【ビールを通して感じる韓国⑨】ソウルとその近郊でクラフトビールを飲む(4) 韓屋をリノベーションしたKIWA TAPROOM@三清洞
韓国でも2010年代半ばから小規模なブルワリーで作られるクラフトビールが人気を集めています。これまでも、その様子を現地に足を運んでお伝えしてきました。
*韓国のビール事情の変遷についてはこちら《【ビールを通して感じる韓国】3年前に登場したビール「TERRA」が大人気!》から…
今月、約半年ぶりに首都ソウルを起点にして韓国を回ってきました。そこで、現地で実際に見て確認してきたことを中心に、韓国のクラフトビールについてさらに情報提供をしていきたいと思います。
今後、韓国を訪問する機会を得たビール好きな方に、少しでも参考になれば嬉しく思います。
韓国の入国時の書類について
日本から韓国に入国する際に登録が必要だったQ-CODE(検疫情報事前入力システム)は、2023年7月より登録免除となりました。税関申告書も、2023年5月より免税範囲内であれば提出不要になっています。
また今年の4月1日から2024年12月1日までは、日本を含む22か国・地域のパスポートを持つ外国人が観光・短期商用等の目的で入国する場合、K-ETAを取得することなく韓国に入国できます。ただし、K-ETAを取得していない場合は入国カードの記入は必要です。
私は、免除になる前に取得したK-ETAがまだ有効期限内なので、韓国に入国するときには書類の記入やデータ入力がまったく要らなくなりました。入国にかかる時間も短くなり、かなり楽になりました。
ソウル・三清洞とは
今回ご紹介するのは、ソウル・三清洞(삼청동・Samcheongdong)にあるタップルームです。三清洞があるのはソウルの中心にある鐘路区。鐘路区は、日本で言うなら東京都の千代田区や中央区などのような所にあると考えればわかりやすいかと思います。
再開発も急激に進み高層ビルも立ち並ぶ鐘路区ですが、三清洞は狭い路地に朝鮮時代風の韓屋が並ぶ「北村韓屋村」などがあり、歴史的情緒も残っている地域です。その韓屋を改造したレストランやカフェ、ショップなども集まっています。
最寄り駅は、地下鉄3号線の安国(안국・Anguk)駅になります。
急坂も多い北村韓屋村
ソウル工芸博物館や国立現代美術館もこの地域にあり、有名な観光地の景福宮や光化門広場などからもすぐです。
光化門広場。左奥が景福宮
KIWA TAPROOM
この三清洞に2015年にできたのがKIWA TAPROOM。安国駅からは徒歩5分程度で行けます。路地を入ったところにありますが、営業中は曲がり角に看板が出ていて、少しわかりやくなっています。
この地域らしく韓屋をリノベーションしたタップルームで、中に入るとなかなか他では味わえない雰囲気です。合わせて20席程度のテーブル席のほかに、カウンターが数席、縁側席にも8人程度座れます。私はもちろんこういう機会でないと座れない縁側席を選びました。
ビールはオリジナルが6種類、それ以外に各国のビールが6種類程度つながっています。ちなみに日本のビールとしてサントリーのザ・プレミアム・モルツがあり、9000ウォン(約990円)で提供されていました。
注文はタブレットで入力する方式です。縁側席だと声をかけたほうが早そうな気もしますが・・・
私がまず選んだのは、EULJIRO BREWING×PLAYGROUND BREWERY(韓国)のコラボビールというHawaiian Shirt Golden Ale。7900ウォン(約870円)。アルコール分4.5%、IBU9とやや軽めでドリンカブルなビールでした。
*PLAYGROUND BREWERY(プレイグラウンドブルワリー)については、こちら《【ビールを通して感じる韓国⑦】ソウルとその近郊でクラフトビールを飲む(3) 時間をかけても行きたい!プレイグラウンドブルワリー(PLAYGROUNG BREWERY)@高陽市》もご参照ください。
ちなみにグラスの裏はこんな感じ。ザ・プレミアム・モルツのグラスの再利用? こういう風に使うところにもちょっと韓国らしさを感じます。
次に選んだのは、EULJIRO BREWING×Hand and Malt(韓国)のコラボビールGlen Check Amber Lager。こちらは7000ウォン(約770円)。アルコール分5.1%、IBU30で、飲みやすいもののやや深みも感じる味わいのビールでした。
こちらのお店は、ビールの味わいに加えて、韓屋をリノベーションしている建物の雰囲気、観光地からも近くて誰でも行きやすい点でもお勧めです。お料理も美味しいらしく、ランチだけ食べている方もいらっしゃいました。
さらに営業時間が曜日問わず12:00~23:00(途中の休憩時間も定休日もなし)なので、いつでもフラッと立ち寄りやすくなっています。昼と夜とでは、雰囲気もまた違うようです。
ただし、お店は広いわけではなく混みあうことも多いようなので、あまり大人数での利用には合わないかもしれません。
◎KIWA TAPROOM所在地:서울특별시 종로구 율곡로1길 74-7(74-7, Yulgok-ro 1-Gil, Jongno-gu, Seoul)
EULJIRO BREWING
KIWA TAPROOMの2号店として2017年にEuljiro Brewing(을지맥옥)、そしてその隣に2021年に別館もできています。
こちらは安国駅から一駅の乙支路3街(을지로3가・Euljiro 3-ga)駅から徒歩数分。広い通りから路地に入っていき・・・
さらにかなり細い路地に入ったところにお店はありました。営業時間は15:30~2:00で定休日はなし。今回は開店時間前の訪問だったので外から見ただけでしたが、まったく違う雰囲気のお店だということはわかりました。
私はこのお店のイラストが苦手と思ってしまったのと早い時間からの昼飲みもできることを考えると、次に行くとしてもKIWA TAPROOMのほうを選ぶと思います。でも、こちらのお店のほうが60席程度と広く深夜遅くまでの営業となっているので、大人数の方や日付が変わる時間まで飲みたい方には、KIWA TAPROOMよりお勧めです。
また、このあたりはいずれ再開発されてしまう可能性も高そうな気がするので、このちょっとディープな雰囲気を味わえるのもそう長くはないのかもしれません。興味がある方はお早めに!
10年ぐらい前までは路地裏だったところに次々と高層ビルが建っています
◎EULJIRO BREWING所在地:서울특별시 중구 수표로 48-16(48-16, Supyo-ro, Jung-gu, Seoul)
*参考文献:「CRAFT BEER KOREA(KOREAN CRAFT BREWERY GUIDE BOOK 2020)」BEER POST PUBLISHING
*最近のレートを反映し、今回から100ウォンを約11円として換算しています
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。