福島の風光明媚な海幸ビールペアリングはいかが?—穴子のマリネ×半田銀山ブルワリー「暁」編
日本周辺でも、特に漁場として恵まれていると言われてきたのが、黒潮と親潮がぶつかる東北から北関東の沖の海域です。そのほぼ中心である福島県のいわき漁港では、豊富なプランクトンを食べて育った魚が多く水揚げされ、サンマやヒラメなどの漁獲量は全国上位を占める有数の漁港となっています。
”魚をもっとおいしく食べて欲しい!”。そんな思いを込めた水産業の方々が新商品を開発しています。その中でも、私の大切な友人の故郷でもある“福島”の幸を、福島生まれのビールと合わせて楽しむビールペアリングと、地元情報を合わせて、3回に分けて紹介いたします。
城めぐりも福島の魅力。桜の開花は4月初旬から
福島の観光名所の一つ、お城ファンの人気ランキングにも登場するのが、会津若松にある「会津 鶴ヶ城」です。至徳元年(1384)に築かれた東黒川館を起源に、文禄2年(1593)に蒲生氏郷が天守閣を立て、鶴ヶ城と命名されました。明治元年(1868)に始まる戊辰戦争を乗り越え、難攻不落の名城と知られたものの、昭和40年(1965)に全て取り壊し、現在は、平成に復元された城址が凛とした姿を見せています。有名な赤瓦は、天守閣創建時に雪国の低温や積雪に耐えられるようにと、鉄分を多く含んだ釉薬を使って当時新たに開発したもので、その後奥州各地へと広まりました。平成23年(2011)に、再建していた瓦を幕末当時の赤瓦に葺き替え、現在、国内で赤瓦の天守閣が見られるのは、鶴ヶ城だけとなっています。
桜の名所も多数ある福島ですが、この鶴ヶ城も、城壁の白と赤瓦の美しさをたたえるように桜が咲き誇る人気の名所で、私の友人も毎年楽しみにしているそうです。城址周辺も素晴らしいですが、以前は陸上競技場だったという臨時駐車場の桜並木も穴場と教えてくれました。
まもなく迎える桜の季節も美しい“福島”。そんな場所で誕生した、こちらのペアリングを紹介します。
食べやすさの細やかな工夫も詰まったふっくら穴子!
黒潮に乗ってやってきた様々な魚が、福島や茨城に面した常磐沖で親潮と出会い、豊富なプランクトンを食べて繁殖する、そんな潮目の海で獲れる魚は「常磐もの」と呼ばれ、昔からおいしさの代名詞ともいわれてきました。その常磐ものの穴子を100%使い、マリネにしたのがこの「刻み穴子のマリネ」です。
穴子の旬は6〜8月の夏ですが、福島・いわきでは1年中脂ののった真穴子が水揚げされます。その穴子を開きにして骨切りし、冷凍して骨を柔らかくし、さらに穴子を一度素揚げすることで小骨が気にならないようにしてから、パプリカや玉ねぎとともにマリネ液に漬け込んでいるので、誰が食べても安心でおいしい仕上げとなっています。
まさにお花見で楽しみたいペアリング!
このマリネに私が選んだビールは、同じ福島・伊達郡にある半田銀山Breweryの「暁」です。このビールは、福島県桑折町産の桃「あかつき」を100%使った、桃の甘味とオーツ麦による優しい口当たりが特徴のペールエールです。福島を代表する品種「あかつき」は甘くジューシーな味わいが特徴で、一口飲むと、驚くほど新鮮な桃の自然な甘さが、口の中に柔らかく広がります。
早速マリネを頬張り、ふんわりとした白い泡をたたえたこのビールを頂きます。口の中で、マリネの穏やかな酸味と穴子のふっくらとした柔らかさに優しい桃の甘さが爽やかなハーモニーとなって、脂ののった穴子が軽やかに口の中でほどけていきます…。
このマリネは冷凍で入手できるので、食べたいと思った時に冷蔵庫や冷水で解凍させるだけですぐに楽しめるのも嬉しいところ。サラダ感覚に氷水でパリッとさせたレタスやきゅうりを添えて、ちょっと豪華にステーキを焼くときには、前菜の一品に、そして何より、桜ほころぶお花見のお供にしたい一品です。冷凍庫に常備して、いざという時の秘密兵器にいかがですか?
刻み穴子のマリネ https://andfish.jp/product/product_hamakara2/
半田銀山Brewery https://www.uwamachi-cheers.com/半田銀山ブルワリー
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。