[テイスティング,新商品情報]2020.10.16

【ビールのある風景in岩手⑪】~琥珀の縁で日本で初輸入~ リトアニア共和国のビールは岩手県久慈市でのみ購入出来ます!

岩手県北東部の沿岸に位置する久慈市。人口は約3万5000人。
陸中海岸国立公園の北の玄関口に位置し、豪壮な断崖と岩礁が連なる小袖海岸の「つりがね洞」や「北限の海女」が全国的に知られています。総面積のうち森林面積が約85%を占めており、西部には白樺やレンゲツツジが群生する県立自然公園の平庭高原や変化に富んだ美しさを見せる久慈渓流があります。
伝統工芸の小久慈焼や国内最大の産出を誇る琥珀など、地域資源にも恵まれています。
2013年には朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台にもなり大きな注目を集め、最近は昨年ティラノサウルス類の歯の化石が発見されたことを契機として、新たな地域資源として地質や化石を核としたまちづくりに着手しています。

「あまちゃん」のロケ地でもあった久慈駅前

この久慈市の会社である久慈琥珀が、日本初輸入となるリトアニア共和国の4種類のビールの販売を市内3カ所で開始し、国内ではここでしか買えない味が注目されています。

リトアニア共和国ってどんな国?

面積:6万5000平方キロメートル(日本の九州、四国に山口県と島根県を合わせた面積とほぼ同じ)
人口:約290万人
首都:ヴィリニュス(人口約55万人)

バルト海の南東側に位置する、バルト三国の中で最も大きな国。西はバルト海に面し、北はラトビア、東はベラルーシ、南はポーランドと国境を接しています。かつてはソ連の構成共和国のひとつでしたが、ソ連崩壊に伴い1990年に独立を回復しています。
国土の98%が農地と森林に覆われ、大小合わせて約4,000の湖を有する「森と湖の国」として知られています。国土は平坦で川が多く、最も高い山でも標高300 m以下。高緯度に位置しているにも関わらず、バルト海の影響により気候は一年を通じて穏やかです。
また、西海岸は琥珀が採れることで有名です。その琥珀を加工して作られたアクセサリーは品質も良く、国内外を問わず人気があります。

古くから琥珀を特産とする港町という縁で、久慈市とリトアニア共和国のクラベイダ市は、姉妹都市になって30年が経過しています。今回のビールの輸入販売も、交流を深めてきた中で生まれたものです。
販売されているのは、リトアニア共和国のグベルニア社醸造のビール。トラディショナルボック(568ml)と、ラガー、アンバーエール、バルティックポーター(各500ml)の計4種類です。


ばら売りはせず、4本セットのみでの販売です。私が購入した今月上旬は、販売開始の特別価格ということで、1セット1,430円(税込)とお手頃価格でした。(今後、若干の価格改定があると思われます。)

(左上)ラガー:アルコール度数5.2%
(右上)アンバーエール:アルコール度数5.7%
(左下)バルティックポーター:アルコール度数6.4%
(右下)トラディショナルボック:アルコール度数6.0%

全般的に炭酸が軽めで、穏やかで優しい味のビールです。ちなみに、購入した際に対応していただいた店員さんは「スーパードライと真逆な味」と表現されていました。
日本では久慈市に行かないと買えないビール。ぜひ観光を兼ねて実際に訪れて購入し、この味を楽しんでみてください。売っている場所を知ったうえで、造られている国のことも想像しながら飲むビールは、また一味違って感じられると思います。

<販売場所>
・GINTAROリトアニア館(久慈市小久慈町19-156-133)10:00~17:00(平日は12:00~17:00の時短営業中)
・久慈琥珀ステーションプラザ(JR久慈駅内)10:00~15:00の時短営業中
・久慈琥珀町の駅店(道の駅くじ やませ土風館内)09:00~19:00

JR久慈駅。右手が久慈琥珀ステーションプラザ

<首都圏からの主な交通>
・東京駅→二戸駅(新幹線で約2時間40分)→久慈(バスで約1時間10分)
・東京駅→盛岡駅(新幹線で約2時間15分)→久慈(バスで約2時間)
・東京駅→八戸駅(新幹線で約3時間)→久慈(JR八戸線で約1時間40分)
(注)東京⇔久慈間の高速夜行バス(きずな号)は現在運休中

グベルニア社リトアニア久慈琥珀

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

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