[イベント,ビアバー,ブルワー]2018.1.8

クラフトビールを文化として根付かせるために

 クラフトビールブームを文化として根付かせよう。最近はそんな言葉にすら手あかがついてきた感がある。しかし、そのためにいったい誰がどのように行動してきただろうか?クラフトビールの認知度を上げるためのイベントなどはよくあるし、そこにはたくさんのビール愛にあふれた「変態」たちがいる。ある者はサービングなどボランティアで、またある者は飲むことでその愛を形にしている。もちろん、我々ビアジャーナリストもさまざまな形でサポートし、盛り上げていることは言うまでもない。だが、それだけでいいのだろうか。ビールがおいしければ毎日の疲れが癒されるあなた、美味しいビールで笑顔が溢れる仲間たち。それは黙ってビールを飲んでいれば永遠に続くものではないことに気が付いているだろうか。
 例えば好きだけれどそんなに行くことがなかったビアバーが閉店すると聞いたとき、「もっと行けばよかった」と後悔するように、クラフトビールブームが文化として根付く前に終焉してしまったら、それは残念では済まされない。では、いったいどうしたらいいのだろうか。

 ベルギーのブリュッセルにあるビアプロジェクトは、温故知新という言葉がぴったりくる醸造集団だ。ベルギーの美味しいビールのスタイルを尊重しつつ、常に新しいビールやスタイルを作り続けている。確かに、彼らの歴史は4年とまだ浅い。しかし、その醸造に対する姿勢と味わいが支持され、2017年5月に新宿に直営店「ブラッセルズ・ビア・プロジェクト新宿(BBP新宿)」をブラッセルズ株式会社(本社:渋谷区)の手によりオープンさせた。しかも、今年1月末にはパリにも直営店をオープンさせるほどの勢いだ。その彼らが立ち上がった。180ユーロ、日本円にして25,000円ほどを支払うだけで1年に6本のビールが「一生涯」受け取れ、しかも生涯5%割引のメンバーズカードを発行するという。これはただの集客や集金のためのクラウドファンディングではない。ブラッセルズ株式会社では、このプロジェクトへの支援を通してビールを愛する人たちとコミュニティを築いて日本でのベルギービールやクラフトビールシーンを盛り上げていく取り組みを予定しているとのこと。つまり、ビアプロジェクトのビールを飲むことであなたはクラフトビールを文化にするための活動に寄与することになるのだ。もちろん、いいことばかりではない。日本で使えるのはブラッセルズ・ビア・プロジェクト新宿だけ、年間6本もらえるビールもブラッセルズ・ビア・プロジェクト新宿まで行ってもらわなくてはいけない。地方の人にはかなりハードルが高い。しかし、1本を1,300円と仮定すると19本、つまりお店で一切飲まなくても4年目からはリターンのほうが上回ることを考えればお得でしかない。なぜこのようなことを始めるのだろうか?実はブラッセルズ・ビア・プロジェクト(BRUSSELS BEER PROJECT)のコンセプトは「CO-CREATION(共創)」。クラウドファンディングを通して得た資金を、日本でのベルギービールおよびクラフトビール文化の発展に活用していく予定という。そこには利益第一主義や損得勘定だけではない、愛があるのだ。
プレスリリースから以下に引用する。

あなたの人生に、ビールを。
180ユーロの支援で一生涯、1年に1度、世界3都市の店舗でビールの受取りが無料に! さらに代金が5パーセント引きになる権利も。日本で限定200人を募集中です。
ベルギービールバーの運営やベルギービールの輸入・販売などを手がけているブラッセルズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:宮腰俊男)は、「あなたの人生に、ビールを。」をテーマにしたベルギー・日本・フランス3か国によるクラウドファンディング「BEER FOR LIFE」を12月7日(木)に開始しました。

180ユーロの支援で、世界3都市のブラッセルズビアプロジェクト直営のビアバーで無料でボトルビールを、一生涯受取れる権利や利用代金が5パーセント引きになるなどのリターンがあるプロジェクトです。

▼ プロジェクト「BEER FOR LIFE」公式ウェブサイト(日本語):http://www.beerforlife.be/crowdfunding/jp

 「あなたの人生に、ビールを。」なんと素敵な言葉だろう。これはベルギービールやクラフトビールに対する愛の具現化だ。ビールを作るのにお金がいるからクラウドファンディングします、リターンはできたビールです、で終わることではないとよくわかる。確かにお金はあっても邪魔にはならないかもしれない。でも、彼らのしようとしていることはビールを作ることがゴールなのではなく、ベルギービールやクラフトビールという文化の発展に寄与していくという強い意思が感じられるのだ。
 日本からの募集人数は限定200人。しかも先着順。なおかつ、申込期限は1月31日まで。ブラッセルズ株式会社は日本におけるベルギービールの老舗として名高く、かつてマイケルジャクソンが神田店に訪れたこともあるほどビールの提供姿勢は評価されている。その老舗が日本にクラフトビールという文化を根付かせるために参加しているクラウドファンディング。180ユーロを支払い、美味しいビールを飲むという先にある支援。そういえば今月は成人式もある。申込ページの最下部にあるオプション欄にご自身の名前を入力したうえでご家族や親せきで成人される方、あるいは大切な方へのプレゼントとしてもいいかもしれない。紹介者の名前を書くと書かれた人に15ユーロ(現在のレートで2,000円相当)のドリンクチケットがプレゼントされるからだ。美味しいビールをシェアする楽しさも実感できるこのクラウドファンディングは今月末まで。後悔する前に行動しよう!

■プロジェクト「BEER FOR LIFE」概要
テーマ: あなたの人生に、ビールを。
実施期間:12月7日(木)~2018年1月31日(水)※日本時間ではないことに注意
内容:180ユーロの支援で、以下のリターン(予定)
・ベルギー・ブリュッセル、フランス・パリ、日本・東京の店舗(タップルーム)で一生涯、1年に1度、無料でビールを提供(ブリュッセル:12本、パリ:10本、東京:6本)
・ブリュッセル、パリ、東京の店舗(タップルーム)での代金が5パーセント引きに
※パリの店舗(タップルーム)は2018年1月末にオープン予定
※クラウドファンディングへの支援にともなう決済はすべて公式ウェブサイト上で行われます。「一般契約条件」はベルギーの法律に準拠しています。

プロジェクト紹介・応募ページ(日本語):http://www.beerforlife.be/crowdfunding/jp

日本での取りまとめ先(担当:藤田孝一)
【ブラッセルズ株式会社】
本社:〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町20-1 渋谷インフォスタワー5階
代表者:代表取締役 宮腰俊男
設立:1989年4月
電話番号:03-5457-3400(代表)
URL:http://www.brussels.co.jp/
事業内容:ベルギービールおよびベルギー料理を提供する飲食店の経営、ベルギービールなどの輸出入および販売

▼ 「ブラッセルズ・ビア・プロジェクト新宿(BBP新宿)」店舗紹介ページ(「ブラッセルズ・ビア・プロジェクト(BRUSSELS BEER PROJECT)」公式ウェブサイト):http://www.beerproject.be/jp/sections/18-bbp-shinjuku

BBPBBP新宿クラウドファンディングブラッセルズブラッセルズ・ビア・プロジェクトベルギービール

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

川端 ジェーン

ビアジャーナリスト

ベルギービールをこよなく愛しています。笑顔でビールを酌み交わせば世界平和は実現すると考えています。ビールが好きすぎてたまに他人と知人の境目がなくなってしまいます。ビールの美味しいお店で見ず知らずの人に話しかけていたら、それは私かもしれません。
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