[JBJA活動,イベント]2024.2.18

みんなの好きなラベルは何だ?!推しラベル投票プロジェクト開催!

今やスーパーやコンビニでも様々なビールが手に入るようになりましたが、
立ち止まってふと、「味さえ良ければ透明なボトルでも良いのか?」と考えてみると、ちょっと味気ない…
ということはビールの魅力はその多種多様な味わいだけでなくパッケージデザインにもあるのではないか。
デザインはそのブルワリーが世界観を伝える最初の入口でもあるはず。

そこでネット上で好きなビールデザインに投票できるアンケート企画を行い、どういったデザインがどのような理由で支持されているのかを探ってみました。

投票実施内容

【期間】12/10〜1/7
【実施場所】Instagram、X、自身のFacebook、ビアジャーナリスト内
【投票概要】対象は全世界のビールとし、一人最大5票まで投票可能
【総投票者数】45名と、匿名12票
【結果投票数】総投票数183、うち有効投票数181
【補足】投票欄の他、エピソードコメントが任意で付けられるように設定
ブルワー、デザイナー、ビール関係者からの投票も受け付けたが、全員5票まで投票可能とすることで不公平にならないよう配慮した

有り難いことに、総エントリーブルワリーは128社となりました。
全世界のビールを対象にしことで票がバラけて決まらないかと思いきや、
なんと意外にもきちんと1位が決まりました!
しかも2位も同じブルワリーの同率1位という結果に。

1位発表の前に個人的に気になったビールとコメントをピックアップしました。

個人的ピックアップ

【印象的部門】

・梅雨セゾン/Coedo Brewery×Stone Brewing×Garage Project

IBUbeerさん
「初めてアメリカで購入した日本のブリュワリーとアメリカのブリュワリーのコラボでしかもラベルが日本っぽい感じで印象に残っています。ビールも名前とラベルにマッチして和風のテイストで美味しかったです」

このビールは限定販売品ですが個人的に購入もしていて、非常に印象的だったので今でも強く覚えています。
ビッグネームコラボなだけでなくラベルの質感も和紙のようなざらつきを誂えたこだわりようで、
しかもスッキリしたセゾンと熟成の深い味わいが混在していてビールのレベルも高かったので、自分も投票しようか悩んだほどです。

・SKYWALKER IPA/YOROCCO BEER


FLOW OF THE TIMESさん
「花井祐介さんデザインのキャラクターが大好きなので」

初めて見かけたときに引き込まれる何かがあり忘れられないラベルだなと思っていました。
デザインは大きく分けるとカッコいいか、カワイイか、キレイなタイプで分けられると素人なりに考えていたところに、こういった脱力的なのに不思議と印象に残るデザインが見事に私の既成概念を崩してきました。
誰が見ても作者のタッチがわかる、というのも重要なポイントかも知れません。

【クラシック部門】

・Budweiser/Anheuser-Busch

矢野竜広さん
「バドワイザー好きだった父が部屋にステッカーを貼っていて、その「Budweiser」という英語の筆記体が子どもながらに格好よく見えた記憶があります。大人になったら必ずこのビールを飲もう!と思い、実際にぼくはバドワイザーからビールの世界に入りました。ぼくの原点です」

ロゴはいまいち書ける自信はないけれど、色合いはなんとなく誰もが覚えている―
ビアジャーナリストの先輩である矢野氏のチョイスには唸りました。
この企画を打ち出してからクラシックなデザインのビールをもう一度見直したのですが、潔いこの文字と配色は無駄なものを排した強さがあります。

・GUINNESS DRAUGHT/Guiness(St. James’s Gate Brewery)

バカしいたけさん
「シンプル・イズ・ベスト。黒背景に金色なので男子は全員好きです」

こちらも上記と同じく見直すきっかけになったコメントですが、実は皮肉が効いたメッセージも多いギネスのヴィンテージのグッズは鑑定業界では高値で取引されるほどの人気商品。
ラベルの象徴的なこのハープはアイルランド人にとってシンボル的存在な楽器。国章にも描かれていますが、ギネスとは逆向きにされた経緯があります。
アイルランド人にとってDNAに刻まれている楽器だからなのでしょうか。時代と国を超えて人々に訴えかけるクラシックなデザインです。

