ラベル収集ノススメ
BJA1期生の富江弘幸です。今回はビールのラベルについて書きたいと思います。
ビールの楽しいところはいろいろとありまして、その楽しみ方も人それぞれ。ビールはお酒ですので、もちろん飲んでおいしい、楽しい、と思うことが一番ですが、ちょっと視点を変えてラベルにも注目してみてはいかがでしょうか。
私はビールをボトルで飲んだ際には、ラベルをはがしてスクラップしています。何気なく飲んでいるビールのラベルをよく見てみると、意外な発見があったりして面白いのです。面白いデザインのビールを見つけると、そのときに飲みたいスタイルなどは関係なくジャケ買いしてしまいます。また、発見が一切なくてもスクラップしておくだけで、しばらく経ってから見直したときに、それを飲んだシチュエーションを思い出したりして楽しいものです。
今回は私がスクラップしてあるものの中から、気に入っているデザインのラベルをいくつかご紹介します。
ルーベンスの「アダムとイヴ」という絵をパロディ化したもの。ルーベンスの「アダムとイヴ」の絵では、イヴが禁断の果実を口に運ぶところが描かれていますが、このラベルでイヴが手に持っているのはビール。アダムもビールを持っています。乾杯。
なぜか鳥が乾杯しています。このビールを造っているドゥ・ドレ醸造所のラベルはどの銘柄もポップで楽しいものばかり。このアラビア(Arabier)も含め、Oerbier、Boskeun、Dulle Teve、Stille Nachtも魅力的なキャラクターが描かれていますが、なぜかStoutだけはシンプルな建物のイラストだったりします。
乾杯系をもうひとつ。このおじさん、釣りをしにきたようで後ろに釣竿を立てかけていますが、左側に見える釣り針には栓抜きがひっかかってます。もう魚を釣るのを諦めたのでしょうか。それでもビールがあれば幸せ、という顔をしています。乾杯。
ジャケ買いです。説明不要。ラベルだけでベルギービールを飲んでいる気になります。
もうひとつジャケ買いしたビール。この醸造所の近くにある養豚場の豚が、このビールと同じ酵母を食べていたことに由来するようです。
さらに動物系を。凶暴な犬が赤い顔をしてにらんでいますが、ビールの味は甘め。アルコール度数も5%とそれほどこわくありません。ボトルネックの部分には、首輪が描かれたラベルが巻かれています。
ヘアーオブザドッグブルワリーのアメリカンペールエールです。「Hair of the dog」とは「迎え酒」という意味ですが、この醸造所は迎え酒にはキツそうなハイアルコールのビールを多く造っています。この醸造所のウェブサイトには全部で10銘柄のラベルが紹介されており、うち3銘柄は犬が同じ帽子をかぶっていますが、それ以外はそれぞれ異なる帽子になっています。こういう顔のおじさん、いますよね。
見慣れたキリンさん。秋味は和のテイストのイラストなので、外国人にも受けそうな気がします。これは2012年のラベルですが、毎年変わっているので見比べるのも面白いです。
デ・モーレン醸造所のラベルはシンプル。ビールについていろいろ知りたい人にもありがたいラベルです。モルトやホップに何を使っているかという原料の情報や、7度で飲むのがおすすめ、といった情報が書いてあります。海外のビールは醸造所のウェブサイトにこういった情報が載っていることが多いですが、ラベルに書いてあると助かりますね。
伊達政宗のほかには片倉小十郎、支倉常長、仙台七夕祭り、と4種類。伊達政宗と片倉小十郎のイラストは兜の飾り、支倉常長は家紋が描かれています。では、仙台七夕祭りは…というと、伊達家の家紋でした。個人的には伊達成実も造ってほしかったな…と歴史好きは思うわけです。
最後はタモリカップビール。店で見かけて「これは!?」と思い、即購入。このビールは、タモリ氏が名誉会長を務めるヨットレース「タモリカップ」のバーベキューパーティーのために造ったビールだそうです。
いかがでしょうか。ブルワリーの方々は、いかにおいしいビールを造るかということに力を入れていますが、そのビールを手にとってもらうために、どんなデザインにしたらいいかということもいろいろと考えていると思います。ちょっと気にして見るだけで面白い発見があったりしますので、ラベルを見ながらビールを飲んでみるのも楽しいですよ。ラベルをスクラップしつつ、テイスティングコメントを書いておくのもいいでしょう。まずは今飲んでいるビールのラベル、はがしてみませんか?
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