ミシェル・モルトガット氏の活躍
ミシェル・モルトガット氏の活躍、1/19のコラムの続きです。
だいぶ間が空いてしまってすみません。
たとえばVedett。
(日本ではヴェデット・エクストラ・ホワイトでお馴染み)
もともとあったピルスナータイプの銘柄をリニューアルし、見事に軌道に乗せています。
ブリュッセルでも若者の集まる直営のヴェデット・カフェをいくつか見かけます。
また最近では素晴らしい銘柄や技術を持つものの、経営が困難になった醸造所を傘下に収めています。
しかし他ではよくあるようなグループ全体から俯瞰した銘柄の統廃合などは行わず、これまでの伝統的な製法、銘柄を維持する、というやり方は本当に評価に値することだと思います。
2006年には、ラ・シュフやマック・シュフで知られるワロン地方の小規模醸造所アシュッフ醸造所を買収。
アシュッフ醸造所は、ミシェル・モルトガット氏の義理の兄弟となるPierre Gobron氏とChris Bauweraerts氏が立ち上げた醸造所。
デュベル・モルトガット社の傘下に入ってからその販売金額は2倍以上になっています。
もともと750mlのボトルのみの出荷でしたが現在では330mlも瓶詰めされ、日本にも入ってきています。
2008年には、グーデンバンドなどブラウンビールで知られる東フランドル州のリーフマンス醸造所を買収。
1600年代から醸造を始めている由緒ある醸造所であり、多くの素晴らしい銘柄をもっていましたが2007年末に倒産。
私の会社でも直接取引きがありましたので大変ショックな出来事でしたが、デュベル・モルトガット社が引き継いでからまた日本への輸出も再開されています。
”リーフマンス・オン・ザ・ロック”など、これまでは考えられなかったような斬新な飲み方の提案も。
そして記憶に新しいところでは昨年8月に、経営難に陥っていたアントワープのデ・コーニンク醸造所を買収。
ここのところかつてのような味わいが失われていただけに、味わいの復活にも期待したいところです。
ミシェル・モルトガット氏はまだ43歳。
音楽や芸術への協力にも積極的で、数々のイベントにも協賛し若手の育成に力を注いでいるそうです。
これからもベルギービール業界はもちろん、経営者としてどんどん活躍していただきたいですね。
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