試行錯誤の4年間。『浜松クラフトビールフェス』の歩み
静岡県西部に位置する地方都市、浜松。人口約80万人で、古くは徳川家康が青年期を過ごした「出世の街」としても知られます。
浜名湖うなぎや浜松餃子などの食、繊維・楽器・自動車などものづくりも盛んな政令指定都市です。
そんな浜松市で、4年前からスタートした『浜松クラフトビールフェス』。
実行委員を務める浜松にぎわい協議会の伊藤さんと、ATLAS代表の高林さんに、これまでの歩みを伺いました。
クラフトビールに、街の人は集まるのか?
イベント初回の2018年当時、地方でクラフトビールの認知度はまだ低く、「浜松でビールイベントを行ってどれだけの人が集まるのか?」イベントの集客見込みは未知数だったそうです。
「新しいことにチャレンジしよう!」と、8月末のイベント開催を決定するも、準備段階では手ごたえがなく、当日まで不安は続きます。
19ブルワリーが参加し、当日を迎えると、開催初年度の集客はなんと1万6千人。
会場となった浜松駅前の『ソラモ』で開催されるイベント集客としても、前例のない大盛況となりました。
ビールが足りない!浜松だから出来る出店ラインナップ
途切れることない来場者。用意していたビールを売り切り、そうそうに品切れになってしまうお店も。イベント運営をしながら、クラフトビールの予想以上の人気にカルチャーショックを受けたそうです。
2年目は会場も広げ、25ブルワリーが参加。地元の飲食店も加わり、盛り上がりをみせます。
東京と大阪のほぼ真ん中に位置する開催地・浜松の立地を生かし、東西双方のブルワリーがバランスよく出店するラインナップは話題に。
飲食スペースを増やすことで、街中にその日だけ現れる野外宴席は、さらに街の人をひきつけました。
「ビールマニアばかりじゃなく、市民が普通に飲みに立ち寄ってくれる雰囲気がいいね」と、出店するブルワリーにも好評です。
コロナ禍でのオンライン開催
ビールチケットの購入方法など、運営の課題や試行錯誤はありながらも、夏のイベントとして『浜松クラフトビールフェス』が定着し始めるかにみえた3年目。
コロナウィルス感染拡大防止の為、世間はイベント自粛の流れに。すでに出店者も集まっていましたが、やむを得ずこれまで通りのリアルイベントは中止。それでも、せっかく定着し始めたイベントを途切れさせないように、オンラインでのクラフトビールフェスを模索します。
非接触で楽しめるオンライン飲み会や、ブルワリーの姿をネットを通じて届けることで、ビールファンを増やすコンテンツを企画しました。
クラフトビールと街のにぎわい
なぜ他のお酒ではなく、ビールのイベントを企画したのかを訪ねると、
「ビールって一番カジュアルなお酒だと思います。クラフトビールの多様性も魅力で、他のお酒よりアルコール度数も低いので、おかわりをしながら色んなブルワリーのビールが楽しめるのが醍醐味です!」と答えてくれた高林さん。
浜松にぎわい協議会の伊藤さんは、「クラフトビールの盛上がりをイベントだけにとどめず、街中の回遊や、地元の飲食店応援にもつなげたい」と話します。
コロナ禍が続く2021年。昨年に続きリアル開催の難しい状況下で、浜松クラフトビールフェスはまた新たな展開を計画しました。
その模様は下記URLでご確認ください。10月下旬には引き続き本年度のレポートもお届けする予定です。
リンク:
浜松クラフトビールフェス・スピンアウト企画【浜松クラフトビールアドベンチャー】
https://craftbeer-adventure.net/
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。