BLUE MOON!
アメリカはコロラドのブルームーン・ブリューイングカンパニーで醸造されているベルジャンスタイル・ウィート・エールが6月20日より販売開始となりました。年内は残念ながら首都圏のみの販売とのことですが、来年には全国展開もされるとのことです。輸入元のモルソン・クアーズ・ジャパン社によると概要は以下の通りです。
品目 発泡酒(麦芽使用率50%以上)
原産国 アメリカ
原材料 麦芽、ホップ、小麦、オーツ麦、コリアンダーシード、オレンジピール
賞味期限 製造より9ヶ月
アルコール分 5.5%
カロリー 46kcal /100ml
希望小売価格 ブルームーン(355ml) 340円(税抜)
ベルギーで醸造学を学ばれたというヘッドブルワーのキース・ヴィラさんが来日されたため、お披露目の会見場でいろいろとお話を伺ってきました。
なんでもベルギーではホワイトビールやトリプルタイプを好んで飲まれたのだとかで、一番好きなベルギービールはウェストマール・トリプルだと迷うことなく答えてくださいました。オルヴァル修道院やデ・ドレ醸造所のブルワーさんともお友達だとおっしゃるキースさん。お友達にブルームーンを試してもらったのかも聞いてみました。すると、「フレーバーがベルギーのものとは違うね、明るくて爽快感がある味だ」という評価をされたと、とても嬉しそうでした。なんだかこのキースさんの人柄もビールの味わいの一つなのではないかと思えてきました。そして、会見の中で何度となく使われていた「ナチュラルプロダクト」という言葉がキースさんのビールづくりのコンセプトとしてぶれない軸となっています。
そこで、これは試さねばなるまい、という訳で実際に飲んできました。会場内では「一般的な小麦を使ったビールよりあっさりしている」との声も聞かれました。ベルギーのホワイトビールも爽やかでオレンジピールのフレーバーがありますが、喉越しに独特の魅力でもある重厚感を感じます。ブルームーンはその重厚感を持たない飲みやすいビール、といった印象です。もちろん、ライトなだけ、とか水っぽいという意味ではありません。バレンシアオレンジやオーツ麦を使っているなど、細かな違いがスムースな飲み口を演出し、喉を通った後も心地よい余韻を残しています。また、熱処理をしているとはいえ、酵母が入っており最初にコロコロと静かに転がすようにという飲み方も新しく感じます。しかも、ガーネッシュとしてオレンジのスライスを添えることを強く推奨していましたが、それによって本来のブルームーンが持っているオレンジのアロマが増幅され、爽やかさがより強調される結果となっています。「ビールはアートだ」というキースさんの言葉通り、まさに口にすることのできる芸術作品といったところでしょうか。
今までにイギリスとアイルランドに輸出されていて、3ヶ国目に日本を選んだというキースさん。日本の自然と寄り添うような和食の文化とキースさんのナチュラルプロダクトという言葉に集約されているビール造りに対する想いはきっとベストマッチなペアリングの一つとして定番化してゆくことでしょう。
BJA2期生 川端ジェーン
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