[イベント]2020.8.25

横浜産フレッシュホップを使用した「ヨコハマIPA」が9月17日に発売 ーホップの香りを存分に味わってー

株式会社横浜ビール(所在地 神奈川県横浜市)は、地元産のフレッシュホップを使用したビール「ヨコハマIPA」を9月17日に発売する。生ホップを使ったビールが醸造できるのは、1年の中でも収穫を迎えるこの時期だけ。瑞々しい香りが漂う「ヨコハマIPA」は、一つ一つ手摘みで収穫したホップを使用している。

気温32度の中、センテニアルのホップを収穫する横浜ビール醸造長の深田優さん(写真手前)とマーケティング・メディア部長の横内勇人さん(写真奥)

クラフトビールで地域を盛り上げたい

今年で21周年を迎える老舗の地ビール会社の横浜ビール。同社が大切にしていることは3つ。
モノづくりにこめる想いと生産者の人となりを「伝えること」。横浜ビールのスタッフが生産者に会いに行き、種まきや収穫の手伝いをして「関わること」。そして、それらに誠実に向き合い、「信頼を築くこと」。

間もなく発売する「ヨコハマIPA」も、上記の3つを具現化させた商品だ。

同社の営業企画部長の田尻和彦さんは、
「ホップを育てる農家さんがいて、収穫や仕込みを手伝ってくれるボランティアの方々がいる。ビールを醸す仲間と、そのビールを提供する飲食店の方々、そして飲んで、伝えてくれるお客様がいる。そういった地域ぐるみの取り組みが、我々のような醸造所を支えてくれていて、正にクラフトビールは地域に欠かせない大切な文化だと思うのです」

摘み取り作業に参加した横浜ビールのスタッフと生産者、ボランティアの皆さん(左から3番目が横浜ビールの田尻さん)

また、2016年からホップ栽培を開始した古川原農園(横浜市)の古川原琢さんは、
「クラフトビールは地域の名産品になれると思います。各地域で醸造所と農家がつながって、地元産のホップを使ったビールが造られることはとても意味があることだと思って取り組んでいます」
とそれぞれの想いを語った。

古川原さんはこの取り組みの輪を広げようと近隣の農家に声をかけ、2019年から芹田果樹園(横浜市)の芹田賢治さんが新たに加わり生産規模を拡大した。

古川原農園の古川原琢さん(左)と芹田果樹園の芹田賢治さん(右)

摘みたて3時間後にビール釜に投入

8月4日の正午に横浜ビールのスタッフと関係者が収穫のために古川原農園に集合した。地元産フレッシュホップを使用したビールの醸造は、今年で4年目となる。

日差しが照りつける中で作業を行う芹田賢治さん

この日の気温は32度の真夏日で、立っているだけでも額に汗がにじんでくるほどの暑さ。なぜもっと涼しい時間帯に収穫しないのか?それは、摘みたて生ホップを最短時間でビール釜に投入するため。

同時進行で醸造所ではビールを醸造しており、ホップを入れる前の麦汁が完成する時間を逆算してホップ摘みを開始したのだ。

親指ほどの大きさで一粒数gの毬花を一つずつ丁寧に摘み取り、15時までに終わらせて、横浜ビールの醸造所にホップを運ぶ。その後、ホップの手揉み作業を行い、収穫から3時間後の18時にビール釜に投入するという流れだ。

昨年よりひとまわり大きく成長したカスケードホップ

飲む人に喜んでもらいたいと品質改善に取り組む生産者

古川原さんと芹田さんが栽培しているホップは、カスケードとセンテニアルで、いずれもアメリカのクラフトビールでよく使われる人気のホップである。

カスケードは、フローラル、グレープフルーツのようなシトラスキャラクターが特徴でアロマホップの代表格。
センテニアルは、香りや風味がカスケードホップとよく似ていることから「スーパーカスケード」とも呼ばれており、香り付けと苦み付けの両方で使用されている。

