特別養護老人ホームとビール(ベルギービールを中心に)の選び方
初めて自分の身内を特別養護老人ホームに入所する場合、サービスの良し悪しは良くわからな方が多いと思います。又、初めて飲むビールはどのような味か、わからない方が多いと思います。結論から言うと特別養護老人ホームもビールも解りやすい表現で説明又は文章に提示されているかが良し悪しを見分ける方法だと思います。
現在、特別養護老人ホーム(以下特養)は、都市部郡部共に満床です。特養の入所の対象者は、在宅サービス等を使用している事と要介護認定で介護度3以上となります。…㊟又、入所申し込みをしても施設に空床ができ、かつ入所判定会議で決められた順番が来る迄は入所できません。入所迄は、在宅サービス等を受けて待つことになります。在宅サービスは、一部を除き比較的利用しやすいと思います。
もし、自分の身内を特養に預けたいのなら、そこに併設している在宅サービスを使うことが有利です。理由は、職員の方は、利用されている方の面識を持てるからです。身内の方もサービスが終了し在宅に戻る際には必ず、利用時の生活状況(介護記録)を文章でもらうことができ、サービスの状況が解るようになっています。この文章は介護計画作成者(ケアマネージャー)にも渡すことになっています。
この文章は、事故や感染等があればすぐに法人が所管する都道府県に報告書の提出及び改善策の構築をしなければなりません。生活状況(介護記録)が解りやすいかが施設の選択する上で大切です。
次にビールの方です。
自分自身がいつも飲める大手のビールや飲んだことのあるビールであれば、何を飲みたいかは容易に選ぶことができます。しかし、例えば樽しか醸造していないブルワリーやブルワリーの地元周辺でしか販売していないビール、ベルギービールは等は種類も多いため販売店によるビールの説明が重要になってきます。
さて、特養が家族に提出する文章とビールの説明について共通点を表にしました。
生活状況(介護記録) |
ビールの説明 |
|
文章を受ける人又は説明を受ける人 | 専 門 家 …医療従事者、介護支援専門員や専門職、行政
非専門家…家族及び家族の代理人 |
専 門 家…職人、専門店関係者、知識人愛好者
非専門家…一般人 |
専門用語の有無 |
有 |
有 |
記録及び説明の重要度 |
高い |
高い |
介護記録もビールの説明も大多数は、非専門家に説明にしなければなりません。専門用語については専門家は理解できると思いますが、解らない方が多いと思います。例えば、ベルギーでランビックビールと言えば、野生酵母による自然発酵によって出来たビールを言いますが、単にランビックビールですと言われても解らない人が多いと思います。同様に、介護記録でSPO₂(血中酸素濃度のことです。)が正常でしたと記載されても同じだと思います。
記録や説明には、これらの専門用語の他の重要な記載がたくさん含まれています。それがわかりやすい記録や説明になっているか、大雑把や曖昧になものになっていないか、そこが良し悪しの見分けるポイントになると思います。
例えば、ベルギービールのパーテルリーヴェン・ブロンドを説明する際に、「このビールは、アビィビールでフルーティーな香りがし、普通ビールよりやや高めのビールです。」と説明されたらどうでしょう。アビィビール(修道院からライセンスを得たビール会社が修道院の醸造法に基づいて作るビールの総称です。)とは何でしょうか。色はどのような色でフルーティーってどのような香りでしょうか。アルコールも普通よりやや高めとはどのくらいなのでしょうか。様々な疑問が生じます。
同じように一般的な生活状況(介護記録)ですが、「ショートの自立歩行可能なAさんは、夜間良眠。朝の巡視時にベットの横で転倒してたため、他の職員を呼んで処置をしてベットに横になって頂いた。」文章を頂きました。どうでしょうか。自立歩行とは自分一人で歩ける状況です。良眠というけどどの様な状態だったのでしょうか。また、どの様な状態で転倒していたのかそしてどの様な処置がされたのでしょうか。なぜ、横になって頂いたのでしょうか。細かいことかもしれませんが、その記載が重要になってきます。
上記2つを丁寧に説明すると下記のようになります。
ベルギービールのパーテルリーヴェン・ブロンドの説明を「このビールは、アビィビールです。透き通った明るいゴールド。オレンジ、リンゴ、かりんのようなフルーティーな香りがあります。柑橘系のフレーバーを伴った、ホップの爽やさと心地良い苦みが特徴のフレッシュなブロンド。アルコール度数は6.5%」と説明されれば、細かい情報があってどの様なビールなのか想像できると思います。もちろん、人によってこの表現と違う場合もありますが、イメージしやすくなると思います。
介護記録も「短期入所を利用している自立歩行可能なAさんは、深夜2時の見回り時には、いびきをかいてよく眠っている様子でした。朝、6時の見回りの際に物音がするので見に行くとベット策を後ろにして座り込んでいました。状態を確認するため、他の職員を呼び血圧とSPO₂(血液酸素濃度)を測定し共に正常値だったため、身体を確認しました。特に腫れているとこもなく痛みもないとの事でした。ただ、ズボンが濡れていたので、着替えてもらい、本人に確認するともう少し横になりたいとの事でしたので朝食まで横になってもらいました。」となります。詳細まで解りやすく記載される事で、状況が鮮明にわかるようになります。時間的介護の経過が誰にでも解ります。それが重要な点です。
特養とビールを選択する場合大きな違いは、特養は1回入所してしまうと別の特養に再入所は困難でてあるのに対しビールの場合、購入の自由があるという事です。
選択するためにも、解りやすい表現で説明又は文章に提示されているかを見ていくことが大切だと思います。
㊟ 要介護1と2と判定されても条件により市町村に申請し許可が出れば入所できることもあります。
購入店
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