ビールに愛された皆さまへ。

今日公開のJBJAChannelは、ボア・セレストでのベルギービール体験のご紹介の第二弾です。

 赤坂「ボア・セレスト」の魅力

ボア・セレスト　大川真幸氏

東京都赤坂にある「ボア・セレスト」は、ベルギービールの名門ビアバーとして知られています。ここでは、豊富なベルギービールを楽しめるだけでなく、ベルギーの伝統料理も提供され、ビールと料理の絶妙なペアリングを体験できます。今回の第二弾では、特に「フィレ・アメリカン」とサワーエールの組み合わせを楽しみました。

フィレ・アメリカンの歴史と誕生秘話

ボア・セレストで提供されたフィレ・アメリカン（馬肉のタルタルステーキ）酢漬けと塩漬けのケッパーで味変が楽しめる

フィレ・アメリカンはベルギー料理の代表的な一品で、フランス料理のタルタルステーキから派生したものです。1926年、ベルギーのジョセフ・ニールスが、フランスのタルタルステーキに飽き、独自にアレンジを加えて作り上げたのが始まりです。彼はフランス料理の調理スタイルに飽き、いつでも一定の品質で提供できるようなレシピを開発したいと考えました。そして完成したのが「フィレ・アメリカン」です。（オランダ発祥という説もあり）

フィレ・アメリカンのレシピには、生の赤身肉、塩、黒胡椒、ウスターソース、玉ねぎ、ケッパー、そしてトマトピューレを加えた「ソースアメリカン」が使われます。生卵とマヨネーズを混ぜ合わせたソースがまろやかな味わいを引き立て、フライドポテトが添えられることが一般的です。

フィレ・アメリカンとサワーエールのペアリング

今回、ボア・セレストでは、このフィレ・アメリカンに、ベルギーのシリー醸造所が手がけるサワーエールを合わせました。このビールは「シリーサワー」と呼ばれ、透明感のある濃い色合いの高発酵ビールで、複雑な酸味とフルーティーさが特徴です。シリー醸造所は1850年に設立され、現在に至るまで5世代にわたって家族経営が続いており、ベルギーの伝統的なビール醸造を守り続けています。

シリーサワーは13%の若いビールと87%の熟成ビールを混ぜて醸造され、その結果、深い酸味と豊かなフルーティーさが生まれます。フィレ・アメリカンのコクと旨みが、シリーサワーの爽やかな酸味によって絶妙に引き立ち、肉の風味がより一層際立ちます。

シリー醸造所の歴史とこだわり

シリー醸造所（Brasserie de Silly artisan brewing）は、ブリュッセル南東に位置するシリー村にあり、ワロン・ブラバント州とエノー州の境界に位置しています。マルセリン・イポリット・ミンブルゲンが 1850 年に自身の醸造所を設立し、その後も地元の季節労働者向けにビールを提供するなど、地域に根付いた醸造活動は、今では世界中に広がりを見せています。

1900 年までに、マルセリンの孫アデリンは、パリ万国博覧会で銀メダルを獲得していました。1947年までには、醸造が畑仕事よりも重要になっていました。当時、ブラッスリー・ド・シリーでは、グリゼット、セゾン・シリー、スコッチなど、上面発酵ビールのみを製造していました。1950年には、下面発酵ビールであるピルスナービールが導入され、醸造所のカフェで販売されました。

そして1975年にはアンギェン醸造所を買収し「ダブル・アンギェン」シリーズをラインナップに追加しました。さらに1990年にはフルーティーで軽やかな「ティチェ・ブランシェ」を発売し、これが好評を博しました。シリーサワーもその歴史的背景を持ち、現代でも愛され続けています。

現在では、伝統的なスタイルの銘柄をはじめ、印象的で可愛いラベルのピンク・キラー、グリーン・キラーIPAなどもラインナップされ、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

SILLY醸造所公式サイトより

ボア・セレストでの特別な時間

赤坂のボア・セレストは、ベルギービール愛好家にとって理想の場所です。今回はシリー醸造所のサワーエールと、ベルギー料理の代表的なフィレ・アメリカンのペアリングを通して、ベルギーの食文化とビール文化を体験しました。

丁寧に仕上げられたフィレ・アメリカンは、シリーサワーの酸味と相まって、一口ごとに深い味わいを感じさせてくれます。ベルギービールの豊かな味わいと、伝統的なベルギー料理の組み合わせが、贅沢なひとときを提供してくれる場所です。

ベルギー文化と歴史に彩られた料理とビールのマリアージュが楽しめるボア・セレストは、赤坂でぜひ訪れてみたい名店です。

Bois Céreste 〜ボアセレスト〜

東京都港区赤坂2丁目13-21

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