ホップの毬花、左上の中央に見える黄色い花粉が「ルプリン」

ホップは横浜では馴染みの薄い農作物であるため、2人は独自で栽培方法を研究した。肥料を増やしたり、日当たりと風通しをよくしたりと改善を行った結果、今年は昨年より実がひとまわり大きく成長。毬花のルプリンの量も増え、カスケードの濃い香りが畑全体から立ち込めてくるほどに。

最終的には当初の目標通りカスケードを10kg、センテニアルを1.5kg収穫。昨年はカスケード6kgだったので大幅に収量が増加した。

このひと手間が重要「ホップの手揉み作業」

摘み取られた生ホップは、鮮度を保つため氷で冷やした状態のまま醸造所に運ばれて手揉み作業が行われた。

黙々とホップの手揉みを行う横浜ビールのスタッフとボランティアの皆さん

「手揉み作業」とは、ホップをちぎって花弁の根元にある「ルプリン」と呼ばれるカプセル状の黄色い樹脂を指でよく揉んでカプセルを破壊すること。こうすることでルプリンが内包するホップの香りと苦味を効率よくビールに取り込むことができるのだ。

約1時間半作業が行われた。

手揉みをした後のカスケードホップ

フレッシュホップの特徴を活かした醸造方法

「ヨコハマIPA」は、横浜産のフレッシュホップの特徴を生かすために栽培だけでなく醸造でも工夫を行った。

今年初めて収穫したセンテニアルは、α酸(ホップのルプリンに含まれる苦味成分となる物質)が高いためビタリング(苦味をつけるため)に使用。カスケードは、ビールに香りを付けるために煮沸後に麦汁を少し冷ましてから漬け込んだ。ホップは加熱すると香りが飛んで苦味成分が際立つが、煮沸せずに漬け込むと風味と香りをつけることができるからだ。

カスケードホップを麦汁に浸している様子

農家、醸造家、それを応援する人々の想いが込められた「ヨコハマIPA」は、9月17日に横浜ビールの直営店と地元のビアバーで発売する。コロナ禍で外出は控えたいという人にも朗報が。今年は酵母入りの瓶詰めタイプを9月4日から100セット限定で予約販売する予定だ。

お店やご家庭で、グラスから溢れ出す爽やかなフレッシュホップの香りを存分に楽しんでほしい。

 

2019年に行われたフレッシュホップビールを楽しむ会の様子

 

【株式会社 横浜ビール】
設立:1994年12月15日(当初、日本地ビール事業研究所(株)としてスタート)
所在地:神奈川県横浜市中区住吉町6-68-1 横浜関内地所ビル
電話番号:045-212-9633
メールアドレス:brewery@yokohamabeer.com
WEBサイト:https://www.yokohamabeer.com
通販サイト:https://www.yokohamabeer.shop/
Facebook:https://www.facebook.com/yokohamabeer/
Instagram:https://www.instagram.com/yokohamabeer/
Twitter: https://twitter.com/beer_yokohama

横浜ビールは以下のお店で飲むことができます!
・横浜ビール驛の食卓(横浜本店)
神奈川県横浜市中区住吉町6-68-1 横浜関内地所ビル2F
・YOKOHAMA BEER STAND
神奈川県横浜市中区住吉町6-68-1 横浜関内地所ビル1F
・YB Shop 驛カフェ (馬車通駅アイランドタワー内)
神奈川県横浜市中区本町6-50-1-B1F」

*フレッシュホップビールの販売は9月17日を予定しています。
詳しくは上記のWEBサイトよりご確認ください。

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

HOP SAIJO

ビアジャーナリスト

Hop Evangelist、Beer Judge、Beer Taster
ホップでビールを選ぶ時代に!を合言葉に活動中
全国各地のホップ畑にホップを摘みに行くほどのホップ好き
お気に入りのホップはシトラです♪
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