韓国のビールEXPO「KOREA INTERNATIONAL BEER EXPO(KIBEX)」に行ってきました<前編>
日本初のビールに特化した最大規模のビールイベント「ビアEXPO 2025」が来年4月に幕張メッセで開催されることが、先日正式に発表されました。このイベントは、日本のクラフトビール誕生30周年を記念して企画された、これまでにない「企業展示」「ビアカンファレンス」「ビアフェス」を統合して行われる、日本初のクラフトビールに特化したイベントとなります。
どんなイベントになるのか、とても楽しみですね。
さて、日本に先がけて韓国では2019年からビアEXPOが開催されており、今年も第6回になるビアEXPOが4月11日から13日の3日間開催されました。
韓国のEXPOはどんな感じで開催されているのか…今回、実際に現地へ行ってみてきました。
2024 KOREA INTERNATIONAL BEER EXPO(KIBEX)概要
日時 2024年4月11日(木)~13日(土) 10:00~18:00(入場は1時間前まで)
*11日はBusiness Day(Only Buyer)、12・13日はBusiness Day+Public Dayとして開催(一般の方が参加できるのは12・13日のみ)
会場 ソウルCOEX Cホール
目次
会場のCOEX(코엑스・コエックス)とは
会場になったCOEX(Convention and Exhibition)は、高層ビルが立ち並ぶビジネス街で有名なソウルの江南(강남・Gangnam・カンナム)の東側にあります。1979年に当時アジア最大級の延べ面積約13万坪を誇る総合展示場として開館し、現在でも韓国国内3位の広さを誇ります。さまざまな国際展示や国際会議、文化・芸術・スポーツイベントなどが行われるほか、地下には巨大なショッピングモールがあり、図書館や水族館、高級ホテルも隣接しています。
地下鉄2号線・三成(삼성・Samseong・サムソン)駅、9号線・奉恩寺(봉은사・Bongeunsa・ポンウンサ)駅と直結しています。
大規模イベントが開かれるのが1階と3階。今回KIBEXが開催された3階のホールCは広さ10,348㎡。ちなみに、東京ビッグサイトの東展示棟の1~6展示室が一室約8,500㎡、幕張メッセの展示ホールの一室は6.750㎡です。
4月11日・KIBEX1日目(Business Day)
開催は3日間ですが、1日目はBusiness Dayとなっており、入れるのはVIPやバイヤーなどの入場PASSを持った人だけで一般の方は入れません。私は日本地ビール協会の山本祐輔理事長にVIP PASSを手配いただいて入場することができました。
会場全体
会場入口には会場配置図と参加企業名のボードがあります。特にパンフレットやチラシのような配布資料はありませんでした。KIBEXとDRINK SEOUL2024が同時開催されていて、ビールに関するKIBEXの部分の広さはほぼ半分でした。
ボードで数えてみると、韓国のクラフトビールメーカーの参加は20社あまり確認できました。大手のビールメーカーの参加はないようです。
ちなみに少し前の数字になりますが、2021年現在で韓国クラフトビールの全メーカー数は163社ということです。20社ほどの参加を多いとみるか少ないとみるかは難しいところですが、私は「知っている韓国のブルワリー(特にソウル以外の)があまりきていない」という印象を受けました。
入口を入ってすぐはスポンサーブースのようです。
奥へ歩いていくと、次はアメリカのビールを提供するコーナーがありました。50社ほどの名前が入口のボードにありましたが、個別のブースではなくここでまとめての提供となっていました。
さらに奥は、韓国の群山(군산・Gunsan・クンサン)市関連のスペースになっています。6月にビールイベントが行われるようです。
ちなみに群山市とは…
韓国の中西部にあり、港湾都市として発展しました。人口は約26万人。日本とも縁が深く、現在でも沿岸部には日本家屋や日本式寺院などの近代文化遺産が多く残っている街です。
これらの大きなスペースの並ぶ列を中心にして、奥に向かって右側が主に韓国のクラフトビールメーカー、左手が輸入ビールや設備関係、DRINK SEOUL2024に出店しているビール以外のアルコール類などの出店でした。
会場の一番奥には、飲食スペースやステージなどが並んでいます。メインステージでは、初日から最終日午前中にかけてKIBCON(KOREA INTERNATIONAL BEER CONFERENCE)が行われていました。
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韓国のクラフトビール
私はやはり、主に韓国のクラフトビールメーカーの出店を回りました。
きちんと韓国語で「無料試飲」と書いてあるブース、缶やプラカップ一杯の値段が明記してあるブース、どちらの表記も見当たらないブースといろいろありましたが、どこでも無料の試飲は可能でした…というか、試飲が当たり前でした。しかも気になったものは何種類もお願いできました。
ただ試飲させてくれるだけでなく、ほぼ韓国語、時々英語でしたが、ビールの説明も丁寧にしてくれるブースが多かったです。
各ブースで小さな試飲カップが用意されています。
私は試飲して気に入ったものを少し缶で買ったので会場内での支払いがありましたが、持ち帰りしたいと思わなければ無料の試飲だけでビールを十分堪能できます。
海外のビール
アメリカのビールの提供以外にも、輸入業者の出店などで海外ビールの取り扱いもありました。こちらも試飲がメインのように見えました。
おつまみ
クラフトビールのブースで取り扱っているのはあくまでもビールのみ。食べるものは別に食品会社などがブースを設けていました。しっかりと食べるものを売り物として提供するよりは、自社が取り扱っている軽めのおつまみや乾きものの試食を出しているところのほうがが多かったです。
一番韓国らしさを感じたのは下記の写真のブース。試食に出されている右側のものはポンテギ(번데기)です。
ポンテギとは、カイコの蛹を蒸して味付けしたおつまみです。屋台で紙コップに入れて売っているのは知っていましたが、こんな形での取り扱いは初めてみました。
ビール設備など
ビール関連設備やビールケグ、サーバーなどを扱うメーカーの出店も10社以上見かけました。
大がかりな設備を扱う会社は、韓国の会社ではなく中国系のようでした。興味本位でうろうろしていたら、やや強めの売り込みをかけられそうになりました。
DRINK SEOUL 2024
同じホールCで同時開催されていたのが、DRINK SEOUL 2024。ウイスキー、マッコリなどビール以外のアルコール類を中心に、こちらでもおつまみ類などの出店もありました。
KIBEXと同じような感じで試飲ができるようなので、ビール以外のお酒にも関心がある方にとっては、この同時開催はEXPOをさらに魅力的にしていると思います。
初日で、会場の様子や出店の内容などは大体把握できました。でも、やはり会場での一般の方々の様子も見たいと思い、2日後の最終日に私は再びKIBEXの会場に向かいました。
その様子や感じたことなどは、後編で書いていこうと思います。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。