の休日

レストランではイタリアンをベースにしたシーフード料理やボリューミーな肉料理、ビールを使ったオリジナルメニュ―などが楽しめます。
バーは、レストランとの共通メニューの他にフリットなどのビールに合うおつまみがメイン。
バーでアペリティフを楽しみ、レストランで食事を堪能する大人な過ごし方も素敵ですよね。

「これから近郊に商業施設やホテルができる予定です。まだまだブルワリーは発展途中。これからの成長もどうぞ応援してくださいね」と眞境名さん。

チャタンハーバー ブルワリー&レストランはリゾート開発などを進めるザ・テラスホテルズの経営。
系列6ホテルのレストランでもチャタンビールを提供しており、プールサイドで飲める場所もあるとか。
“プールサイドのパラソルの下で飲む” “リゾートホテルで飲んでそのまま眠る”なんて、ビール好きにはたまりませんよね。

入口近くには小さなお土産物コーナー。
ほろ酔い上機嫌でボトルビールを購入し本日のホテルに向かいました。

おいしいビールと海外リゾート気分が同時に味わえるチャタンハーバー ブルワリーレストラン。
厚い雲をぶち破って、沖縄でリゾートな旅―ルをするのにうってつけですよ。

CHATAN HARBOR BREWERY & RESTAURANT(チャタンハーバー ブルワリー&レストラン)
住所:沖縄県北谷町字美浜53-1
営業時間:
レストラン 17:00~23:00(LO 22:00)
バー 17:00~24:00(LO 23:30)
ショップ 17:00~22:00
http://www.chatanharbor.jp/

チャタンハーバーブルワリー北谷沖縄

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

コウゴ アヤコ

ビアジャーナリスト

1978年東京生まれ。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール(タビール)」をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れこみ1年半ドイツで生活したことも。『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『BRUTUS』(マガジンハウス)など様々なメディアで執筆。

最近はキャンプとサウナにドハマり中。そこにもやはりビールは欠かせない。最高の「ビアキャンプ」&「ビアサウナ」を求めて、日本全国津々浦々旅をしている。

■執筆歴■
-海外生活情報誌ドイツニュースダイジェストで「旅ールのススメ」連載中
ビール小話 (ドイツニュースダイジェスト)2009~16年連載
-東海教育研究所かもめの本棚onlineにて「旅においしいビールあり」
-クラフトビールで乾杯!(日本トランスオーシャン航空機内誌Coralway2020年9.10月号特集)
-ビール王国(ワイン王国)
-ビールの図鑑・クラフトビールの図鑑(マイナビ)
-BRUTUS(マガジンハウス)
-an・an(マガジンハウス)
-CanCam(小学館)
-DIME(小学館)
-東京人(都市出版)
-るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
など
■出演歴■
-アサデス。7(KBC九州朝日放送)
-KURASEEDS(J-WAVE81.3FM)
-食べて!歌って!まるごとユーロ!ドイツ語(NHKラジオ第2)
-トークイントーク(フレンズFM)
-売れ筋RANKING~クラフトビール(KTSライブニュース)
-よじごじDays(テレビ東京)
など

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