【ビアライゼ】ドイツのデュッセルドルフで、アルトを楽しもう!
ビアライゼ、それは美味しいビールを求めて、日本や世界各地をめぐる旅。筆者はビールを求め、ドイツやベルギーなど欧州をよく旅しています。2019年の初めにドイツを旅した際、訪れた都市の1つ、 Düsseldorf(デュッセルドルフ)にて、Alt(アルト)ビールをたっぷり楽しみました。その魅力をお伝えします。
目次
ドイツの都市Düsseldorf(デュッセルドルフ)
デュッセルドルフは、ルール工業地帯の南西部に位置する、ドイツ西部Nordrhein-Westfalen(ノルトライン=ヴェストファーレン)州の州都。ライン・ルール地域の中心都市であり、経済、観光、芸術など様々な分野で有名な都市です。ライン川東岸の旧市街が市の中心部であり、そこから東約1.5Kmにデュッセルドルフ中央駅、北約8Kmにデュッセルドルフ空港があります。そのため、水運、陸路、空路とも交通の要所でもあります。
デュッセルドルフには、欧州屈指の日本人街があります。デュッセルドルフ中央駅と旧市街の間にある通りの1つである「 Immermann Str (インマーマン通り)」周辺は、日本語の看板が多数あり、店によっては日本語での会話が通じます。日本料理を扱う店も多く、日本食が恋しくなった場合、ここを訪れると良いでしょう。
Alt(アルト)
アルトとは
ドイツを観光する際、アルト・シュタットという言葉を聞くことがあると思います。アルト=旧い、シュタット=市街という意味で旧市街の事を指し、どの都市でも観光名所が集まる傾向です。Alt(アルト)とはドイツ語で「旧い」という意味であり、ビアスタイル「アルト」の語源でもあります。ラガー系(下面発酵)ビールが普及する前の「旧い(アルト)」時代の醸造方法が、由来と言われています。
アルトは、上面発酵の酵母を、下面発酵の低い温度帯で醸造するビールです。特徴として、外観は赤褐色もしくは赤銅色。フルーティな香り、ホップによる独特な香りと風味。そして、ホップによる苦味があります。銘柄によっては、苦みの強さ、モルト感、甘さなどの差異があります。飲み口は軽く、飲みやすいです。
アルトとケルシュ
デュッセルドルフとケルンは、ICE(高速鉄道)で約25分、RE(通常の鉄道)で約40分と近い距離の都市です。それぞれの都市のビールである、アルト(デュッセルドルフ)とケルシュ(ケルン)は競合関係にあり、自分の都市のビールが一番だと譲らないことも有名です。アルトとケルシュは、いずれも上面発酵の酵母を、下面発酵の低い温度帯で醸造するビールありながら、その外観や特徴に大きな差異があります。ケルシュは、「ケルシュ協約」により「ケルシュ」と名乗ることが出来る地域・醸造所を制限されており、注ぐグラスの形状まで指定されています。一方アルトには、そのような制限はありません。そのため、デュイスブルクやミュンスターなど、ライン川やルール川沿いの地域で広く醸造されています。なんと、ケルンでケルシュとアルトを醸造している醸造所もあります。
デュッセルドルフでアルトを楽しもう
飲むアルトの銘柄・お店を決めよう
アルトは、お店で樽生の提供以外に、ボトルや缶でも販売されています。しかし、デュッセルドルフで飲むのなら、お店でフレッシュな状態で味わいたいですね。その場合、ライン川東岸のデュッセルドルフ旧市街をおススメします。観光スポットであり、狭い範囲に複数の醸造所(元醸造所含む)、醸造所の直営店や老舗のビアレストランが集まっているためです。飲むことが出来る場所や銘柄の候補も多く、複数店を飲み歩くことも容易です。どの醸造所のアルトを飲めるかは、入口や看板付近など目立つところに掲載されており、それをもとに判断することも出来ます。
ご参考までに、代表的なアルトの銘柄として、下記があります。
・Uerige Alt
・Frankenheim Alt
・Schumacher Alt
・Füchschen Alt
・Schlüssel Alt
・Diebels Alt
・Schlösser Alt
など
アルトを味わおう
1.入店
入店の際は、Guten Tag(グーテン・ターク=こんにちは)、Guten Abend(グーテン アーベント=こんばんは)、もしくは「Hallo(ハロー)」と挨拶します。入口付近にスタンディング席、奥にテーブル席がある店が多く、食事もあわせて楽しむのなら、テーブル席を推奨します。予約がある場合、店員に伝えて席へ案内してもらいます。予約がない場合、店員に一声かけましょう。店によって、「店員による案内」、もしくは「空いている席に座っていいよ」と言われ、自分で席を探して座る場合があります。
2.アルトをオーダーする
デュッセルドルフのビールは、アルトが主です。 店員に「ビールを下さい(ドイツ語でBier bitte、発音はビアー ビッテ)」と言えば、アルトが来ます。この際、親指を立てて(ケルシュを1杯欲しいことを伝える)、オーダーすると良いでしょう。店によっては、アルト以外も扱っている場合もあり、メニューもしくは店員に確認しましょう。アルトの提供は、ケルシュと同様のシュタンゲ(200mlサイズの細い円柱状のグラス)もあれば、250mlや500mlのグラスなど店によって異なります。
3.アルトをおかわりする
グラスが空になれば、新しいアルトが提供されます。まるで「わんこそば」です。店によっては「おかわりで良いか」を、確認してくれる場合があります。アルト提供の際、コースターにペンで線が書かれます。この線の数が、アルトを飲んだ杯数を表します。この仕組みは、ケルンのケルシュと同じです。
4.アルトを味わうのを終える
アルトを飲み終える場合は、グラスの上にコースターを置きます。すると、店員が来て、コースターに書かれている線の数(飲んだ杯数)を元に、金額を計算をしてくれます。
5.支払い~店を出る。
基本的に、テーブルでの支払いです。金額は、コースターに直接書かれるか、レシートなどで伝えられます。提示された内容を確認し、店員に支払いを済ませましょう。その際は、サービスに応じて、チップを渡すと喜ばれます。そして、店を出るとき、Tschüss(チュース=カジュアルなさよなら)と挨拶しましょう。
デュッセルドルフで、アルトを飲む醍醐味
日本に輸入されているアルトの銘柄もあり、国内でアルトを飲むことは可能です。しかし、フレッシュな状態でアルトを飲むことが出来るのは、現地のみです。デュッセルドルフ旧市街は、アルトを手軽に複数味わえるので、訪れることをおススメします。また、デュッセルドルフ旧市街以外にも、アルトを提供するお店や醸造所はあるので、時間に余裕があれば足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
この記事が素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。
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