 

続いてここからは複数票獲得(事実上の2位)となったビールをご紹介します。

複数票獲得ビール

・森の座/In a daze Brewing


meganemania2さん
「ほんとに木のラベルが貼ってあります。赤杉の香りもキャラ立ってて最高!」
ひやくまさん
「紙木の信州経木Shikiをラベルに使っていて、同じ木目のないラベルにアカマツの良い香りがします!」(絵文字は「!」に変換させていただきました)

In a daze Brewingは長野県のブルワリー。
この企画を通して初めて知ったビールですが、木の皮が直接貼ってあるというのは自分も今まで聞いたことがありませんでした。
ビールの香りだけでなく、パッケージからの香りも併せて完結なのか、液体からのアロマとは別想定なのか等々気になりすぎて実際に見てみたい、すごいデザインです。

・週休6日/京都醸造


ポリ子@ブログ3年目×英語さん
「週2日を6日に消して書き直したデザインセンスが素晴らしい!」
ホップシンヨールさん
「京都醸造は他にもインパクトのある名のビールが多いけれど、その中でも一番のお気に入り。シンプルな書体と気分の上がる鮮やかな黄色、味わいも程よい苦味と柑橘の香りの広がりが、週休6日へポジティブに導いてくれるような、素敵なラベルだと思います。」

これは大人から見ると思わず共感してしまう単語ですね。笑
そのメッセージの潔さが好評でした。
京都醸造は立ち上げのメンバーがアメリカ、カナダ、イギリス出身と多国籍な人種から成るブルワリーですが、現在でも四文字熟語や漢字を駆使したネーミングで国内でも異彩を放っています。

・Bass Pale Ale/The Bass Brewery


もろはしさん
「ビールといえばのラベルですよね。世界最初の登録商標というのも素敵」
よーさん
「好きなラベルといえばこれ!忘れてました… シンプルなロゴがカッコいい!たまにHUBの店舗の看板とかで見かけるたび、飲みたいなあと思い出します。またいつ日本で流通するかとずっと待ちわびてます!」

ある意味最もこの企画向きなビールです。
世界で初めて商標登録された商品というこのシンプルな赤い三角形のシルエットは、模造品ではないかと指摘されるロゴが大量に生まれたことでも有名です。
イギリスのバートンオントレントという町を代表するビールであるペールエール。その元祖とも言うべき存在のビールです。
現在日本への輸入はなくなってしまっていますが、今でもこうした根強いファンが数多くいます。

・どさゆさ/Be Easy Brewing


ryoooooooooooo00さん
「風呂上がりの女の子の可愛いラベルです」
akkaaakooonさん
「初めてラベル担当させてもらったので!クラフトビールに飛び込みたいほど好きだとアピールしたイラストを描きました!」(絵文字は「!」に変換させていただきました)

ラベルを担当されたデザイナーさんからも票が入りました!
今ではポップなラベルのイメージが定着しているBe Easyですが、デザイナーとの歩みがブランディングにも関連してきますね。
活発そうな女の子のイラストで見ているこちらも楽しくなってきます!

・ROUGH EDGES/Three Weavers Brewing×Common Space Brewery

高橋晃は静かに暮らしたいさん
「Three Weaversは全体的に間違いないですが、こちらはCommon Spaceとのコラボ。C Dジャケット的なデザインが映える一本です。」
春日川さん
「現代アート味と厨二感を兼ね備えたパケ!もちろんお味も!」

大変無骨。こちらは日本での知名度は伴っておりませんがアメリカの強力なブルワリーコラボビール。
その割には硬派なデザインで逆にそこが心くすぐられるポイントになるかもしれませんね。

・Window to WCB/Vertere×West Coast Brewing

つかこさん
「おしゃれラベルと言えばバテレさん!思考が凝らされている対になるイラストに当時心が躍りました!」(絵文字は「!」に変換させていただきました)
イソガイ ヒトヒサさん
「バテレさんの窓をうまく使ったすばらしいラベルだと思いました。」

