[テイスティング,ブルワー,新商品情報]2021.5.27

【ビールのある風景in岩手⑱】~続・発酵パークCAMOCY~ 陸前高田マイクロブルワリーで自家醸造ビールの提供が始まりました!

発酵パークCAMOCY(カモシー)再訪問

岩手県の東南端の沿岸に位置する陸前高田市の今泉地区に昨年12月「発酵パークCAMOCY(カモシー)」がオープンしたこと、その中に岩手沿岸初のクラフトビール醸造所「陸前高田マイクロブルワリー」があることについては、今年の2月に紹介させていただきました。

【ビールのある風景in岩手⑮】~発酵はおいしくて楽しい~ 陸前高田市に出来た「発酵パークCAMOCY(カモシー)」でクラフトビールの醸造が始まります!

このときは、陸前高田マイクロブルワリーに発酵タンクは搬入されていましたが、ビールの醸造はまだ始まってはいませんでした。その後醸造が始まり、5月3日から自家醸造ビールの提供が開始になったとの情報を得て、3ヵ月ぶりにCAMOCYを訪問してみました。

木材を多く使った温もりを感じる建物のCAMOCY。この日は平日でしたが、発酵食のランチ、パンやお惣菜などを求めて、あまり途切れることなくお客様がいらっしゃっていました。(写真は人が少ないタイミングで撮影しています。)

建物を入って右手に陸前高田マイクロブルワリーがあります。

飲めるのは初醸造の「オーディナリービター」。そのほかに3種類のゲストビールがつながっていました。

記念すべき1バッチ目は「Ordinary Bitterオーディナリービター」というイギリスのビアスタイルにしました。
ビターというスタイルの名前ですが特に苦い訳ではなくモルトを感じられつつすっきりとした飲み口に仕上がりました。アルコール度数4.3%で軽めのボディです。今泉という伝統ある街で初めて仕込むビールなのでこのスタイルを選んでみました。
だいぶ荒削りだとは思いますが陸前高田の初めてのビールを味わってみてください!(陸前高田マイクロブルワリーのfacebookより引用)


アルコール度数が軽めで苦味も程よく、モルトの甘みもしっかりとあるビールでした。ゴクゴクと何杯でも飲めそうですが、居心地がいいCAMOCYで時間をかけてゆっくり楽しむのにもピッタリだと思います。

この日は陸前高田マイクロブルワリーの「パイナップルとスパムのサンドイッチ」(5月限定)を美味しくいただきましたが、CAMOCYの他のお店で提供されているものにもこのビールは合いそうです。機会があったら是非お試しを! また、計り売りも対応可能とのことなので、ここで飲めない事情のある方はグラウラー持参も検討してみてしてくださいね。
ちなみに第2弾はSession IPAとのこと。この提供開始も楽しみに待ちたいと思います。

近隣ではオーガニックランドも始動

わずか3ヵ月ぶりの陸前高田でしたが、この間にも変化が。東日本大震災の津波で庁舎が全壊した市役所は約10年のプレハブ仮庁舎での執務を経てようやく、中心市街地に整備された新庁舎で業務を開始していました。

そしてCAMOCYを目指して歩く途中にも、新たに「陸前高田watamiオーガニックランド」がオープンしていました。


まだまだ工事中に見えるこちらは、「日本で最初のオーガニック・命をテーマにした環境配慮型の農業テーマパーク」で、何と20年かけて整備を進めていくとのことです。

現在オープンしているのは、トレーラーハウスやキッチンカーなどごく一部ですが、カフェメニューや手ぶらでBBQはもう楽しむことが出来ます。またビールではありませんが今後ゼロからのワイン造りも計画されていて、既にブドウ園の整備が始まりつつあります。
来るたびに、いろいろ変化を感じる陸前高田です。

現地までの公共交通機関追加情報

ビールを飲むことが前提なので、今回も車ではなく公共交通機関を利用しました。
前回は「バス高速輸送システム (BRT) にJR大船渡線気仙沼駅から乗車、奇跡の一本松駅まで約35分。そこからCAMOCYまで歩いて20分弱」という交通手段をご紹介しましたが、今後遠方から来ることが出来るようになった時もう少し楽な方法を紹介出来ないだろうか…と、今回は新幹線の駅でもある一ノ関駅から大船渡へ向かう特急バスを利用してみました。

現在1日2本(一ノ関駅9時発と12時55分発)のみですが、乗れば座ったまま2時間弱(途中1回休憩あり)で陸前高田に着くので、新幹線利用の方は時間を合わせてこれに乗ったほうが楽かもしれません。陸前高田駅で下車すると歩いて20分弱でCAMOCYに到着します。街の中心部を知るには陸前高田駅下車がいいと思いますが、直接CAMOCYを目指すなら一つ手前の「気仙中学校前」で下車したほうが距離は少し近くなります。(ちなみにこのバスは、BRTの奇跡の一本松駅には停まりません。)
公共交通機関の使い勝手はいまひとつですが、陸前高田の雰囲気を感じながら可能な範囲で歩くのも悪くないと思います。でもいずれオーガニックランドの整備が進んだ際には、CAMOCY⇔オーガニックランド⇔高田松原津波復興祈念公園(道の駅高田松原や奇跡の一本松周辺)などを巡るバスの新設か、既存のバスの経路変更があったら嬉しいのですが…

陸前高田マイクロブルワリーのある発酵パークCAMOCYと陸前高田の変化については、今後もこまめに追っていきたいと思います。

◎陸前高田マイクロブルワリー
岩手県陸前高田市気仙町74-1 陸前高田発酵パークCAMOCY内
070-4283-0852
営業時間11時~21時(ラストオーダー20時30分) *火曜定休

CAMOCYオーディナリービター岩手陸残高田マイクロブルワリー

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

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