Tasting report No. 21 Luksus One
ニューヨーク・グリーンポイントにある「Luksus(ルクサス)」。
2013年3月にオープンしたクラフトビール専門バー「TØRST」店内の一角にあり、テイスティングメニュー(9品75ドル)だけを提供しているお店です。
世界一に輝いたレストラン「noma」で3年間パティシェを務めたDaniel氏が腕を振るい、昨年には史上初、ワインなどの飲料なし、クラフトビールの提供だけでミシュランを獲得し話題となりました。
そちらのために特別醸造されたのが、この【Luksus One】。
醸造するはEVILTWIN BREWINGのJeppe(イェッペ)氏。かのMikkellerブランドを展開するMikkel(ミッケル)氏とは双子の兄弟で、共に世界を代表する醸造家です。
スタイルはなんと珍しい「ベルリナー・ヴァイセ」。本場ドイツではラズベリーやクルマバソウのシロップで割って飲まれていますが、こちらはビーツとリコリスを用いて醸造。原材料までユニークです。
ちなみに、ビーツはロシア料理「ボルシチ」には欠かせない、赤くて比較的甘いお野菜です。
なんかもう、いろいろと盛りだくさんですね。
何はともあれ、飲んでみます。
ブラッドオレンジのような、赤みがかった黄色。泡立ち、持ちともに良好です。
非常に酸味のある香りですが、梅酒のそれに近く爽やか。チェリーのような甘い果物のアロマも奥に息づいています。
頂きます。
んん!飲み始めからフィニッシュまで酸っぱい!!後半には渋味もじゅわじゅわ口内を刺激。若い果実を丸かじりしているような、酸味はレモンにも近い感覚。
それでいて、それらが一瞬で駆け抜けていくライトボディ。
それって美味しいの?
えぇ、美味しいんです。
不思議とふたくち、みくちほしくなって、気づいた頃には650mlが空に…。
フレッシュな酸味を効かせたシャンパンのようでもあり、濃厚なフルコースでもリ・セット&引き際を心得ている味わいでした。
個人的にベルリナー・ヴァイセもビーツも初体験。「これがビーツのキャラクターか!!」と明確に探せなかったので、生ビーツを経験したらまたチャレンジしたい一杯です。
-Beer profile-
America
EVILTWIN BREWING
Luksus One
Berliner Weisse
ABV 4.0%
麦芽・ホップ・ビーツ・リコリス
【Luksus at TØRST】
http://www.luksusnyc.com/
【Back Number】
Tasting report No. 20 India Pale Weizen
https://www.jbja.jp/archives/10697
お読み頂いた皆様に感謝を込めて。
佐藤翔平
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。