長年の夢を叶えたビール!日本初?パンを使った限定醸造『PUNKY BREWSTER』12/19開栓!
「パン」と「ビール」は、古代、同じ麦と水から生まれました。
言わば双子のようなこの二つは誕生から5,000年を遥かに超えた今でも進化を続け、人類の生活になくてはならない存在です。
梶山紀光さんはそんな双子の魅力に誰よりもどっぷりとはまり、パンの加工メーカーの研究員から、前職ではプレストンエールブルワリーの醸造長として勤めました。そんな過程で、 “いつか造りたい” と夢に描いていたのは「パンを原料にするビール」です。
その夢を実現させるため、2018年8月に東京・板橋にあるIBU(Itabashi Brewer Unit)に併設する、ビール造りを楽しみたい人が集まるコミュニアル・ブリュワリーTokyo Aleworksに企画を持ちかけました。そして11月に仕込み、いよいよ「夢のビール」が出来上がりました!
目次
パンからビールへ。知識と経験を深めたからこその夢
「思い起こせは、パンの検定試験でびあけんを知り、それがきっかけでパンとビールの歴史的背景を知ったことが始まりです」と梶山さん。パン加工メーカー研究員時代、知識を深めたいとパン教室に通い、パンシェルジュ検定でマスター(1級)を取得。それをきっかけにびあけんの2級・3級も取得し、それが高じてブルワリーへ転職。まさにパンもビールも極めた人物です。
梶山さんが、学び、突き詰める中で知った「パン」と「ビール」の密接な関係。
「想像ではありますが、古代メソポタミア人が普段食べていたパンが、雨とともにやってきた妖精たちのちょっとしたイタズラで魔法の水(=ビール)になりました。それを飲んだ時の感動は計り知れないものがあったと思いますし、心揺れる強いロマンを感じたのです」
Tokyo Aleworksのボブさんの協力で完成
製造・品質管理責任者であるボブ・ストックウェルさんと打ち合わせて、レシピを決定しました。原料には、パン、5種のモルト、ノーザンブルワー、カスケードの2種のホップを用意。パンは、鳥取でパンとビール造りをするタルマーリーの渡邊格さんに相談し、そのフランスパンを取り寄せました。
「パンはモルト全体の5%の量に設定しましたが、パンらしさを強調するために、モルトの1種には古代麦であるスペルト小麦を選びました。また、モルティさを出すために塩化カルシウムを多めするレシピにしています」とボブさん。
出来上がりは60ℓ。希少なビールは早めに!
ビール名の『PUNKY BREWSTER』は、ボブさんの発案で、80年代にアメリカで人気だったドラマタイトルにあやかっています。「パン」がキーとなる「Brew」スター という意味をかけた、ちょっぴりファンキーでリズム感抜群のネーミングです。
ちなみに、飽食となった現代に残念にも大量に廃棄されるパンを憂い、ヨーロッパではエコの観点から、パンを原料するビールが登場しています。イギリスのTOAST Brewing、そしてベルギーのBRUSSELS BEER PROJECTが造る『BABYLON』と、どちらも世界的に話題となっています。また、BRUSSELS BEER PROJECTでは、逆に、ビール粕からパンを作る試みもスタート。それぞれの世界で成長してきた双子が長い年月を経てまた手を組むことで、食を大事に楽しむ新しい文化がスタートしています。
日本ではまだほとんど実現していないこの製法ですが、もしかすると新たなビアスタイルとして確立する日も遠くないかもしれません。ビアジャーナリストでありパンコーディネーターとしても活動している私(筆者)自身も、そんな日が来ることをとても期待しています。
梶山さんとボブさんによって生まれた『PUNKY BREWSTER』。
希少ながら夢と未来がたっぷり詰まったビールを、是非、味わってみてください!
『PUNKY BREWSTER』が飲めるのはこちら!
開栓日:2018年12月19日(水)(予定※・なくなり次第終了)
店 舗:IBU(Itabashi Brewers Unit)
住 所:東京都板橋区板橋1-8-4 板橋CASK VILLAGE 1F
T E L: 03-3961-1196
営業時間:月~金 11:30~14:30 / 17:30~23:00 土日祝 11:30~23:00(店舗)ブルワリー:Tokyo Aleworks
T E L: 03-5944-1861※最新情報は店舗にお問い合わせください
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。