ビアビギおけいこ 〜イ•ロ•ハ•ニびーるの楽しみかた〜 ホワイトビール編 その3
紛れもない夏本番、絶賛進行中!ビアビギのみなさま、どんな夏を楽しんでいらっしゃいますか?
今年もすでにあちこちのビアガーデンが盛り上がっているようです。中には女子ゴコロをわしづかみ?する “美しくなるビアガーデン”(at松屋銀座) なんていうのも登場しています。
ビールを飲んで、美しくなる…♪ すてきな響きです。
【ビアビギおけいこ 〜イ•ロ•ハ•ニびーるの楽しみかた〜 ホワイトビール編 その3】
ホワイトビールは、日本でもほとんどのクラフトビール醸造所で造られている人気ビールですが、その人気の火付け役になったのが、ベルギーの ヒューガルデンホワイト です。
今回はそのヒューガルデンをフィーチャーしてご紹介いたします。
<ヒューガルデンの歴史>
ベルギーのフラームス•ブラバント州のヒューガルデン村で造られているヒューガルデン。醸造所のあるルーベンヒューガルデン地方は、14世紀からホワイトビールをたくさん造っていました。が、1950年代にピルスナーの人気に押され、1955年には最後の醸造所も閉鎖となってしまいました。が、当時最後に閉鎖された醸造所の隣に住んでいて、牛乳店を営んでいたピエール•セリス(Pierre Celis)がレモネード工場を買い取り、1965年にホワイトビール醸造を復活させたことがきっかけで、改めてその新鮮な美味しさがブームとなり、ベルギーはもとより世界中にその美味しさが広がりました。そう、ピエールがいなければ、この美味しいホワイトビールは飲めなかったかも?なのです。ありがとうございます、ピエール!
<おすすめホワイトビールの紹介②>
■ヒューガルデンホワイト Hoegaarden White : ベルジャンスタイルホワイト
ホワイトビールの代表といえるヒューガルデンホワイト。ビアビギのみなさまもこのビールを飲んだ率は50 %を超えているのではないでしょうか?近所のスーパーのお酒売り場や、居酒屋さんなどでも飲めるところも増えてきました。ボトルで販売されているのをよく見かけますが、缶のタイプにもたまに出会うことがあります。
ヒューガルデンホワイトのボトルは、ほかとちょっと違うところがあります。そう、ネックがすこし膨らんでいるのです。
そこに技あり! ホワイトビールは酵母が残っているタイプが多く、このヒューガルデンホワイトも瓶の底にたまっています。まずグラスに注ぐとき、そーっとゆっくり半分ぐらい注いでみてください。すると、酵母の檻がふくらんだネックにたまるので、すっきりとした味わいを楽しむことができます。次に、瓶をまわして酵母をまぜながら残りのビールをグラスに注いでみてください。すると、今度は酵母のふくよかな味わいを楽しむことができるのです。同じビールを2つの味わいで楽しめるのは、なんだかとってもお得ですね。こんな猛暑の中でも、コリアンダー、オレンジピールがきいた爽やかな味わいを一口飲めば、気分は軽井沢の高原にいるようなここちよさ。定番の美味しさです。アルコール度数4.9% 飲み頃温度 3〜5℃
ちなみに、ヒューガルデンホワイトの専用グラス。分厚くて質実剛健なイメージもありますが、ホワイトビールの泡立ちやすさをちゃんと生かしつつ、美味しい飲み頃を手の温度で邪魔しないというメリットが形になったものなのです。ちなみにその温度をより長く保つために、グラスを事前に冷やしたり、グラスを持つときにカットの角を持つことでビールの温度をあげずに飲めるという技も。
…ここでブレイク。
ホワイトビールのスタイルとは違いますが、おまけとしてヒューガルデンホワイトの兄弟ビールを紹介しましょう。
■ヒューガルデン グランクリュ Hoegaarden gran cru : ベルジャン•ペール•ストロングエール
gran cru(グランクリュ)はワインでは畑の階級を示し、特級畑を意味します。つまりは高品質であるという意味が込められた名前です。私が飲んだ印象は、ホワイトを熟成したような、少女が素敵な大人になったようなイメージ。上質な白ワインを味わうように、ゆっくりと楽しむのがおすすめです。
アルコール度数8.5% 飲み頃温度 6〜10℃
■ヒューガルデン 禁断の果実 Hoegaarden FORBIDDEN FRUIT: ベルジャン•ペール•ストロングエール
ルーベンスの絵画「アダムとイブ」を下絵にしたデザインがラベルに描かれています。アダムとイブが禁断の果実に手をのばしたように魅惑あふれるこのビールは、予想外に男らしい印象とホップの苦みがあり、すぐに濃厚な甘酸っぱさが広がり、そしてリンゴ蜜のような甘さが口に残ります。こんな猛暑にはオンザロックで飲むのがベストチョイスかも。
アルコール度数8.5% 飲み頃温度 4〜7℃
同じブランドでありながら、それぞれに個性あるビールたち。私の勝手なイメージは、ヒューガルデンホワイトは、永遠の少女原田知世。ヒューガルデングランクリュは、鈴木京香、そしてヒューガルデン禁断の果実は、男装の檀蜜さん、かしら?
こんなビールを飲んでいたら、きっと私も “美しく” なれる、かも?
【ビアビギInterview 〜だれもが最初は初心者だった!〜 vol.3】
今回のゲストは、あの日の丸エールを醸造する株式会社クラフトリカーズの代表取締役 吉田 茂さんです。
Q1. 初めてビールを飲んだときの感想とエピソードを教えてください。
親・親族を始め、大の大人達が、美味しそうに飲んでいるのを見ていて、美味しいものだと思ったら、苦くて青ざめた。
Q2. 初めて“美味しい!”と思ったビールはなんですか?
「K社のラガービール」、大人になれた気がした。
Q3. ビールビギナーにお勧めするビールはなんですか?
ペール・ビターなどの、エール系ビールの王道
日本の地ビールを支援する会では、ビール初心者の方々を対象にした『クラフトビアミーティング』(講師:野田幾子)も主催され、様々な形でビール文化を広げる活動をされている吉田茂さん。ご紹介いただいたエール系のビールは、炭酸がきつくなくて、まるで麦茶のような味わいに近い?ビール。ビアビギのみなさまもぜひトライしてみてはいかがですか?
吉田 茂
ヤッホーブルーイングにてリアルエールのセールスマネジャーを経て、現在株式会社クラフトリカーズ代表取締役。またNPO法人 日本の地ビールを支援する会の理事でもある。「クラフトリカーズの提供する商品を通じて、ファンの皆様に幸せを提供すること」をコンセプトに、まずは世界に通用するフラッグシップビール“日の丸エール”を醸造し、さらに“日の丸エールBest Bitter”、そして“日の丸ラガー”を発表している。
株式会社クラフトリカーズ http://www.craftliquors.jp
NPO法人 日本の地ビールを支援する会 http://hwm5.spaaqs.ne.jp/beercp/
最後までご覧頂きありがとうございました!
次回は、『ビアビギおけいこ 〜イ•ロ•ハ•ニびーるの楽しみかた〜 ホワイトビール編 その4 おすすめホワイトビールの紹介③』です。またまたおいしいセレクト、ご紹介します。ビアビギInterview 、次回のゲストもお楽しみに!
ビアジャーナリスト二期生 宮原佐研子
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。