コエドブルワリーさんの醸造所見学に行ってきました!
埼玉県東松山市にあるコエドブルワリーさんの醸造所。先日、運営会社である株式会社協同商事の朝霧重治社長の案内の下、施設内を特別に見学させて頂くことができました。
一般公開はされていません。2016年9月に埼玉県三芳町から移転してきて1年余りで、ようやく落ち着いたところ。なかなかそこまで準備を整えられていないようですが、行く行くは一般の方々に醸造所見学を楽しんでもらいたいという思いがあるようで、今回は「”『醸造所見学ツアー』のモニター”として来て頂きました」と仰っていました。
その思いに応えたいがため、また、恐縮してしまうくらいにお世話になりましたことに対するお礼も込めまして、当記事では当日の様子のご紹介と共に、独断に満ち満ちた内容ではございますが、「こんな『醸造所見学ツアー』をお願いしたい」というご提案をさせて頂きたいと思います。
目次
醸造所へのアクセス
最寄り駅は東武東上線の東松山駅。池袋から急行で1時間弱です。駅から醸造所まではタクシーで向かいました。約4km、所要時間は9分、料金は1,500円弱です。歩くにはちょっと厳しく、1人で参加してタクシー利用なら往復3,000円。なるべく沢山のお客さんに来て頂きたいですから、負担は軽ければ軽い方が良いですよね。調べれば東松山市循環バスという、市営のバスがあり、駅から醸造所最寄りのバス停まで約20分かかりますが、料金は破格の100円! これを利用しない手はありません。ただし日祝は運休です。それでは『コエドブルワリー醸造所見学ツアー』は土曜日開催にいたしましょう。
事務機器メーカー大手の研修所をリノベーションした醸造所
朝霧社長に公表の許可はもらっていませんが、今の時代、ネットですぐに調べられますから言ってしまいます。コエドブルワリーさんの醸造所施設は、元はリコーグループさんの研修所でした。その名残を感じさせられる箇所があり、わざとそのままにしているのだとか。建物の歴史を感じられていいですね。
教室の案内表示です。 |
3階の教室の床を取り除き、主な醸造設備は、旧研修所の2階と3階の2フロアー吹き抜けの空間に配置されています。まずタンクなどを3階の窓から見学させて頂けましたが、やはり本格的な『醸造所見学ツアー』となりますと、更に2階から立ち入らせて頂いて、間近で拝見したいところです。
奥に見えるのは麦芽が入った袋です。 |
臨場感溢れる醸造所見学ツアーを
2階では、瓶や缶へのパッケージング設備を見ることができました。この日は朝霧社長の他には誰もいらっしゃらず、ビールの仕込みからパッケージングまで全ての工程が止まっていました。『醸造所見学ツアー』実施の際には、パッケージング工程だけでも動かしてもらえることを期待します。超大手のビール工場ですと、巨大な設備を高いところから見下ろすのが一般的であり、また細かな部分はビデオにまとめられていたりするものですが、せっかくこんな近くで見られるのですから、臨場感を味わわせて欲しいですよね。
欲を言えば、ツアー実施の土曜日は全ての従業員の方に出勤して頂き、パッケージングに留まらず、全ての工程の動きを見せて頂ければ最高です。もちろんその場合は月曜日を振替休日にして下さいね。
楽しい糖化体験
順番が前後しますが、2階に降りる前、3階の一室にはIHヒーターと小さな鍋、そして麦芽が用意されていました。そう、麦芽を麦汁にさせる、いわゆる糖化の課程を見せて頂けたのです。大きなタンクの中でどんなことが起こっているのか、よく分かります。ぜひ『醸造所見学ツアー』でもお願いしたいですね。
水の入った鍋に麦芽を投入 |
攪拌しながら徐々に温度を上げていくと |
固形物が減り、白濁し、とろみを帯びてきました |
麦芽が焦げるのを防ぐため、水温に偏りを作らないため、ひたすら攪拌し続けないといけません。私も体験させて頂きましたが、なかなか疲れます。何人かで交代するのが良いですね。また、幾つかセットを用意し、チーム戦にして麦汁の出来栄えを競うのも面白いかも知れません。