なんとビアジャーナリストでもあり様々なイラストを手掛けられているイソガイヒトヒサさんからも投票いただきました!
Vertereのラベルはいつも白地に写真がデザイン。そこにWest Coast Brewingのキャラクターたちが登場している、というコラボラベル。逆コラボも同じタッチなので楽しめます。
それぞれのデザイン性を保ちながら意外性もあるという…たしかに僕もこのラベルには「やられたな」と膝を打った記憶があります。
毎年のコラボビールとのことですので、次回作も楽しみですね。

・Crypto Beer #01/GRANDLINE BREWING

ライオンさん
「運営するビールコミュニティの公式キャラクターのEluがモチーフのラベル。角度によってキラキラする仕様になっておりワクワク感あり。絵柄はNFTでも展開されており、新たなビールの可能性に注目!」

他匿名

自ら取材にも伺ったGRANDLINE BREWINGのビールもランクイン。(取材記事はコチラ
記事のとおりラベルとDiscordへの取り組みもあり自分は早くから注目していたのですが、アンテナを張っている方から早くも熱い支持が寄せられているようです。
写真では伝わりづらいですが表面にホログラム加工がされており、キャラクターのサイバーな存在感も大変インパクトが。

 

お待たせしました。栄えある1位の発表です!

ラベル投票プロジェクト1位は…!

・Mejiro/Inkhorn Brewing

ビール姐さん さん
「ラベルだけで言ったら、インクホーンさんがすごく好き!かわいい&おしゃれ♡」
ケンネルさん
「鳥がかわいい」
ビールで乾杯さん(コメントなし)

・Hummingbird/Inkhorn Brewing×Vertere

_hiro_0330_さん
「めっちゃ好きなデザインです」
まりまりさん
「美しすぎてラベル見ながらうっとり!」
もろはしさん
「インクホーンいつもラベル可愛いですよね!ビールっぽくない見た目してるのにがっつりビールなの好きです!」(
絵文字は「!」に変換させていただきました)

3票ずつではありますが、なんと東京都目白のInkhorn Brewingが同率一位という結果になりました!
文句なしのトップ!
ラベルには鳥をあしらい、ソフトで女性的な印象を与えてくれますが、ビールの印象も非常に近く、繊細なテイストが多いブルワリー。
その世界観がマッチしているなと個人的にも確かに思っていました。
ラベルから入ってファンになっても、ビールから入ってファンになっても裏切られる印象がないことが人気の秘訣なのではないでしょうか。

後日Inkhorn Brewingへはご挨拶と感謝も兼ねて報告に伺おうと思います。

紹介しきれませんでしたが、他にも魅力的なラベルがたくさんありました。
ジャケ買いからビールを好きになるのも、きっと楽しい。
これもビールの魅力の一つです。
あなたが好きなラベルのビールはランクインしていましたか?

 

※一部文字列においてエラーが出るのを防ぐため文章にスペースを入れている箇所がございます。
ご了承ください。

2024/2/18 一部誤字の修正をいたしました

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

1 Dozen(わんだーす)

ビアジャーナリスト/ビアジャッジ/ミュージックコーディネーター

一本のビールとの出会いから人生が狂い、世界中のビールを飲み比べるようになる。
ビール嫌いを克服できた自分と同じように、
ビールが苦手な人をこの世界から救うために活動を決意。
麦とホップと酵母と音楽と狂気を武器に独自の視点で執筆することを誓う。

■JGBA参加ビアジャッジ、びあけん2級所持。ビールセミナー開催、ビールメーカー官能チェック案件経験あり
■調理師免許所持
■年間レビュー400銘柄以上継続
海外生活、旅行経験から国内クラフトビールだけでなく世界のビール事情にも知識あり
様々な音楽、世界の料理にも広く触れており、
過去には飲食店へのBGMプレイリスト提供やビールのペアリングイベントも実施
知識を活かしビールと音楽や料理をペアリングするシリーズをjbja公式X(旧twitter)などにて定期連載中

ストップ!20歳未満者の飲酒・飲酒運転。お酒は楽しく適量で。
妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。