「スペルト小麦って何?」なイタリアビール「ラ・ペトロニョーラ クラシカ」―ビアレポート(38)
ジャケ買いが止まらない私です。
ジャケ買いのいいところは、好みのスタイルばかりを手に取らないというところでしょうか。いろんなビールを飲んでみたいけど、ボトルを詳しく見てしまうとスタイルがわかってしまうので、「お、このラベル面白い」と思った時点で手にとってレジに並ぶのです。あまり好みでないと思っていたスタイルでも、銘柄を変えて飲んだら実は好きだったってこともありますからね。
ここのところアメリカのビールが続いていたので、今回はイタリアのビール。ラ・ペトロニョーラという醸造所の「クラシカ(Classica)」です。
ジャケ買いのポイントは顔。顔芸がツボにハマれば即買います。今回もハマりました。ちょっとサイズが小さいのではっきりした表情はわからないのですが、なんだかとぼけた顔です。しかも、よくわからない花のようなものを持って。こういう顔、たまらんです。
さて、肝心なビールの味ですが、リンゴのようなアロマで、かすかにシャンパンを思わせるような味わいも。アルコール度数は5.5%なのですが、思ったよりアルコールを感じます。
しかし、ラベルにも詳しいことは書いておらず、スタイルさえもわからない状態。とにかくウェブサイトを当たってみようとラ・ペトロニョーラのウェブサイトを見てみました。
が、各銘柄についてあまり詳しく書いていません。しかも「クラシカ」に至っては、掲載されてもいない状態。日本語で検索すれば、ラ・ペトロニョーラについて書いているサイトはいくつか見つかるのですが、一次資料に載っていないことにはここで書けません。
仕方ないので、ボトル裏面のラベルのイタリア語を解読してみることにしました。なお、私はまったくイタリア語がわかりません。
Ingredienti: acqua, malto, d’orzo, farro, luppolo, lievito. Rifermentata in bottiglia non pastorizzata non filtrata. Il deposito che si trova in fondo è lievito naturale come tradizione delle birre nordiche rifermentate in bottiglia.
最初の文は材料について書いてあります。( )内はGoogle翻訳で出てきた日本語です。
Ingredienti(材料)
acqua(水)
malto(麦芽)
d’orzo(大麦)
farro(大麦)
luppolo(ホップ)
lievito(酵母)
さて、ここで気になるのが、d’orzo(大麦)とfarro(大麦)。この違いは何でしょうか。d’orzoはオルゾというものらしく一般的な大麦のようですが、farroはファッロといいスペルト小麦と呼ばれているものです。
Google翻訳では大麦と出てきましたが…。機械翻訳を鵜呑みにしてはいけないのは、こういったことがあるからですね。気をつけましょう。
スペルト小麦は、パンなどに使用される小麦の原種で古代小麦ともいわれるものだそうです。品種改良がほとんど行われていなかったり、小麦アレルギーが発症しにくかったり、殻が硬い上に小麦粉となるのは実の3分の1しかなかったり、という特徴があります。
スペルト小麦についての解説はこれくらいにしておきますが、このラ・ペトロニョーラのビールはBirra al farro(スペルト小麦ビール)ということで、「AMBRATA(アンバー)」「NERA(黒)」「BIANCA(白)」といったシリーズがあります。「100% FARRO」といったビールまで。
なお、2文目以降は、「無濾過で瓶内二次発酵ですよ」といったことが書かれているようです。
と、こうやって調べていくと、なかなか面白そうな醸造所ですね。ラベルに書いてあるイタリア語「birra artigianale」も調べてみたのですが、これはクラフトビールのこと。やはりイタリアでもクラフトビール人気が出てきているのでしょうね。
結局、今回飲んだビールが何なのかはわからずじまいでしたが。ま、ジャケ買いすると、こうやっていろいろ知ることができるということで…。
【BEER DATA】
ラ・ペトロニョーラ クラシカ
生産地:イタリア
醸造所:ラ・ペトロニョーラ
スタイル:不明
アルコール度数:5.5%
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。