[ブルワー]2021.9.3

埼玉県加須市 加須麦酒のクラフトビールを味わおう!

加須市は埼玉県北部に位置し、こいのぼりの生産数日本一、米や小麦の生産も埼玉県内有数です。その小麦を用いた「加須うどん」が名物。市内に複数の工業団地があり、産業面でも活発な都市。その埼玉県加須市に「加須麦酒(かぞばくしゅ)」が2021年7月16日にオープンしました。

加須麦酒のクラフトビールを味わおう!

加須麦酒のブルワリー&タップルーム外観

加須麦酒は、東武伊勢崎線 加須駅から鴻巣免許センター行きバスで約10分、またはJR高崎線 鴻巣駅から加須車庫行バス約25分の騎西一丁目で下車し、徒歩で約6分の距離にあるブルワリー&タップルーム。閑静な住宅地の中にあり、門をくぐって広々とした芝生の先がブルワリーの入口です。

外観はダークブラウンの木目調を主とし、一部は白壁にブルワリーのロゴの組み合わせ。シンプルながら落ち着いたデザインの印象です。

広々とした芝生や庭を見ながらクラフトビールを味わえる外席

外席として2人掛けのテーブルが5つあり、10人が余裕をもって座れる広さです。芝生の隣は手入れの行き届いた小さな庭園になっており、とてもよい景色。天気の良い日は、外で気持ちよくビールを楽しめそうですね。

加須麦酒のタップルーム店内、手伝いをする松澤 宏幸さんの妻と子供たち(プレオープン時撮影)

店内に入るとアイボリー色の落ち着いた明るい壁、そして木製のカウンターと「加須麦酒」のロゴが目に入ります。木枠の中の白いタイル張りの壁面には6つのタップがあり、オリジナルのクラフトビールを提供。店内の席はカウンター2席、窓側カウンター2席の4席。さらにL字型のベンチシート4席の合計8席です。

美しい色合いのPANORAMA SAISON

7/2-4のプレオープン時にはKazo Sanftes Weizen(カゾ サンフテス ヴァイツェン)、PANORAMA SAISON(パノラマセゾン)、FIRST IPA(フィルスト アイピーエー)などをオリジナルのクラフトビールを提供。7/16のオープン時にはさらにBrown Porterを追加、今後も様々な液種を提供予定です。加須麦酒株式会社の代表&醸造長の松澤 宏幸さんは、「今後は尖ったビールをつくりたい。アメリカンのイメージのWest Coast IPAやHAZYなスタイルに挑戦していく」と語ります。ビールの名称には、松澤 宏幸さんが大好きなスキーに関する言葉を主として付けていくとのことです。

ビールの持ち帰り用ボトルも購入可能

オリジナルのクラフトビールは、グラウラーなどへのテイクアウトが出来ます。持ち帰り用ボトルをその場で購入して注いでもらうことも可能。家に持ち帰って味わうという楽しみ方も良いですね。

フード販売はスナックなど軽食のみですが、フード持ち込みは可能のため、好みの料理を持ち寄ってクラフトビールのペアリングを楽しむことができます。

※2021年9月3日現在、緊急事態宣言中はテイクアウト営業のみです。

加須麦酒開業までの経緯と今後について

強い意志でブルワリー開業を達成した松澤 宏幸さん

加須麦酒株式会社の代表&醸造長の松澤 宏幸さんは、けやきひろばビール祭りで味わったクラフトビールがきっかけで、ビールが大好きになりました。特に福島県のブルワリーのビールに心がひかれました。その後、「ビールが大好きなのでビール屋さん始めます」という強い意志を持ち、ブルワリー設立を決意。様々なブルワリーを訪問して勉強しつつ、福島県の南会津マウンテンブルーイング、栃木県の栃木マイクロブルワリー、三重県の伊勢角屋麦酒、東京都のRIOT BEER(ライオットビール)で修業を積みました。

ブルワリー&タップルームのために新築された建物

ビール醸造の修行をしつつ、埼玉県加須市でブルワリーを開く準備にも邁進し、2020年3月には法人「加須麦酒株式会社」を設立。ブルワリー&タップルームは、妻 ゆかりさんの実家の敷地内に建設しました。当初は築45年の趣ある建物を使用する予定でしたが、建物強度等の都合があり断念。そのため、建物はブルワリー用に新築したものです。専門家にて設計された建物はデザイン面だけでなく、小規模ブルワリーとしての機能性にも優れています。

ブルワリー入口より、左側にマッシュタンやボイルタン、右側に発酵タンクが設置されている

2021年3月に発酵タンクなど醸造設備を搬入。ブルワリースペースの入口から右側に200Lの発酵タンク4基とグリコールチラー(冷却水循環装置)が並び、左側中央部に250Lのホットリカー(貯湯タンク)、マッシュタン(糖化釜)&ロイター200L、ボイルタン(煮沸釜)&ワールプール200Lが設置されています。

広々としたプレハブ冷蔵庫

左側奥にあるプレハブ冷蔵庫は2坪あり、多数のケグ(樽)を保管可能。タップルームにビールを提供する空冷式サーバも兼ねています。他の設備として、ケグウォッシャーを備えており、ケグ(樽)洗浄の労力削減に貢献します。現在未使用ですがホップロケットもあり、今後の仕込みで活躍を期待されています。

立ち並ぶ発酵タンク4基

2021年5月1日に醸造免許を取得。複数液種のクラフトビールを仕込み、2021年7月2日~4日のプレオープン時には3液種をお披露目しました。近隣の方をはじめ、遠方からも来訪が多数あり、松澤 宏幸さんの人徳をうかがえます。そして、2021年7月16日に正式オープンを迎えました。オープン後も良い客入りのため7月で用意したビールが底をつき、しばらく休業していましたが、2021年9月3日からテイクアウト営業を再開。地元でとても人気のブルワリーとしてスタートをされた印象です。

今後は埼玉県で開催されるイベントなどに積極的に参加し、加須市という地域及び埼玉県のクラフトビールの普及に貢献していくとのことです。また、醸造の過程で発生した麦芽カスを近隣の学校などに提供し、農作物の肥料とすることも進めています。

地域に根差した活動を行う加須麦酒。是非、ブルワリー&タップルームを訪れ、オリジナルビールを味わってみてはいかがでしょうか。

※2021年9月3日現在、緊急事態宣言中はテイクアウト営業のみです。

この記事が、素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。


■加須麦酒株式会社

住所:埼玉県加須市騎西362-1

営業時間:

金曜 16:00〜20:00

土曜 13:00〜18:00

日曜 13:00〜18:00

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※臨時休業や営業時間の変更の可能性もあります。

訪れる際は、事前にご確認をお願いします。

kazobakushu加須麦酒

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

Atsushi Taguchi(田口 篤史)

ビアジャーナリスト/ビアライター

ビール大好き!ビールを求めドイツやベルギーを中心にヨーロッパをよく旅していました。
世界にも日本国内にも、素敵なビールはまだまだたくさんありますので、巡りたいところは尽きません。
ビールの素晴らしさ、楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。
Enjoy!Beer!

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