[JBJA活動]2015.10.18

【シリーズ☆鳥取のビール事情】NHK文化センターで講座を開講したのでレポート

たぶん中学生のときだったと思う。運動会の最後のプログラム「閉会の言葉」で印象的な出来事があった。

スピーチ内容で感動した、とかそういうことではない。子どもながらに長―いスピーチを覚悟していたら、そんな空気を察した校長先生が一言「まあ、皆さん疲れてるだろうから、今日はこれにておしまい!!」と言って切り上げたのだ。全校生徒が快哉を叫んだのは言うまでもない。

あまり人が求めていない場合、話したいことがあっても短く切り上げる方がいいんだ。そう深く胸に刻んだ少年はやがて成人になり、ビールをたしなむようになり、ビールの知識を付けるようになった。するとどうだろう、人に延々話したくなる。だが、僕の記憶内にはジョホールバルの歓喜と並ぶ、あの「閉会挨拶の歓喜」がある。例えばイタリアビールを飲みながらの楽しいひとときを、僕が延々話すことによって「ドレハーの悲劇」などにしてはならないといつも気をつけていた。

数カ月前、NHK文化センター鳥取教室からビール講座開講の依頼を受けてまず思ったのが、「ビールについて思う存分話せるぞ!」ということだった。依頼を食い気味に快諾し、話す内容をあれこれ考えた。やっぱりテイスティングはしたい。じゃあ、何を選んだらいいだろう?NHK文化センターの方と打ち合わせをし、作ったパワポ資料を見せに行き、内容は固まった。そして、あっという間に当日を迎えた。スタートは19時。僕は2時間前の17時に会場入りした。

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壁には講座の案内がズラリ。よく見てみると…

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しっかり告知されてました!秋講座の折り込みチラシやHP等でも宣伝いただいた結果、定員10名を上回る11名の方々にお集まりいただけた。0だとさすがに中止だが最悪の場合、参加者1名でマンツーマンの講義も覚悟していたので嬉しかった(助かった)。

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参加は11名なので、4名+4名+3名の3グループを作ることに。レジュメとテイスティングノート、おつまみを用意して準備万端(肝心のビールはテイスティング開始の20分ほど前に冷蔵庫から搬出)。

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受講者の皆様も集まり、いよいよスタート。男女比はほぼ半々。4~50代の方が多かった。ざっくりした流れとしては、自己紹介→ビールの基礎講座→ペアリングについて→テイスティング→ビールの入手&オーダー法→家ビーを楽しむコツ→質疑応答 というビギナー向けのものでトータル90分(実際は15分ほど延長)。

講座タイトルは、「ビアエッセイストがこっそり教える『最高に旨いビール』」。一応「こっそり」と銘打っているため、テイスティングしたビールの銘柄を全て明らかにするわけにはいかないけど(よく写真を見たらわかるかも)、スタイルだけ明かすと、「ヴァイツェン、レッドエール、ブラウンエール、IPA、トラピストビール、ラオホ」という計6本。この選定にめちゃくちゃ悩んだが、ビールの味わいの多様性は伝えられたと思う。

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というわけで、グラスへの注ぎ方の実演なども交えつつ和やかに講義終了。スタッフの方々との打ち上げでも最高に旨いビールが飲めた。

今回、初めて講師をやってみて色々な反省点があった。自分の知識のなさも痛感した。元々自分の知識が浅いことはわかっていた。自分一人ならそれでもいいけど、曲がりなりにも人前に立って講義を持つなら、もっともっと知識を深めた方がいいと思った。

一方で、講座を持つのはとても楽しいこともわかった。そりゃ、そうだ。「ビールについて話したい!」という思いを抑制しながら生きてきた人間が(あんな語っておいて?と思う人もいるかもしれない)2時間近くビールについて語れるし、目の前の人たちもそれを望んでいるのだから。「NHK文化センターの歓喜」が自分の人生の1ページに加わったくらいだ。

今回経験し学んだことをふまえて、また鳥取で、いやお呼びがかかれば西日本どこへでも足を運び(旅好きなのでむしろ遠い方が嬉しい)、「ビールがある人生の素晴らしさ」を伝えたいと考えている。

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※鳥取教室がある鳥取の観光地、白兎海岸にて(…だから何?とは言わないでください)。

ビアエッセイストビール講座鳥取

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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