ビールをもっと美味しく飲むための音楽情報
今年、ミッケラーがコラボビールとして販売した「アストリーズ・ノーザンホップ」は、80年代のヒットメイカー、リック・アストリーとのコラボビールだ。とはいえ「リック・アストリーって?」という方が多い。そういえば、クラフトビールブームの起爆剤ともなったブリュードックのパンクIPAのパンクとは、「パンクロック」から来ていると思うが、パンクが流行したのは70年代。30代のビールファンなら生まれる前の音楽だから、知らないのは仕方ない!のかもしれない。とはいえ、音楽好きが生じて、アメリカ取材をすることになり、そのアメリカでアンカースチームやシェラネバダに出会い、ビール好きになった者として、「ビール好きとして知っておきたい音楽」を少し紹介させて頂く。ぜひ、音楽をつまみにビールを楽しんでもらいたい。
それまでの伝統や概念を破る、破壊する音楽
「パンクロック」&パンクIPA(ブリュードック)
1970年代後半、ビートルズやプレスリーに始まり、レッドツェッペリン、ディープパープル、そして、クイーン、エアロスミスと全盛だったロックミュージックの概念を破るものとして生まれたのが、セックスピストルズや、クラッシュに代表されるパンクロック。ブリュードックもこれまでの伝統的なイングリュッシュIPAの概念を打ち破るべく、爽やかなホップを使ったIPAを作ったのではないかと、その味わいを楽しみながら納得できる。セックスピストルズの「アナーキーインザUK」、ザ・クラッシュの「ロンドンコーリング」、パティ・スミスの「ビコーズザナイト」。あたりが代表的。ぜひ、パンクIPAを飲む時には一度聞いて欲しい。
ミッケラーが造ったリック・アストリーとのコラボビール
「アストリーズノーザンホップ」(ミッケラー)
リック・アストリーは、80年代に「Never Gouua Give You Up」や「Together Forever」などをヒットさせたイギリスのポップシンガー。名前を知らなくても、そのメロディを耳にしたら聞いいたことがあるはず。そのリックが、ミッケラーとコラボしたビールが今年醸造された。醸造に際してはリックも醸造所へ出向いたというから本格的なコラボだ。リックの髪の色に合わせたアンバー(レッド)なラガーで、リックの娘さんの意見でジンジャーの風味をプラスしたというラガー。ラガーなのにコクがあり、生姜のアクセントがほんのりと残るビールになった。まるで、その甘い風貌からは想像しにくい、太い声が印象的なリックの歌のようなビール。ぜひ、リックの曲を聴きながら飲んで欲しい。
この他にも、クイーンの「ボヘミアンラプソディ」をもじった「ボヘミアンラガー」ビールが昨年発売されたり、ヘヴィメタルバンドのアイアンメイデンは「Trooper」、AC/DCは「プレミアムラガー」などバンド公認のビールを作っている。いつものビールに音楽を加えてさらに味わいを広げてはいかがだろう。
根岸絹恵(1期)
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。