[イベント]2013.7.25

海外のビールにかなわないと思うことは?――「日本のクラフトビールは世界で通用するのか?」レポート

2013年7月17日に外国人記者クラブで開催されたイベント「日本のクラフトビールは世界で通用するのか?」で、コエドビールと常陸野ネストビールのトップに質問する機会をいただきました。対談の様子などは他の記事を参照していただき、ここでは私の質問と回答及びそこから派生した話についてレポートします。

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左から、藤原ヒロユキ氏、木内敏之氏、朝霧重治氏

左から、藤原ヒロユキ氏、木内敏之氏、朝霧重治氏

――日本はコピーする力がすごい、というお話がありました。なので、日本のクラフトビールのクオリティは高いのではないかと想像しますが、それでも海外のビールにはかなわないと思うことはありましたか。

木内:中国でメルセデス・ベンツのコピーが売られていますが、買いますか? 買うんだったら、日本のコピーは売れます。

朝霧:我々がどこまでいってもキャッチアップできないのはビールの文化ですね。エジプト・メソポタミアで発展した、麦を保存するための技術としてのビールは、ヨーロッパでビール文化として花開きました。史実として、日本ではビールは生まれなかった。それにはジェラシーを感じます。でも、ビールは世界的に愛されていて、その素晴らしい文化に出合えてよかったと思っています。

藤原:寺山修司が「書を捨てよ」と言いましたが、絵で例えると、最初は模写が大切。それが進むと自分自身の絵を描く必要があって、(日本のビールは)その時期なのではないかと。スタイルガイドラインは大切だけれど、それがすべてではない。そろそろ「書を捨てよ」という時期だという気がします。

木内:日本のクラフトが伸びていると言われますが、どこで伸びているのでしょうか。僕はアメリカで1999年から商売をしているので、その劇的な変化を見ています。いま、日本のクラフトビアバーができていますが、(アメリカでも)すごかったのです。

ただ、今はそこがメジャーではなく、一般のレストランがどんどんメジャーになっているんです。そうなると、クラフトビアバーが追うものは何かというと、いかに珍しいものを扱うか。地方の小さいブルワリーに行って、あれを出せ、これを出せと言って買ってくる。それが日本のクラフトビールのブームになりつつあるのです。

アメリカではそれが十年くらい前に起こっていて、それを卒業した人たちが、本当においしいものを一般のレストランで飲むんですよ。フレンチと合わせて、和食と合わせて、と。日本がそこまでくれば、日本のクオリティも素晴らしい、ということになると思います。

一般のレストランで飲めるビールを造れるかどうか。ビアパブで飲むビールはもう卒業しましょう、というのが本音ですね。

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上記の記事を簡単にレイアウトしたものはこちら↓
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BJA1期生 富江弘幸

 

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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビールライター

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学、英字新聞社ジャパンタイムズ勤務を経てビールライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。

【著書】
教養としてのビール(サイエンス・アイ新書、SBクリエイティブ)
BEER CALENDAR(ワイン王国)

【執筆・監修】
和樂web(小学館)
Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)
東京人(都市出版)
ビール王国(ワイン王国)
ビール大全(楽工社)
るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
あなたのしらない、おいしいビール(cakes)
他多数。

【出演】
金曜たまむすび(TBSラジオ)
ちきゅうラジオ(NHKラジオ第1)
すっぴん!(NHKラジオ第1)
浜美枝のいつかあなたと(文化放送)

Twitter:hiroyukitomie
Website: 地域とビール
Weblog: 地域とビールとブログと

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