【秋の味覚の王者と愉しむ】スーパーブルームーンを記念した特別醸造のベルギービール ― ペデュー・ブルームーン2023を飲んでみた ― <後編>
本記事は、<前編>で解説した特別なベルギービール「Paix Dieu Blue Moon Août 2023, ペデュー・ブルムーン 2023年8月」とヨーロッパでは秋の味覚の王者として有名なセップ茸(ポルチーニ)とのペアリングをご紹介したいと思います。
フラジェ広場のマルシェで食料調達
11月下旬の某週末。筆者は特別なラベルのビール「ペデュー・ブルームーン」に合う食材を求め、ブリュッセル市郊外に位置するフラジェ広場で毎週末および祝日に開かれるマルシェ(朝市)へ向かいました。新鮮な肉や自家製のシャルキュトリーを販売する肉屋、北海で獲れた魚介類が並ぶ魚屋、さらにはチーズ専門店、モロッコ菓子屋などが連なる中、ひときわ賑わいを見せているのは、ベルギー、もしくは近隣諸国で獲れた新鮮な野菜やキノコが売られている八百屋です。ベルギーはヨーロッパ屈指の農業大国の一つとして数えられています。筆者がマルシェを訪れたのは秋の味覚が出揃う11月下旬ということもあり、八百屋ではマッシュルームやジロール茸、さらには椎茸 1. など様々な種類のきのこが量り売りされていました!
1. ベルギーやフランスでも一般的にShiitakeという名称が用いられています。
その中でもひときわ存在感と芳醇な香りを放っているのは、秋の味覚の王者として知られており、トリュフと並ぶ高級キノコとして人気のセップ茸(ポルチーニ)。ヨーロッパでは秋になると、プチ贅沢としてフレッシュなセップ茸を味わう文化があります。日本人にとっての松茸のような存在に近いかもしれません。今回は、そんなヨーロッパの人々にとって特別な秋の味覚であるセップ茸と「ペデュー・ブルームーン」とのペアリングを試してみることにしました。
セップ茸とペデュー・ブルームーンのペアリング
まずは、セップ茸を薄くスライスし、エクストラバージンオリーブオイルと少量の塩のみで味付けをしたシンプルなサラダと「ペデュー・ブルームーン」のペアリング。収穫されたばかりの新鮮なセップ茸は生食が可能です!生でしか味わえない自然な甘みと強い旨味に加え、セップ茸特有の芳醇な香りが口いっぱいに広がるシンプルながらも贅沢な一品です。このような上品な味わいを持つセップ茸は、黄桃、洋梨などの有核系果実とバタースコッチのような甘やかな香りと風味、さらに後味にはほんのりと苦さを残す「ペデュー・ブルームーン」との相性が抜群です!
次に、セップ茸を使った定番料理であるクリームパスタと「ペデュー・ブルームーン」とのペアリングを試してみました。今回のパスタは、平打ちの生フェットチーネを使用しています。レシピはなるべく素材本来の味を愉しむほか、一人暮らしの男子学生でも作れるよう出来る限りシンプルに。アルデンテに茹でたパスタに、弱火でじっくりと炒ったセップ茸のスライスと生クリーム、白ワイン代わりの「ペデュー・ブルームーン」、そしてパスタの茹で汁と塩のみで作るシンプルなソースを絡めます。セップ茸は非常に旨味が強い食材であるため、必要最低限の調味料でも十分に味が引き立ちます。また、生クリーム、オリーブオイル等の調味料は、なるべく良いものを使用するのもポイントです。最後に、皿に盛り付けたパスタに薄くスライスした生のセップ茸と粗挽きの黒胡椒、少量のエクストラバージンオリーブオイルを加えれば完成です!
セップ茸特有の芳醇な香りと強い旨味、さらには生クリームの濃厚なコク、そして濃い味わいを持ちながらもフレッシュさを醸し出すエクストラバージンオリーブオイルが調和したソースと、アルデンテに茹で上げた生フェットチーネがよく合います。このような濃厚に仕上げたソースとデュラム小麦の自然な甘味と香りがあるコシの強いパスタに、芳醇な香りと風味、さらには上品な甘味と濃い旨味に加え、ほんのりとした苦味を持つ「ペデュー・ブルームーン」は驚くほどマッチし、まさにマリアージュという言葉が相応しい最高のペアリングです!
おわりに
タイトルに「秋の味覚」と付けながらも、筆者都合により記事の公開時期が12月下旬となってしまいましたが(笑)、この時期の日本でも比較的手に入りやすい大きめの椎茸やホンシメジでも代用が可能です。また、食感は少し異なりますが、乾燥セップ茸を使っても芳醇な香りと、濃密な味わいを持つベルギービールとのペアリングを愉しむことができます。このように、旬の食材と濃厚で強い風味と味わいを持つベルギービールとのペアリングの可能性は無限大です!皆さんもお気に入りの一杯に合う旬の食材を使った家庭料理にチャレンジしてみては!?
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