アビイビール
アビイビールとは、その名の通り修道院ビールのこと。
(英語でabbey beer、オランダ語でabdij Bier、フランス語でbiére d’abbaye)
一般的には、修道院から委託を受けて一般の醸造所によって造られるベルギービールのことで、トラピストビールに近い味わいのものが多いのが特徴です。
じゃあトラピストビールとはどう違うの?となるわけですが、ちょっとおさらいしますと、トラピストビールとは、トラピスト修道会(厳律シトー修道会)修道院が所有する醸造所で醸造されるビールのことでした。
一方アビイビールは、一般的にはベネディクト派、シトー派、ノルベルト派などトラピスト修道会以外の修道院が、醸造方法やレシピ、そして醸造そのものを一般の醸造所に委託したもののことを言います。
こうしたアビイビールは、1946年にシント・ベルナルデュス醸造所がシント・シクステュス修道院(ウェストフレテレン)とのライセンス契約で、”St.Sixtus(シント・シクステュス)”を発売したのが最初だと言われています。(詳細についてはややこしいのでまたの機会に)
その後、アフリゲム修道院、レフ修道院、グリムベルゲン修道院など、こうした委託醸造は増えていきました。
ただアビイビールとして厳密に定義があるわけではなく、修道院が一般の醸造所に委託したもの以外にも、「かつて存在していた修道院」にちなんで造られたものや、「単に修道院風」のものがあったりと、さまざまです。
(詳しく由来を聞いていくと結構こじつけというか、何でもアリで面白かったりします)
先週トラピストビールのロゴマークのことも書きましたが、アビイビールもこれに対応して、1999年より”Les Bieres d‘Abbaye Reconnues”という団体(BBが管理)を設立し、”Certified Belgian Abbey Beer”というロゴマークを作ることになりました。
しかしこれはトラピストビールのようにすべてのアビイビールがロゴマークをつけているわけではなく、ロゴマークが無いとアビイビールでない、というわけではありません。
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