ベルギーのフルーツ等のビールを楽しもう
目次
初めに
タイトルの「フルーツ等」とした理由は、ベルギービールはフルーツの他ハチミツやクルミ、チョコレートを入れたビールがありそれをそれらの総称としました。(以下フルーツと呼びます。)また、麦芽をローストしてできるコーヒーやチョコレートの香りや味、ホップの風味による柑橘系の香りや味のあるビールはフルーツビールに含まないこととします。イメージとしてビールカクテル風のビールとしてとらえていただければと思います。
フルーツについて
ビールを作る際にフルーツは大きく分けて2つあります。1つは、そのままビールに漬け込みます。もう1つはジュースやシロップにしてビールと混ぜます。また、ビールの種類によっては、フルーツの酵素によって酵母の働きが阻害される恐れがあるため、フルーツを加熱処理をすることもあります。
基礎ビールについて
フルーツビールを作るとき、セゾンビールのようにホップを効かせているビールにフルーツを混ぜるでしょうか。また、サクランボビールを作る際に褐色系のビールを使うでしょうか。
ベルギービールでは、マイケル・ジャクソン氏の10の分類があります。その内で、フルーツビールとなる基礎ビールを紹介します。
1・ランビック・ビール
ランビック・ビールとは、培養した酵母を使用せず、空気中に浮遊している野生酵母や微生物を利用して自然発酵させた伝統的ベルギービールです。強い酸味と独特の香りが特徴です。
2・ホワイト・ビール
ホワイト・ビールとは、大麦に加えて、小麦(または小麦麦芽)を大量に使用して造られるビールです。色は霞がかった薄黄色で、泡持ちがよく、さわやかな香りと酸味が特徴です。
3・ゴールデン・ビール
ゴールデン・ビールとは、名前のとおり、日本のビールのように淡く美しい金色で、アルコール度数が高くコクはあるが口当たりはまろやかです。
4・レッド・ビール
レッド・ビールとは、ベルギー西部の西フランデレン地方で造られます。深い赤色は、麦芽として普通の大麦の代わりに赤大麦を使用するためです。さわやかな酸味を持ったビールで発酵後、巨大なオーク樽に入れて熟成させます。
5・ブラウン・ビール
ブラウン・ビールとは、東フランデレン地方で主に造られる、ブレンドによる複雑さが特徴のビールです。古いビールに新しいビールをブレンドし、二次発酵させ、独特の味わいを造り出します。甘酸っぱく、複雑な味わいです。
6・スペシャル・ビール
スペシャル・ビールとは、ピルスナー、ホワイト・ビール、トラピスト・ビールなど数あるベルギービールのタイプの中、ここに当てはまらないビールを総称してスペシャル・ビールと呼びます。
基礎ビールとフルーツ
1・ランビック・ビール
基礎ビール1番目のランビック・ビールは酸味が強いので甘味によって酸味を和らげる為にフルーツを使うことが多く、フルーツの酸味がランビック・ビールの酸味を生かしています。そのため、ブーン・クリークの様にサクランボをランビック・ビールに漬け込んだり、リンデマンクリークの様にサクランボの果汁をランビックビールに混ぜたりします。また、ランビックの味をそのままにしてクルミをランビック・ビールに漬け込んだ、アウト・べールセルのグリーンウォールナットと言うビールもあります。また、ランビックにチョコレートを入れたフローリスチョコレートがあります。
2・ホワイト・ビール
基礎ビールの2番目のホワイト・ビールは、意外と多くのフルーツビールの基礎となっています。ミスティック・ホワイトにサクランボジュースを加えたミスティック・チェリーやヒューガルデンホワイトにジュースを加えたヒューガルデン・ロゼやヒューガルデン・シトロン(現在日本で販売してません)があります。また、ホワイト・ビールに青りんご果汁を入れたニュートンもあります。特徴としてジュースを入れることで、アルコール度数が低くなり、ジュース感覚で飲める事です。
3・ゴールデン・ビール
基礎ビールの3番目のゴールデン・ビールは高アルコールとフルボディ感のあるビールをフルーツを入れることで飲みやすくしたものです。デリリュウム・トレメンスをベースにサクランボを使用したのがデリリュウム・レッドです。もともと、このビールは、デリリュウム・トレメンスとフローリスクリークのハーフ&ハーフでした。しかし、アルコール度数が下がるため、直接サクランボを漬けるようにしたと思われます。
4・レッド・ビールと5・ブラウン・ビール
基礎ビールの4番目と5番目のレッド・ビールとブラウン・ビールです。このビールも酸味が強いため、酸味と香り付のためにフルーツを入れる事でより多くの味と香りが楽しめます。
レッド・ビールでは、ドゥシャス デ ブルゴーニュにそのままサクランボを漬け込んだドゥシャス チェリーやドゥシャス デ ブルゴーニュをチョコレート風味にしてサクランボを漬け込んだチョコレート・ドゥシャス チェリーがあります。
ブラウン・ビールでは、リーフマン・グーデンバンドにサクランボやサクランボジュースを使用し熟成させたリーフマンス・クリーク・ブリュットがあります。
6・スペシャル・ビール
基礎ビールの6番目のスペシャル・ビールは最初から特別なレシピに基づくビールにフルーツを加えるとか、元々あるスペシャル・ビールにフルーツを加えたものがあります。
最初から特別なレシピに基づくビールにハチミツを入れ熟成させたのがビーケンです。
元々あるスペシャル・ビールにフルーツを入れ熟成させたものは、ブッシュ・アンバーにピーチフィズ(桃の果汁を使用)を加え熟成させたペシェ・メル・ブッシュがあります。
最後に
以上簡単にベルギーのフルーツビールを紹介させていただきました。基礎ビールの味を損なわずにフルーツの味を加えアルコールも比較的低く抑えています。
ランビック・ビールとフルーツの組み合わせが圧倒的に多いのですが酸味が苦手な人のために、飲みやすくなっています。
是非自分の好みに合ったベルギーのフルーツビールを探してはみませんか。
購入店
ビックカメラ札幌店(ネットはありません)
酒のたなか(札幌市)
ベルギー麦酒屋ウエハタ
すがや魅惑のベルギービール
ベルギービールJapan
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