[テイスティング]2014.2.5

英でも米でもない新な「ホップワイアードIPA」―ビアレポート(68)

いろいろ探しだすのが好きな私です。

言い方は悪いですが、文字の間違いなどのあら探しをついついしてしまいます。仕事柄それは必要なことなのですが、気にしなくていいところまで気にしてしまうのです。

一方で、気にして探しだそうと思っている時に限って、探し出せないということもよくあります。例えば、ビールの香りや味。メインのほかに、さまざまな香りや味が隠れていることがありますが、それらを必死になって探しだそうとすると、ますますわからなくなってきたり。

さて、今回はニュージーランドの8 Wiredという醸造所の「ホップワイアードIPA」です。

Hopwired

Hopwired

名前からしてホップをたくさん使っているんだろうなと思い、ついつい買ってしまいました。ホップはサザンクロス、モトゥエカ、ネルソンソーヴィンの3種で、すべてニュージーランド産。グラスに注ぐと、シトラス系の香りにハチミツやブドウのような香りも感じられます。

ここで「おっ」と思いました。いつもよりも隠れた香りを探し出せているような感じが…。8 Wiredのウェブサイトを見てみると、パッションフルーツ、ライム、オレンジ、ブドウ(ソーヴィニヨン・ブラン)…といったことが書かれており、今日の嗅覚の調子は悪くないな、と。

フレーバーは、上記の他に桃のような香りも。苦味もしっかり感じられるのですが、モルトの甘味もあり、IBU70というほどキツさは感じません。アメリカンIPAともイングリッシュIPAとも違う(どちらかといえばアメリカンに近いと思いますが)、ニュージーランドホップをたっぷり楽しめるIPAなのではないかと。

ちなみに、8 Wiredという名前の由来は、ニュージーランドのワイヤーカタログに載っていた8番(No. 8)ワイヤーから付けられているそうです。8番ワイヤーは、食器棚から車の修理までいろいろな用途に使える万能ワイヤーで、工夫次第でいろいろなことができることがこの醸造所と同じ、ということ。醸造所のリソースが限られている中で、創意工夫によってビールを造り出す、という意図が込められています。

といったことが、ウェブサイトに書いてあるのですが、こういう文章を読んでいると8 Wiredの他のビールも飲んでみたくなりますね。ホップをフレッシュなウェットホップに変えた「フレッシュホップワイアード」なんてビールもあるようで(「ホップワイアードIPA」とは異なるホップを使っています)、輸入されているかどうかはわかりませんが、見つけたらぜひ飲んでみたいものです。

【BEER DATA】
ホップワイアードIPA
生産地:ニュージーランド
醸造所:8 Wired
スタイル:IPA
アルコール度数:7.3%

IPAニュージーランド

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビールライター

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学、英字新聞社ジャパンタイムズ勤務を経てビールライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。

【著書】
教養としてのビール(サイエンス・アイ新書、SBクリエイティブ)
BEER CALENDAR(ワイン王国)

【執筆・監修】
和樂web(小学館)
Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)
東京人(都市出版)
ビール王国(ワイン王国)
ビール大全(楽工社)
るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
あなたのしらない、おいしいビール(cakes)
他多数。

【出演】
金曜たまむすび(TBSラジオ)
ちきゅうラジオ(NHKラジオ第1)
すっぴん!(NHKラジオ第1)
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Twitter:hiroyukitomie
Website: 地域とビール
Weblog: 地域とビールとブログと

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