トラピストについてエンゲルスツェル「ベノー」を飲みながら―ビアレポート(86)
わからないことをそのままにしがちな私です。
今回はオーストリアのトラピストビール、エンゲルスツェルの「ベノー」をご紹介。
エンゲルスツェルについては先日レポートがありました。どんな醸造所なのか、どんなビールなのかは、下記の記事をご確認ください。
8番目のトラピストビール、オーストリアの「エンゲルッツェル修道院ビール」が日本でも飲めるように
ということで、ここではトラピストビールとはどんなものなのかを解説してみよう、と思いましたが、実はそれについても2010年にレポートがありました。
困りました。書こうと思ったことはあらかた書かれてしまっているという…。ということで、何か新たな情報でも入手できないかと国際トラピスト会修道士協会(International TRAPPIST Association)のウェブサイトを見てみました。
これまで自分としては「トラピスト」について、なんとなくわかったような気がしていました。わかったような気になっていただけで、実際はしっかり理解していなかったのですが…。いい機会なので、トラピストについて簡単に整理してみたいと思います(トラピストビールとはなんぞや、ということについては上記リンクをご参照ください)。
下記は、すべて国際トラピスト会修道士協会のウェブサイトの情報(2014年4月9日現在)によるものです。
国際トラピスト会修道士協会に加盟している修道院は、全部で18あります。ベルギーが11(うちトラピスチヌ修道院が5)、オランダが3、ドイツ・オーストリア・フランス・アメリカが各1。
それらの修道院が造っているもののうち、「Authentic Trappist Product」として認証されている生産物があります。そのひとつがビール。中にはチーズやパンなどもあり、認証されているものは下記の通りです。
Achel: ビール
Orval: ビール、チーズ
Chimay: ビール、チーズ
Rochefort: ビール
Westmalle: ビール、チーズ
Westvleteren: ビール
Koningshoeven: ビール、パン、ビスケット、チョコレート、ジャム
Echt-Tegelen: 酒
Stift Engelszell: 酒、ビール
Mont des Cats: チーズ
Zundert: ビール
Spencer: ビール
ということで、今回はエンゲルスツェルの「ベノー」を飲んだのですが、味について書いておきましょう。ベルジャンらしい酵母の印象があり、ミディアムボディで比較的飲みやすいビールです。甘味の中にハチミツや熟したブドウのようなフレーバーも見え隠れしますが、主張しすぎることなくふんわりとしています。日本で飲めるトラピストビールの中では、「優しい」部類の味わいなのではないでしょうか。
こうやって調べてみると、どんどんトラピストについても興味が湧いてくるものです。また新しい情報が入ればレポートしたいと思います。
【BEER DATA】
ベノー
生産地:オーストリア
醸造所:エンゲルスツェル
スタイル:トラピスト
アルコール度数:6.9%
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。