レゲエフェス用レッドエール―ビアレポート(114)
ややMなのかもしれない私です。
音楽に疎いと何度も書いておきながら、前回に続いてまた音楽関係の話になりそうです。
今回ご紹介するのは、アメリカのマッドリバー「ジャマイカレッドエール」。
マッドリバーは、カリフォルニア州で1989年に創業した醸造所。アメリカなのになぜジャマイカ? と思うかもしれませんが、「ジャマイカレッドエール」はもともとレゲエ・フェスティバル用に造ったビールだそうです。レゲエと言えばジャマイカで生まれた音楽(当たり前のように書いていますが、実は初めて知りました)。で、この名前になったと思われます。
ではレゲエとは、と書きたいところですが、やはり疎い分野なのでやめておきましょう。ということで、ラベルの色について簡単に書いてみます。
ラベルの色、赤・黄・緑・黒は、ラスタ・カラーと言い、レゲエ関連でもよく使われる色の組み合わせ。ラスタとは「ラスタファリ運動」のことで、ジャマイカで起こった労働者階級の運動です。そのシンボルカラーとして使われたものですが、この色の起源はエチオピア。
1930年にエチオピア皇帝として即位したハイレ・セラシエ1世は、奴隷としてアフリカからジャマイカなどに連れて行かれた黒人の救世主として崇められ、黒人によるアフリカ回帰主義のシンボル的存在でした。そのエチオピアの国旗にも使われている色の組み合わせが、このラスタ・カラーです。
ちなみに、ハイレ・セラシエ1世の即位前の名前はラス・タファリ・マコンネンと言い、そこから「ラスタファリ運動」と名付けられたそうです。
レゲエは抵抗や反抗をテーマとすることがあり(当たり前のように書いていますが、実は初めて知りました)、それがラスタファリ運動とつながり、ラスタ・カラーが使われるようになったのかもしれません(ここは筆者の想像です)。
さて、この「ジャマイカレッドエール」ですが、レッドとはいえかなり暗い赤の液色。カラメルアロマが漂い、口に含むとすぐホップの適度な苦味が現れます。モルトの甘味の中に、巨峰のようなフレーバー。苦味は飲み終わった後もしばらく持続。
抵抗や反抗がテーマのレゲエですが、マッドリバーはリサイクルの資材を使用したり、ゴミ減量に取り組んでいるエコなブルワリー。なんだかイメージが違いますが、ナイスです。
【BEER DATA】
ジャマイカレッドエール
生産地:アメリカ
醸造所:マッドリバー
スタイル:レッドエール
アルコール度数:6.5%
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。