Tasting report No.15 Old Tom
年老いた黒猫のラベルが可愛らしい、
【Old Tom】
実はリキュールのジンにも同じ名前の製品が存在します。
「Old Tom gin」。
こちらも黒猫が描かれています。
「Old Tom gin」の由来は諸説あり。
一つ目。18世紀にロンドンのとあるジンの販売店が、甘いジン(オールド・トム・ジン)がでてくる猫型の販売機を設置。そのオス猫の名前がトムキャットと言ったことから。
二つ目。 ビクトリア王朝時代、英国政府がジンの製造を規制。その結果、至るところで密造や密売が開始され、密売の目印として「黒い年老いた猫」の看板が店先に掲げられたことから。
英国では雄猫を総称してトム・キャットと呼び、
「年老いた雄猫=オールド・トム」という名前になったとされています。
このビールも、それをもじっているのか。
確かに、ジンに負けないくらいパワフルです。
注いでみます。
酸味のある、長期熟成したフルーツのような香り。
ラムレーズン、ウィスキーボンボン。洋酒に近いです。
梨のような香り高いエステル、フーゼルアルコール香も探ることができます。
幾重にも絡まり複雑なアロマ。
頂きます。
モルトの波が口中をじわじわと浸食、
アルコールテイストはリキュールのそれに似ています。
後に続く低レベルの酸味とスパイシーさがテトラポットの役割を。
重い麦芽風味を受け止め、飲みやすく柔らかい波に変化させます。
アフターは焦げたようなビターが支配的です。
コーヒー、カカオ、シナモン。
加えて、今回はオムレツとペアリング。
卵のクリーミーさとマスタードの酸味が
パンチ力を抑え、更なる旨味を引き出します。
まさに至福の一時。
公にお酒が買える時代に感謝です。
余談…
ふとテーブルにおいてあったスイカ。試しにペアリングしてみました。
そうしましたら…瑞々しさ、高い糖度と少しの酸味が
Old Tomとの相性バッチリ!!
どこに出会いがあるか分かりませんね。
こちらも、お試し下さいませ。
-Beer profile-
England
Robinsons Brewery
Old Tom
Strong Ale
ABV 8.5%
麦芽、ホップ、糖質
【Back Number】
Tasting report No.14 サッポロ ホワイトベルグ
https://www.jbja.jp/archives/10375
お読み頂いた皆様に感謝を込めて。
佐藤翔平
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。