[ブルワー]2023.2.28

~東日本大震災での恩を被災地へ~ 世嬉の一酒造がトルコ地震緊急支援「恩送りプロジェクト」実施中!

トルコ南部で2月6日に発生したマグニチュード7.8の地震。発生から3週間が経過し日本での報道は減ってしまっていますが、その後の地震と合わせて隣国シリアを含め5万人以上の死亡が確認されています。
約12年前の東日本大震災における死者は約1万6000人。そして、日本国内で起きた自然災害で死者・行方不明者の合計が1万人を超えたのは、第二次世界大戦後は東日本大震災が初めてです。死者数からだけでも、今回のトルコで起きた地震の被害の大きさを感じることができるのではないでしょうか。
被災地では、支援や復旧作業が急ピッチで進む一方で、発生から3週間がたっても被害を受けた建物などがそのままになっている地域もまだまだあるそうです。

そんな被災地を支援するために、クラフトビールの「いわて蔵ビール」でも知られる世嬉の一酒造(岩手県一関市)では、現在、自社のビールと清酒各1000本の売り上げ全額を寄付する取り組み(トルコ地震緊急支援「恩送りプロジェクト」)を行っています。

世嬉の一酒造は、震災時多くの人々の応援とご支援をいただきました。トルコからも被災地支援にこられたと聞いています。そのおかげで震災から12年、色々ありますが、今はごはんも普通に食べれますし、温かい家で家族と幸せに日々を過ごすことが出来ております。トルコの震災の様子を見ると、どうしても12年前の事を思い出し、自分たちのできることを何かしないといけないと、 今回、微力ですが、「恩送りプロジェクト」を再度実施し、売上全額を寄付することにしました。

ビール好きの皆さま、そして日本酒好きの皆さまも、ビールや清酒を買って飲むことで被災地支援をしてみませんか?

トルコ地震緊急支援「恩送りプロジェクト」の仕組みは?

下記のサイトからビールや清酒の注文をすると、商品の売上の全額がトルコ大使館が募集している口座に寄付されます。ビールの売上金の一部を寄付する話は時々耳にしますが、全額というのにはかなり驚きました。


トルコ地震緊急恩送りプロジェクト

*3月11日まで、あるいは用意した清酒・ビール1000本分がなくなり次第、いったん寄付が行われ、その結果については、世嬉の一酒造のブログで紹介される予定です。
*寄付を募りやすくするため、一般販売より安価になっています。そのため、各種割引等の対象外です。また金額にかかわらず、送料は購入者負担になります。

ビールや清酒を購入することで、購入者の負担はほとんど変わらずに援助ができる仕組みになっています。
また、今回の支援はインターネットサイトでの販売限定ですが、世嬉の一酒造は自社の店舗でも募金箱を設置するなどして支援を続けることにしています。

恩送りとは?

今回のプロジェクトの背景にあるのは、東日本大震災からの「恩送り」の取り組みです。
世嬉の一酒造は東日本大震災で大正時代から続く蔵などが大きな被害を受けましたが、歴史的建造物の補修や商品の買い支えなどで多くの支援を受けたそうです。

恩送りとは、当社が大変お世話になった井上ひさし先生に教わった言葉です。
『「恩送り」とは、誰かから受けた恩を、別の人に送る。そしてその送られた人がさらに別の人に渡す。』 という意味です。井上先生から教わり当社の考えの一つになっています。
多くの恩は返そうと思っても、なかなか返すことができません。当社も沢山の方に震災時にご支援いただきましたが、 ご恩をお返しできているかはわかりません。 ただ、震災から行っていた恩送りプロジェクトも12年目を迎え、今回はトルコの本当に困っている方々の力になりたいと思いました。 今までは、ビール、清酒を販売したお金で被災地の商品を購入して、次のビールのご注文者にお渡しするという形をとりながら 被災地の復興の支援を行っていました。
(世嬉の一酒造ブログより)

今回は同じ方法で行うのは難しいので、販売した売上全額を、店頭で行っている募金と合わせてトルコ大使館が募集している口座に寄付する形をとるそうです。実際に震災を受けた地域の方が本当に欲しているものは日本ではわかりにくく、また日々需要も変わっていくため、使い道をトルコの方々に判断してもらうことができるように…と寄付する先を選んでいます。

IWATE BEERの「こビール」「真冬のこビール」も!

今回提供されているビールは4種類。現在出荷できる在庫で考えての選定だそうです。この中には、私がずっと注目してきたJR東日本盛岡支社の取り組みIWATE BEERの「こビール」「真冬のこビール」も含まれているのでご紹介します。

(IWATE BEERについては詳しくはこちらから…)

*商品名の「こビール」とは、岩手の方言「こびる(小昼)」と「ビール」を掛けあわせた造語です。 「こびる(小昼)」とは、ちょっと休憩とか、おやつの時間とかいう意味です。


・商品名:こビール
スタイル:ウエストコーストIPA
アルコール度数:5%

柑橘系の香りが優しい、すっきりとした味わいのビールです。食事にも合わせやすいと思います。


・商品名:真冬のこビール
スタイル:アメリカンウィートエール
アルコール度数:6%

豊かなホップの香りのあるビール。「真冬」というネーミングなので濃厚なビールかなと思いきや、小麦を使用しているため飲みやすく仕上がっているビールです。

この2種は限定商品で買える場所もかなり限られているため、まだ見つけられていない方は特にこのプロジェクトからの購入をお勧めします。もちろん、美味しいヴァイツェンやスタウトも是非ご一緒に!

地震のニュースなどを見て「何かできることはないか」と少しでも感じていたら…普段から家飲みをする方々にとっては無理なく援助ができる仕組みのこの「恩送りプロジェクト」からビールや清酒の購入をしてみてはいかがでしょうか?

◎世嬉の一酒造株式会社
〒021-0885 岩手県一関市田村町5-42
TEL:0191-21-1144 FAX:0191-21-1143
E-mail: staff@sekinoichi.co.jp
HP: https://www.sekinoichi.co.jp

こビールトルコ地震世嬉の一酒造恩送りプロジェクト真冬のこビール

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

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