遠野のホップ畑から Vol.1
ビール造りに欠かすことができない原材料のホップ。岩手県遠野市は一大生産地として、半世紀以上の時間をホップと共に歩んできた地域です。遠野のホップ畑は市街地の近郊にあり、市の中心部から車で10~15分程走ると、住宅や田んぼに交じり高さ5mの支柱が規則正しく並んだ風景に出会います。6月~8月にかけて蔓の成長と共に少しづつ緑色が増えていき、辺り一帯がグリーンカーテンとなる姿は圧巻。
そして8月下旬からはいよいよ収穫が始まります。
本連載では2020年4月から約半年間に及ぶ作業経験を基に、遠野のホップ栽培の日常についてレポートしていきます。
第1回はホップ畑の景色の移り変わりについてです。
ホップ栽培における主な作業内容
・地中にある株を掘り起こす。
・冬を越した地下茎を削り株を整える。(※収穫終了後に作業する場合もあります)
・蔓が絡まるための紐を付ける。(※収穫終了後に作業する場合もあります)
・株から新たに伸びた芽を選定する。
・芽から成長した蔓を紐に巻き付ける。
・蔓の高さを調整する。(※ホップの品種によって異なります)
・成長した蔓の側枝を切る。(※ホップの品種によって異なります)
・毬花を収穫する。
ホップの栽培は主に4月上旬~9月にかけて行われます。上記の内容の合間に農業機械を使用する工程や日々の管理など、細やかな作業をこなしながら収穫までの時間を過ごします。春先は土を基調とした茶色の景色が目立ちますが、5月中旬から徐々に緑色が増えていき、7月に入ると畑全体が緑のカーテンで覆われます。
ホップと聞いて思い浮かべる風景は、グリーンカーテンに沢山の毬花が見えるシーンが有名かと思います。本連載では、ホップが成長していく過程で垣間見える魅力的な景色を通して、新たな一面もご紹介できればと思います。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。