呼び方は「地ビール」から「クラフトビール」へ
僕のコラムは、
「ビール好きだけどまだそれほど詳しくないんです」
という方をイメージした内容を意識しています。
ざっくりと、大枠からいろいろと知っていただくのがいいなあと。
と考える中で、以前から伝えたいなあ、と思っているのがタイトルのこと。
第一次地ビールブームが起こった頃、
当然のように僕もハマりました。
参考のため→ウィキペディア
ちょうどフリー編集者として書籍を作り始めたころで、
全国地ビールの企画もいったん立ち上がったのですが
担当者の退社や、時間的、予算的問題などもあり頓挫しました。
製造の設備をクリアするためにも、
当初は日本酒の酒造メーカーがほとんどで、
いわゆる<地酒>のイメージ通り、
地方色もなんとなく打ち出した<地ビール>という打ち出しになったのも
むべなるかな、という状況でした。
自然な流れでそうなっていったわけですね。
それから時が流れること15年。
売上げ面などから、なくなく醸造、販売を続けられなくなったブルワリーも
たくさん出てきました。
当事者の方も涙を飲んでのことだったでしょうし、
ビールファンとしても、たいへん残念なことではあります。
しかしそんな中、情熱溢れるブルワリー、ブルワーの
方々の努力、研究により、
全国各地の中小ブルワリーが生み出すレベルの高い
ビールは、世界の舞台でも高い評価を受け、
注目される存在となってきました。
また、日本のビール好きも、
いわゆる<とりあえずビール>や<のどこしビール>
の概念にとらわれた慣習から徐々に抜け出し、
<味わいを楽しむビール>を求める人が着実に増えてきています。
なのですが、残念なことがひとつ。
いまだ、お店でもマスコミ報道でも、会話でも、
メジャーメーカー以外のビールを<地ビール>ということが
普通になっていることです。
いまや、全国各地のブルワリー、ブルワーの
作り出すビールに<地元らしい味で作る>とか
<地元で受けるように>とかいう意識はないはず。
それこそ、世界のコンペティションで金賞、銀賞など
受けるぐらいですから、
各ブルワリー、ブルワーも切磋琢磨しながら、
世界でおいしいと言われるレベルのものを目指していて
それはもちろん日本のビール好きにも満足してもらえるものですね。
だからこれからは、「クラフトビール」と呼んでいくことを
提唱しようと思っています。
地方で作ろうが、都内で作ろうが、輸入ビールであろうが、
大量生産系でない、中小のブルワリー、ブルワーの手によって
生み出されるビールは、「クラフトビール」なのです。
世界規模、国内規模とも、
味わうことに関しては、地域で分類する意味は、
本来はないといってもいいでしょう。
といっても便宜上、通念上、
「ベルギービール」「アイリッシュ」など
呼び方は必要だと思います。
「アメリカのクラフト系ビールは…」とかよく言いますね。
と言っても現状は「地ビール」という呼び方が
定着しているのですから、急に変わるとは思っていません。
じわじわっと一般の人々にも伝わっていけばいいなと。
僕は、取材を受けた時も、知人と話していても、
「地ビールでは何が好きですか?」など言葉が出ると
いちいち、「クラフトビールと呼んでるんですよ。なぜならば……」
と説明するようにしています。うざがられながら(笑)。
でも、こうやって少しずつ、草の根運動的に
ビールファンの意識を変えていくことで
ビールがもっともっと日本で正しく理解されていくと思うのです。
みなさんも今日から、
「地ビール」と呼ばす「クラフトビール」と!
10/31、ニッポンクラフトビアフェスティバル2010
で、JBJAのことを藤原さんなどメンバーと話したりしますので、ぜひ。
以下、情報です。
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吾妻橋・ニッポンクラフトビアフェスティバル2010 10/31
日本クラフトビアフェスティバル2010
◆開催日: 2010年10月31日(日)
◆時 間: 12:00~18:00(入場は17:00まで?)
◆場 所:
すみだリバーサイドホール
東京都墨田区吾妻橋1-23-20
◆主 催: ブルワーズクラブ
◆問合せ先:
麦酒倶楽部ポパイ
Tel. 03-3633-2120
Mail. info@craftbeerfestival.jp
◆その他:
9月中旬 前売り券発売開始 3,500円(試飲券10枚・記念グラス)付き
http://www.craftbeerfestival.jp/
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。