【埼玉150周年企画】『映画 翔んで埼玉』の名言「口が埼玉になる」を真面目にビールで考える②
2021年11月14日(日)は、ご存知「埼玉県民の日」です。
しかもただの「埼玉県民の日」ではなくて、埼玉県が150周年を迎える特別な「埼玉県民の日」になります。
特別な「埼玉県民の日」を目前に控え、『映画 翔んで埼玉』の名言「口が埼玉になる」とはどんな感覚なのか?
「口が埼玉になるビール」があるとすれば、それはどんなビールなのかを真剣に考えてみることにしました。
そのヒントとなったのは、やはり『映画 翔んで埼玉』に登場したセリフ
「埼玉県民にはそこらへんの草でも食べさせておけ!それで治る!」
でした。
「そこらへんの草」=「埼玉の大地(テロワール)に生える草」であるとすれば、埼玉のテロワールを感じるビールこそ「口が埼玉になるビール」なのではないだろうか。
前編をまだお読みになっていないあなたは、まずは前編に目を通してから、この先へ進みましょう。
目次
埼玉のテロワールを感じるビール②プレミアム狭山茶ビール
埼玉県は「里芋」の産出額が全国第1位で、「ネギ」や「小松菜」、「ホウレン草」なども第2位に輝くなど、意外な農業大国としても知られています。
特に「深谷ネギ」と「狭山茶」は知られた存在として、日本全国で埼玉のテロワールを感じる農作物の代表格ともいえるでしょう。
静岡茶、宇治茶、と並び日本三大銘茶に名を連ねるのが我らが埼玉県の狭山茶です。
甘く濃厚でコクのある味わいが特徴の狭山茶を、アロマホップの代わりに贅沢に使用したスペシャリティビール。
それが『ビール工房所沢』の店内で醸造されている「プレミアム狭山茶ビール」です。
ほのかに香る狭山茶のアロマ、スッキリとした味わいの後には、苦味とともに改めて狭山茶の香りが鼻を抜けます。
「プレミアム狭山茶ビール」、それは埼玉のテロワールを感じるとともに「鼻が埼玉になるビール」でもありました。
埼玉のテロワールを感じるビール③野老ブラウニー
所沢市は埼玉県の西部を代表する街ですが、市内に3つのクラフトビールメーカーがある埼玉を代表するクラフトビールタウンでもあります。
1つ目は前出の『ビール工房所沢』、2つ目は所沢市で初のビール製造会社『所沢ビール株式会社』、そして3つ目は“所沢の地ビール”を掲げる『野老社中株式会社』です。
中でも「口が埼玉になるビール」として注目したいビールは『野老社中株式会社』の「野老ブラウニー」。
所沢産の麦芽を、所沢の雑木林の間伐材で燻製したビールです。
程よい苦みと甘味、そして後からやってくるスモーキーな香りが特徴で、目を閉じて飲んでいると、どこからともなく漂ってくる夕食の準備をしている香りや薪で風呂を沸かしている煙の香りが漂ってくるような、そんな夕方の里山の光景が浮かびます。
「野老ブラウニー」、それは所沢のテロワールを存分に感じさせてくれる「口が所沢になるビール」でした。
埼玉のテロワールを感じるビール④さいたま育ち
埼玉県の中心地・さいたま市に初のクラフトビール醸造所として『氷川ブリュワリー』が開業したのが2014年。
翌2015年からさいたま市見沼区でホップの栽培を開始し、さらに2017年からさいたま市岩槻区でビール麦の栽培を開始しました。
「自分たちの住む土地で原料を作って、その原料に合わせた“さいたまの味”を完成させたい」
そんな想いから「さいたま育ちプロジェクト」は始まりました。
2018年に収穫した原料を使用した「さいたま育ち2019」。
「さいたま育ち2020」は、岩槻区で栽培した大麦「ゴールデンメロン埼1号」を麦芽にせず炒って使用し、ホップは見沼区で栽培した「ファグルホップ」を使用しました。
そして2021年、埼玉県の地方銀行として地域に密着する『武蔵野銀行』が主体となり行っている見沼区で小麦を栽培するプロジェクトに参加し、その小麦を一部使用した「さいたま育ち Wheat」も発売しています。
さらに、『武蔵野銀行』が栽培した小麦と、『氷川ブリュワリー』が見沼区で栽培したホップを使用した「さいたま育ち Weizen」が現在オンタップ中(2021年11月)です。
「さいたま育ち」、それは『氷川ブリュワリー』の想いから生まれた「口がさいたまになるビール」でした。
ん?さいたま?
埼玉県民以外にはピンとこないかもしれませんが、「埼玉」と「さいたま」は似て非なるもの。
「埼玉」は埼玉県を表し、「さいたま」はさいたま市を表します。
つまり「さいたま育ち」は「口がさいたまになるビール」であって、探し求めている「口が埼玉になるビール」とは微妙に意味合いが異なってしまいます。
埼玉のテロワールを感じるビール⑤埼玉テロワール
「口が埼玉になるビール」を半ばあきらめかけていたその時、以前、西川口の『GROW BREW HOUSE』で飲んだ1杯のビールを思い出しました。
行田市産の自家製麦と蕨市産の自家製ホップ(雑種)を使用したビール、その名も「埼玉テロワール」。
ホップはもともと北海道に自生していた植物です。しかも雑種という点、「そこらへんの草」感が強まります。
埼玉県の県北に位置し、群馬県との県境にある行田市と、埼玉県の県南に位置し、日本一面積の小さい市である蕨市。
同じ埼玉県であっても立地、環境がまったく違うテロワールを持つ2つの原料が、ビールになることで出会うことで、スッキリ爽快なラガービールに仕上がりました。
「埼玉テロワール」、それは文字通り「口が埼玉になるビール」です。
今回紹介したビールは、どれも埼玉のテロワールを感じる事ができる素晴らしいビールばかりです。
しかし、もしかしたら紹介できていないビールの中にもっと「口が埼玉になるビール」があるかもしれません。
最期に埼玉県とは何も関係がないにもかかわらず、ここまで読んでくれたあなたは、是非、あなたの地元で「口が〇〇になるビール」を探してみてください。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。