「食べログ」やらせ問題
食べログのやらせ問題に関しては、2012.01.5付の「食と飲とネット」でも取り上げられ、今週の木曜日付でも続きが掲載されると予告されている。
今回の食べログ事件は、私にとっても改めて、日本ビアジャーナリスト協会を立ち上げた初心を思い起こす機会になった。
私が日本ビアジャーナリスト協会の立ち上げに参加し、このサイトを書き始めた一つの理由はネットの発達に伴い、「匿名の無責任な書き込みや情報」が巷にあふれだし、ブルワリーや飲食店・酒販店、輸入業者そして何よりもビールファンを振り回し始めていると感じたからだ。
匿名ではなく著名原稿でのオピニオンを発信しなければいけないと感じたからだ。
はたして、情報とは何なのか? 数なのか? 質なのか? そして、その発信とは?
食べログのやらせ事件は、ネットにおける「情報発信の責任感」、さらには「モラル」や「ポリシー」の有無にかかわる問題だと思う。
やらせが起こる元凶の一つは、書き込まれた無責任な寸評が、書かれる側にとって死活問題に発展する場合があるためだ。
だから、書かれる側に「ズルでもなんでもやったもん勝ち」と考える輩が登場することになる。
今回の事件で、やらせを行った業者や飲食店がアンフェアーであることは間違いないが、無責任な書き込みを書き散らかし続けた側にも責任が無いとは言えない。
「自由」と「やりたい放題」を混同してはならない。
食べログだけに限らず、ネットによる情報の普及はビール業界にとって大きな要素であるだけに、心にとめておきたい事件だ。
表現の自由とは、「発言に責任を持てるかどうかの覚悟」あってのものである。
私自身も肝に銘じてコラムを書き続けていきたい。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。