ビールと食べ物と空間のペアリング
美味しいビールは、ただそのビールを飲むだけで旨い。しかし、ビールとそれに合う料理を探し出し、ペアリング(マリアージュ)する楽しみはさらに素晴らしい。私はこのサイトのコラムやその他の媒体で、この「ビア・ペアリング」の重要性を唱えてきた。
そしてさらに”空間とのペアリング”ということにも気づかされた。それは、2011年2月17日に「自由学園明日館(みょうにちかん)」でおこなわれたコエドビールのイベントを体験したからだ。
重要文化財「自由学園明日館」は大正10年(1921年)に羽仁吉一・もと子夫妻によって設立された自由学園の校舎である。アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトとその弟子遠藤新によって設計された。
ビールと食べ物が供されたホール。高い天井が心地よい空間を演出。
重厚な木材と大谷石、幾何学的な窓枠や家具などに包まれたホールや食堂には温かい暖炉の炎が揺らいでいる。ここが池袋駅から徒歩5分足らずの場所であることが信じられない豊かでのどかな空間だ。
このような贅沢な空間でいただいた5種類のコエドビールとケイタリングユニットCUEL(キュール)の料理は素晴らしかった。料理はビールを使って煮込まれたポトフや生地にビールを練り込んだシホンケーキ、ビールマスタードを添えたハムなど工夫がなされていて素晴らしいペアリングだった。
「ビールを飲む」から「食事と合わせてビールを楽しむ」へ。そして「いつ」「どこで」「誰と」といった要素を織り交ぜながらビールを選んでいくステップに進んでいきたと思う。幸せは2乗3乗4乗5乗…と広がっていく。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。