海外のビールにかなわないと思うことは?――「日本のクラフトビールは世界で通用するのか?」レポート
2013年7月17日に外国人記者クラブで開催されたイベント「日本のクラフトビールは世界で通用するのか?」で、コエドビールと常陸野ネストビールのトップに質問する機会をいただきました。対談の様子などは他の記事を参照していただき、ここでは私の質問と回答及びそこから派生した話についてレポートします。
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――日本はコピーする力がすごい、というお話がありました。なので、日本のクラフトビールのクオリティは高いのではないかと想像しますが、それでも海外のビールにはかなわないと思うことはありましたか。
木内:中国でメルセデス・ベンツのコピーが売られていますが、買いますか? 買うんだったら、日本のコピーは売れます。
朝霧:我々がどこまでいってもキャッチアップできないのはビールの文化ですね。エジプト・メソポタミアで発展した、麦を保存するための技術としてのビールは、ヨーロッパでビール文化として花開きました。史実として、日本ではビールは生まれなかった。それにはジェラシーを感じます。でも、ビールは世界的に愛されていて、その素晴らしい文化に出合えてよかったと思っています。
藤原:寺山修司が「書を捨てよ」と言いましたが、絵で例えると、最初は模写が大切。それが進むと自分自身の絵を描く必要があって、(日本のビールは)その時期なのではないかと。スタイルガイドラインは大切だけれど、それがすべてではない。そろそろ「書を捨てよ」という時期だという気がします。
木内:日本のクラフトが伸びていると言われますが、どこで伸びているのでしょうか。僕はアメリカで1999年から商売をしているので、その劇的な変化を見ています。いま、日本のクラフトビアバーができていますが、(アメリカでも)すごかったのです。
ただ、今はそこがメジャーではなく、一般のレストランがどんどんメジャーになっているんです。そうなると、クラフトビアバーが追うものは何かというと、いかに珍しいものを扱うか。地方の小さいブルワリーに行って、あれを出せ、これを出せと言って買ってくる。それが日本のクラフトビールのブームになりつつあるのです。
アメリカではそれが十年くらい前に起こっていて、それを卒業した人たちが、本当においしいものを一般のレストランで飲むんですよ。フレンチと合わせて、和食と合わせて、と。日本がそこまでくれば、日本のクオリティも素晴らしい、ということになると思います。
一般のレストランで飲めるビールを造れるかどうか。ビアパブで飲むビールはもう卒業しましょう、というのが本音ですね。
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BJA1期生 富江弘幸
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