出来上がった麦汁。いわば麦のジュースで、ほんのり甘くて美味しいんです。朝霧社長はなるべく麦芽のかすが入らないようによそってくれましたが、これが口の中でのいいアクセントになって更に良いんです! だから、そんなに気を遣われることもなかったですし、麦汁自体ももっと飲みたかったんですよね~。遠慮する方が殆どだと思いますので、「造った分は全部飲んでいいですよ」とコエドさんの方からお声掛けして下さいな。
普段、醸造に携わっている方なら何でもないようなことが、一般の方には珍しかったり楽しかったりするものなんですよね。
お待ちかねの試飲タイム
朝霧社長のご厚意により、2017年10月より新たに加わった「毬花」を加えた定番6種と、そして限定醸造「彩-Sai-」の瓶が並べられ、全ての試飲をさせて頂くことができました。それだけでも有り難いことなのに、一つ一つ、丁寧な説明付きですよ。この上ない贅沢な時間でした。
ただ、これも言わずもがなとは思うのですが、『醸造所見学ツアー』ではタップで頂きたいですね。そのために複数のタップを常設するとなるとメンテナンスなども大変でしょうから、イベント用ブースを当日のみ設置してはいかがでしょうか。
ブースの中に入らせてもらえ、自分でグラスに注げたりできると更に嬉しいです。
お土産コーナー
コエドブルワリーさんってグッズ販売をしていないんですよね。例えばロゴの入ったグラスは飲食店さんでしか目にすることが出来ず、一般には出回らないようにしているのだとか。その拘りは尊重すべきですが、醸造所でしか手に入らないオリジナルグッズがあるとすれば、ツアー参加者のテンションは間違いなく上がります。
そこで提案ですが、飲食店さん用とは別のデザインのグラスなど用意されてはいかがでしょうか。また、皆さんそれぞれお好みの定番があるでしょうから、そのビールスタイルに合わせたグラスに、「Marihana」「Beniaka」などのお馴染みの筆記体文字も入れば完璧です。6つ揃えてしまう人もいるでしょう。私も買ってしまいそうです。
そしてサッカー場?
醸造所の門から建物に向かうまでの間に、右手に大きな広場があるのが見えました。当日はそこまで質問するのははばかれたのですが、後日に調べてみますとなんとサッカー場の跡地。運動も研修の一環と捉えられていたんでしょうか、リコーグループさんは研修所敷地内に屋外サッカー場を設けていたのです。
実際にリコーさんが研修で使用していたのかは定かではないのですが、使用契約を締結した埼玉県サッカー協会さんが運営・管理し、試合が行われていたようです。当時の写真をあるホームページで発見し、転載許可を得たので公開いたします。
人工芝で、ナイター照明もある立派なサッカー場です。
公的機関が運営していて別の正式名称がありましたが、一般の方からは「リコーグラウンド」と呼ばれていたようです。ということはですね、リコーさんと同じように取り組めば「コエドグラウンド」と呼ばれるんですよね。主に法人さん相手に商売をしているリコーさんと違い、一般消費者の方をお客さんにしているブルワリーさんとなると、その広告効果は絶大のように思えます。
しかし、そんな私の目論見は残念ながら叶いそうにありません。更に調べてみると、将来的にはビール用麦の栽培場にする予定なのだとか。なるほどですね・・・。
コエド杯マラソン大会
それでも諦めの悪い私は考えました。サッカーがダメならランニングはどうかと。麦畑の周りの道をトラックにするのです。昨今の健康ブームもあって、ランニングを趣味とする人は増える一方です。そして走る人はビール好きであることが多い。汗をかいた後のビールは最高ですから。
ビール麦畑の周りを走るマラソン大会。なんて素敵でしょうか。もしトラック案を採用して頂けるなら、大会開催に向け全面的に協力いたします。一般向けでなくても、クラフトビールブルワリーチーム対抗なんてのも面白いじゃないですか! もちろん大会当日は、醸造所開放で見学も自由です。いかがでしょうか??
ここでご紹介できませんでしたが、敷地内には宿泊施設や立派な食堂もあります。私のこんな提案を参考にするまでもなく、きっと素晴らしい『醸造所見学ツアー』が開催されることでしょう。その日を楽しみにしています。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。