Slavnosti piva tabor ターボル国際ビアフェスティバル②
Slavnosti piva tabor ターボル国際ビアフェスティバル・レポート②:藤原ヒロユキ
「Slavnosti piva ターボル国際ビアフェスティバル」のビアジャッジは4日間行われた。
初日、2日目までは午前9時から午後8時ごろまで行われ、なんと3日目は午前9時から午後10時30分までという長丁場のコンペティションであった。
さらに4日目の10時からは入賞ビールの中から最も優れたビールを選ぶというジャッジとしては夢のようなセクションもあった。(だって、すごく美味しいビールばかりが並ぶのだから。順位がつけづらいほど、高いレベルで競り合っている。)
さて、そんなターボル国際ビアフェスティバルのビアジャッジに4日間フル出場して感じたことは、ジャッジたちが非常に積極的であるということだ。
ジャッジは総勢500名を超え、審査会場のウェイティングテーブルに座っている(常に500人が座っているわけではない)のだが、主催者が「それではこれから○○部門の第1回戦を始めます。審査に参加したい方はジャッジテーブルにお着きください」と声をかけると我先にテーブルに向かうのだ。
まるで椅子取りゲームのようである。
出遅れるとテーブルまで行って「あっ、もう座れない? すみませんでした」とトボトボ帰ってくることになる。
「それではこれから○○部門の審査を始めます」という口上はもちろんチェコ語なので、これを「どういう意味だっけぇ?」なんて言っていては椅子取りゲームについていけないので途中からは「もーなんでもいいからテーブルに辿り着け」という気持ちになり、座ったあとで隣のチェコ人に「で、これ何の部門?」と問うありさまである。
もちろんみんな優しく教えてくれる。なかにはカテゴリーの欄をかわりに書きこんでくれる人もいる。
正直、この先陣争いには驚いた。
日本人なら「お先にどーぞ、席が余ったらやらせていただきますので…」「いえいえそちらこそどーぞどーぞ」といいた感じになりかねないが、ここでは遠慮は無用である。
そしてそれは、何よりも「このカテゴリーのビールを飲んでおきたい」「どのようなビールが出ているかチェックしたい」という気持ちなのあらわれでもある。
さらに驚いたことに、このコンペティションに多くのエールがエントリーされていたことである。
チェコといえばピルスナー!というほど原理主義的な国なのかと思っていたが、とんでもない。
IPA(みんなイパと呼んでいた)やポーター、バーレイワインも存在する。
それも素晴らしいレベルのものが。
聞けばこの2年ほどで一気にエールの人気が上がってきたとのことである。
そしてその流れはスロバキアやスロベニヤなどでも同じだという。
これらはミニピボバル(小規模醸造所)が造るクラフトビールであり、これは世界的なムーブメントが東欧まで来ているということだ。
たった2年で…!
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。