日本有数の人気を誇るビールフェスティバルへ 【全国地ビールフェスティバルin一関イベントレポート】
今年で21回目となった「全国地ビールフェスティバルin一関」。2018年8月24日(金)から26日(日)の3日間開催され、多くの来場者で賑わいをみせた。筆者は26日の最終日に参加。その様子をレポートする。
雨にも負けず、会場は満席に
会場となる「一関文化センター前広場」は、JR一ノ関駅より徒歩5分。駅からもほぼ1本道とアクセスも良好の場所にある。
前日は30℃を超えビール日和となったが、残念ながら最終日は、振ったりやんだりの雨模様。一ノ関駅に到着したときには小降りであったが、「今日は、来場者が少ないかな」と思いながら会場へ向かうと、あいにくの天気にも関わらず11時の開始前から多くの来場者が座席でスタートを待っていた。
昨年は、延べ32,000名を超える来場があった同イベント。今年の様子を「いわて蔵ビール」佐藤航社長に聞くと「これまでよりも多くのビールを飲んでもらっています」と過去最高の勢いだという(2日目終了時点)。
オリジナルグラスを取り入れ、プラスチックごみを削減
ビールは、チケット制(フードは現金制)。前売券を購入する選択肢もあったが、今回は10枚つづり2,000円の当日券を購入することに(ビール1杯につき2枚使用。追加購入は、1枚200円~)。飲みたい分だけ買い足すことができるので、単日しか来場できない人にとっても優しいシステムになっている。
そして今年は、大きな変更点があった。「オリジナルグラス」の導入によるプラスチックごみ削減への取り組みだ。近年、プラスチックごみによる環境汚染は、世界においても大きな問題となっており、こうしたチャレンジは高く評価されていいポイントだ。
国内外85社200種類以上のビールが集結
出店は38社あり、東北地域のブルワリーでは、イベントに出店することが少ない「地ビール月山(山形県)」や平成27年3月に免許交付された「さくらブルワリー(岩手県)」といった新しいブルワリーも。限定ビールブースでは、北海道から沖縄まで全国各地のビールが時間に分けられて販売され、行列が発生する時間帯もみられた。
ビールの種類がたくさんあるので、すべてを飲むことは難しい(飲める人もいると思うが、筆者には無理)。どのイベントでも先ずはパンフレットを見たり、ブースを周ったりして「どんなビールがあるのか?」を確認。今回は「飲む機会が少ない。飲んだことがないブルワリー」から飲むことにした。
出店ブースのなかで1度も飲んだことがなかったのが「さくらブルワリー」。名前くらいしか知らなかったので、改めて調べてみると「地元の名産品や名物、文化からアイデアを得たビールつくり」がコンセプト。4種類のビールがあり、フラッグシップ的な存在だという「アイリッシュレッドエール」を購入。
地方のイベントに足を運ぶと、その地域でしか飲むことができないブルワリーに出会えるので、とても楽しい。もし遠征を考えている人がいるなら、ぜひ積極的に出かけてみてほしい。
他にちょっと変わったポイントを挙げるならば、1社だけインポーターが出店しているところ。それがドイツ・バイエルン州のビールを輸入している「KOBATSU トレーディング」だ。
代表である小林努氏に聞くと、昔はインポーターも数社、参加していたが、様々な理由で現在は「KOBATSU トレーディング」のみとのこと。小林氏は起業前からイベントの手伝いに来ていたといい、東日本大震災後の2012年から出店。当初は、震災復興の思いを込めて参加していたが、今は「自分がエネルギーをもらっているイベント」だといい、1年1度、この地を訪れるのを楽しみにしている。
佐藤航社長も「昔からイベントを支えてくれている方」といい、信頼が厚い。
その他には、イベントをサポートするボランティアスタッフのホスピタリティがよく、来場者が安心して楽しめる対応が多くあった。こうしたところも評価され、地元のみならず全国から多くの来場者を呼び込んでいる要因になっていると感じた。
「市民が協力してつくっているイベントなので、おしゃれ感はありませんが、手つくり感を楽しんでほしい」と佐藤航社長に聞いていた通り、どことなくのんびりとした雰囲気で楽しめるお祭りで、とても心地良く楽しむことができた。
また1つ再訪したいイベントが加わった。
◆全国地ビールフェスティバルin一関 <今年は終了しました>
日時:平成30年8月24日(金)~26日(日)
会場:一関文化センター前広場
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。